香登使信

日本イエス・キリスト教団香登教会

2020年11月1日第831号

「キリストの弟子の条件」ルカ14:25〜35 工藤弘雄牧師

 創立記念秋期聖別礼拝です。『香登修養会60周年記念誌』の佐藤邦之助先生、小島伊助先生の誌上メッセージを噛み締めつつ、「キリストの精兵」、「キリストのもの」となり、真に「キリストの弟子」となりたいと願わされます。主イエスはこの個所で三回、「わたしの弟子となることはできません」と厳しく弟子の条件を語られました(26,27,33)。一体それはどのような条件でしょうか。

愛情の聖別

 晩餐会への恵みに満ちた招きの譬えの後、主イエスは振り向いて、大勢の群衆に一転して厳しい弟子の条件について語られました。自分の弟子にこれほど厳しい条件をつけた方は歴史上主イエスのほかにおられません。第一の条件はこれです。「わたしのもとに来て、自分の父、母、妻、子、兄弟、姉妹、さらに自分のいのちまでも憎まないなら、わたしの弟子になることはできません」(26)。

 これは何と厳しい条件でしょうか。父母、兄弟姉妹、また自分を愛することは主イエスの教えでした。それに真っ向から対立するような条件です。特に「憎む」という表現は強烈です。ところが他の箇所を見ると、「わたしよりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしい者ではありません」(マタイ10:37)と語っておられます。当時の表現で、「猫よりも犬が好き」という場合、猫を「憎む」と表現したそうです。つまり、イエス様と家族を天秤にかけ、どちらを愛するかと問われたとき、どんなに愛する家族であっても、イエス様の方を愛する者、それがキリストの弟子であると言うのです。

 まず、「わたしのもとに来て」とあるように主の御足下に来て、私たちの救いのためにいのちをささげてくださった主のご愛を噛み締めましょう。キリストの愛我に迫れり!このご愛を深く感謝し、主イエスを心から愛するとき、愛情は聖別され、返って家族の者や自分のいのちを心底から愛する者になることでしょう。

己れの聖別

 さらに主イエスは言われました。「自分の十字架を負ってわたしについて来ない者は、わたしの弟子になることはできません」(27)。キリストの弟子の第二の条件です。主イエスは福音の大宣教命令で、「あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい」(マタイ28:19)と言われました。キリスト者とはキリストの弟子とあることです。そのキリストの弟子と十字架とは不可分なのです。十字架は重荷と恥と苦痛の代名詞です。しかし、キリストの弟子は、これを避けてはなりません。私たちには私たち銘々が負うべき十字架があります。伝道や愛の働きは楽しいものですが、当然犠牲や重荷も伴います。時には辱めや痛みが伴うでしょう。しかし香登教会の信仰の先輩たちは、みなこの十字架を負ってきました。

 世間の生き方に迎合し、肉の楽しみを追い求めるキリスト者はみな十字架を避けるでしょう。自分のうちにある肉性が幅をきかせ、古い自我性が生々しく生きているクリスチャンは決して十字架を負うことはできません。ですから、主イエスは他のところで、「自分を捨て、日々自分の十字架を負って、わたしに従って来なさい」(ルカ9:23)と命じられました。小島伊助先生が先の記念誌で、その肉を十字架につけ、キリストのものとなることを語られましたが、「自分を捨て」という「自我の磔殺」による「己れの聖別」こそが、自分の十字架を喜んで負う秘訣であることを知りましょう。

所有物の聖別

 さらに主イエスは言われました。「そういうわけで、自分の財産すべてを捨てなければ、あなたがたはだれも、わたしの弟子になることはできません」(33)。貧しいやもめは全財産であるレプタ二枚をささげました。ベタニヤのマリヤは主の愛に応えて、純粋で高価なナルドの香油を惜しみなく注ぎました。バックストン先生の友人、C・T・スタッドは、父親からの莫大な遺産金をすべて宣教や愛の事業にささげました。

 「自分の所有物」は自分のものではなく「主の所有物」であると認めるところにキリストの弟子の条件があります。私たちの命も身体も金銭も持ち物も賜物も時間も全て主のものです。それら全ては主からの預かりものとして、主のみこころに従って管理し、「私の所有物は全て主のものです」と主に献げきるところにキリストの弟子の条件があるのです。

 キリストの弟子!それは全てにおいてキリストを優先することです。イエス様と家族、イエス様と己れ、イエス様と財産、その選択において、喜びと感謝をもってイエス様を優先することです。

 キリストの弟子!その弟子のコスト計算が必要です。主イエスはここで三つの譬えを語られました。塔を建てるとき、「まず座って、費用を計算せよ」、戦いを交えるとき、「まず座して戦力分析をせよ」、塩は良いもの、「しかし、塩の効き目があるか点検せよ」と。

 

 キリストの弟子の条件を果たせているか、「まず座して」点検しましょう。そして「キリストのもの」に徹して「キリストの精兵」として喜んで主に仕えましょう。

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