香登使信

日本イエス・キリスト教団香登教会

2020年10月18日第830号

「栄えに満ちた喜び」Tペテロ1:8〜9、ローマ4:25〜5:11 工藤弘雄牧師

 輝きに満ちた喜びにあふれ、栄えに満ちた喜びに踊る初代のキリスト者は、全時代のサンプル・クリスチャンと言えるでしょう。その喜びの内容がローマ書五章前半に三つの喜びとなって燦然と輝いています。

キリスト者の三重の喜び

 第一の喜びは「全幅的な救いを喜ぶ」ことです。二節の終りに「そして、神の栄光にあずかる望みを喜んでいます」とあります。一、二節には、神の栄光にあずかる希望に至る全幅的な救いが美しく、総括的に記されています。その救いの基盤が、四章二五節のキリストの十字架と復活です。

 信仰義認!これが全幅的な救いの第一ステップです。過去に犯した罪は赦され、その罪さえも犯さなかった者と認められる「無罪宣告」の恵みです。

 神との平和!これが信仰義認に続く恵みです。良心の呵責、自責の念、神への恐れなき晴れ渡った心の恵みです。

 今立っているこの恵み!新たに信仰によって導き入れられるこの恵みは、新生、聖化の恵みと言えるでしょう。これについては説教の後半で述べましょう。

 神の栄光にあずかる恵み!まさに全幅的な救いのゴールです。栄光のからだに化せられる恵みと言えるでしょう。

 この「喜び」(カウコーマイ)は大いに喜ぶ、勝ち誇る喜びを表す用語です。今、大感謝してこの全幅的救いを大いに喜びましょう。

 第二の喜びは、「難さえ喜ぶ」 ことです。「それだけではなく、苦難さえも喜んでいます」(3)。苦難や試練は悲しく、苦しく、痛いことです。しかし、全幅的な救いにあずかっているキリスト者は、苦難の中でも勝ち誇るように喜ぶことができるというのです。説教者ポーロ・リースは、「苦難を浪費せず、光輝なものに用いよう」と呼びかけています。思えば次女のメールには、信仰、希望、愛、そして感謝の文字が何度繰り返されていたことでしょうか。さらに、苦難から忍耐・剛毅、練達、希望が産み出されるのです。なぜなら、   弱く、罪人であり、神に敵対していたときに、すでにあらわされた神の愛が聖霊によって洪水のように注がれているからです。

 第三の喜びは、「神ご自身を喜ぶ」ことです。「それだけではなく、私たちの主イエス・キリストによって、私たちは神を喜んでいます」(11)。神を大いに誇り、喜ぶ。救いの恵みも苦難の中の勝利もさることながら、神はわが喜び、わが望み、わがいのち、わが誇り、宝、誉れ、知識、すべてのすべてと喜ぶのです。貧しいとき、豊かなとき、悩みのとき、幸いなとき、病めるとき、健やかなとき、愛なる主は不変です。この臨在の主こそわが救いなり、と喜ぶ喜びこそ、栄えに輝く喜びなのです。

大いなる救いへの招き

 この栄えに満ちた喜びは、信仰の結果であるたましいの救いの結果であるとペテロは記します。今私たちはその救いの全貌を見ました。さらにその救いの本体ともいうべき「今立っているこの恵み」に招き入れられる秘訣について見ましょう。

 ローマ書六章からは、聖化の恵みについて記されています。そのために知っておくべき二つの十字架理解があります。第一の十字架理解は、身代わりの十字架、私を生かす十字架、つまり罪の赦しの十字架です。第二の十字架理解は、磔殺(たくさつ)の十字架、私を殺す十字架、つまり、罪のきよめの十字架です。第一は犯罪、複数の罪からの救い、第二は、単数の罪、罪の根源からの救いと言えるでしょう。その大いなる救いに招き入れられるために決め手となる「三大用語」があります。

 第一は、「知ること」です。「私たちは知っています。私たちの古い人がキリストとともに十字架につけられたのは、罪のからだが滅ぼされて、私たちがもはや罪の奴隷でなくなるためです」(6:6)。何という驚くべき知識でしょうか。何という真理でしょうか。私たちの古い人は十字架につけられたこと、罪の組織体が一撃のもとに解体し、もはや罪の奴隷とならないこと、まさに「ハレルヤ」です。

 第二は「認めること」です。「同じように、あなたがたもキリスト・イエスにあって、自分は罪に対して死んだ者であり、神に対して生きている者だと、認めなさい」(6:11)。認めるとは、原語で決算、勘定することです。今、ここで私たちは、この御言葉に立ってそのように割り切り、決算、勘定してしまいましょう。

 第三は、「ささげること」です。「むしろ、死者の中から生かされた者としてあなたがた自身を神に献げ、また、あなたがたの手足を義の道具として神に献げなさい」(13)。献げる本体は、「自分自身」です。自分の意志です。「神様、あなたの意志、あなたのみこころのままにしてください」と明け渡すことです。神の意志か私の意志か。「神の意志のまま、みこころのままに」とささげ、自分の手足、全肢体を神の道具として用いてくださいとささげることです。

 栄えに満ちた喜び!これは聖霊に満たされた者の喜びです。知ること、認めること、ささげること、そこに聖霊えい満の秘訣があり、栄えに満ちた喜びの秘訣があるのです。今、この喜びに生きなさい。

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