香登使信 

日本イエス・キリスト教団香登教会

2020年4月26日第818号

「御翼の陰は安らかなり」詩編121章1〜8節 工藤弘雄牧師

 新型コロナウイルス感染拡大のため全国に緊急事態宣言が出たことにより、主日礼拝は「在宅共同礼拝」に移行されました。週報、説教要旨、動画、音声などを用い、統一の聖書個所と説教、賛美、祈り、教会情報を共有する礼拝です。早くも遠近より様々な応答があり、励まされています。今、詩編121篇から「主の守り」の語りかけを共に聞くことにしましょう。

わが助けは天地創造の主から来る

 まず、一〜二節をご覧ください。「私は山に向かって目を上げる。私の助けは どこから来るのか」(1)。エルサレムに向う巡礼者の問いかけです。彼らはエルサレムの山並みを仰ぎ、「私の助けは主から来る。天地を造られたお方から」(2)と答えるのです。何というすばらしい信仰でしょうか。

 備前にも山があります。私の育った信州は山国ですから、八ヶ岳連峰はもとより、南、中央、北と壮大なアルプス山脈を見ることができます。そうした山々を創造された神から助けが来るというのです。かつて次男の誕生後間もなく、筋肉のガンで左足切断という試練の中で、妻は大学病院の屋上でよく六甲山を仰いだそうです。そしてこの大試練の中でも天地を創造された主が助け、守り、支えてくださると涙ながらに祈ったとのことです。今、大自然を創造された主を仰ぎましょう。私の助けはそのお方から来ると信じましょう。

主はあなたを災いから守られる

 続いて三〜六節をご覧ください。私たちの助け主はどのようなお方でしょうか。ここに三回も記されているあなたを「守る方」にご注目ください。今、どのような危険、災いの中でも、このような「守る方」がおられるのです。

 まず、私たちを守る方の目をご覧ください。「見よ イスラエルを守る方は/まどろむこともなく 眠ることもない」とあるように、うたた寝したり、眠り込むことなど絶対ありません。空港の管制官のように、試合を注視する監督のように、遊ぶ子どもを見つめる母親のように、主はじっと私たちを見つめてくださるのです。ですから、人生の旅路において、私たちの生活の足や信仰の足がよろけることがないように守ってくださるのです。この私たちに日々注がれている主の守りのまなざしを知りましょう。

 次に私たちを守る方の御手をご覧ください。「主はあなたを守る方。主はあなたの右手をおおう陰」(5)。「あなたの右手」とはあなたの大事な「利き腕」です。主は大いなる御手を広げ、あなたの大事な利き腕を覆い、全身であなたを守る陰となってくださるというのです。まさに「御翼の陰」の守りです。

 昔、旅人が荒野を旅するとき、昼の灼熱の太陽、夜の突き刺すような月光は病の原因になったとも言われました。主は今もそのように日や月があなたを打つような災いから、大いなる御手を広げ、私たちを守ってくださるのです。

 新型コロナウイルスが感染拡大する中で、まどろむことなく、眠ることなく注がれる主のまなざし、私たちをおおい守ってくださる主の御手を心から感謝しましょう。主はあなたをすべての災いから守られるお方なのです。

主はあなたのたましいを守られる

 七〜八節をご覧ください。主はすべての災いから私たちを守られるばかりか、「あなたのたましいを守られる」と歌われています。最近の訳でこの一句を目にしたとき、新しい光を得ました。あらゆる危険から守られる主は、私たちにとって一番大切なたましいを守ってくださるということです。

 新型コロナウイルスは人類が初めて遭遇する恐ろしいウイルスです。その感染が全世界に拡大し、多くの生命が危険にさらされています。しかし、人々の肉体の生命を奪うウイルスよりもさらに恐ろしいものは、人々を永遠の滅びへと追いやる罪のウイルスです。その罪の感染から私たちのたましいを守ってくださる主は何と大いなる救い主でしょうか。教会の扉が開いていることは罪の猛威から人々を救うことになります。在宅での祈りとともに自分のたましいの一層の守りのため、「祈りの家」で牧師と祈る兄姉たちもいます。そのたましいの守りのため、在宅でしっかり礼拝しましょう。共に祈りましょう。心から賛美しましょう。たましいが養われるように努めましょう。

 「主はあなたを 行くにも帰るにも/今よりとこしえまでも守られる」(8)。昔のエルサレム巡礼の往復時も、現在の大きな旅も、日常の出入りも、主は常にとこしえに私たちを守られるのです。

 人生の旅路で、また歩行、自転車、自動車、列車、飛行機などの実際の旅行で、主に守られていることを感謝しましょう。私も海外旅行中、機内で倒れ、緊急着陸を余儀なくされたこともありました。その時の主の守りと人々の親切を決して忘れることはできません。

 「いかに恐るべきことありとも/御翼の陰は安らかなり/愛の神は いかなる時にも/頼るなが身保護し給わん」(新聖歌311)。今、この新聖歌を心から讃美しましょう。私たちを守り、勇気づけ、必要を満たされる主をほめ歌う讃美をもって一週の旅路を始めましょう。

トップページへ


日本イエス・キリスト教団 香登教会

〒705-0012 岡山県備前市香登本550-3
TEL:0869-66-9122 FAX:0869-66-7311
E-mail:Kagato☆kbh.biglobe.ne.jp
スパム防止のため「☆」を「@」に書き換えてお送りください 。
(C) 2017香登教会