香登使信 

日本イエス・キリスト教団香登教会

2020年4月12日第817号

「平安があなたがたにあるように」ヨハネの福音書20章19〜23節  工藤弘雄牧師

 イースターの朝を新型コロナウイルス感染が日本国中に拡大する中で迎えています。教会においては、限定された礼拝の仕方で、また各家庭や施設でイースターを守ることになりました。感染症の不安が蔓延する中で「平安があなたがたにあるように」と語られる復活の主の御声を聞きましょう。

恐れから喜びへ

 主が十字架にかかられた三日後、週の初めの日の夕方、弟子たちがユダヤ人を恐れ、戸に鍵をかけ閉じこもっている中に、「イエスが来て彼らの真ん中に立ち、こう言われた」のです。「平安があなたがたにあるように」(19)。

 施錠して誰も入れない部屋に主は入って来られました。主は生き返られたのではありません。栄光のからだに復活されたのです。第一コリント書十五章にあるように、血肉のからだではなく、朽ちない、栄光ある、力ある、御霊に属するからだに復活されました(15:42〜43)。主イエスは十字架上で人類の救いのわざを完全に成し遂げ、死んで葬られ、三日目に死を撃破し復活されました。もはや血肉のからだのように時間や空間に制限されません。いつでもどこでも時間空間に制約されることなくご自身を現すことができたのです。

 イエスが来て彼らの真ん中に立ち!このよみがえりの主は、今も私たちの真ん中に立っておられます。かつて主イエスは「二人か三人がわたしの名において集まっているところには、わたしもその中にいるのです」(マタイ18:20)と約束されました。その約束どおり、目には見えませんが、よみがえりの主は、今、このイースター礼拝の真ん中に立っておられるのです。

 さらに、主イエスは平安の挨拶をされると、「手と脇腹を彼らに示された」(20)のです。その手には十字架の釘跡が、その脇腹には槍の跡がくっきりと残っていました。復活、栄光の主のおからだに、私たちを永遠の滅びから救うために成し遂げられた贖いの傷跡が残っていたのです。その贖いの証拠は永遠に消えません。ですからその贖いは永遠に効力があるのです。「弟子たちは主を見て喜んだ」(20)。十字架において罪に勝利し、復活において死に勝利された主を見た弟子たちは大歓喜しました。弟子たちはまさに恐れから喜びへと一変したのです。

 新型コロナウイルスの恐れと不安の中で、今、私たちは限定されたかたちで礼拝を守っています。その礼拝の真ん中に罪と死に完全に勝利された主は立たれます。「まことに、彼は私たちの病を負い、私たちの痛みを担った」(イザ 53:4)とあるように、罪を負われた主は、また病を負われるお方です。ウイルスの脅威をも負われ、病を癒し、感染拡大をとどめる主を、今、信じ仰ごうではありませんか。

閉じこもりから派遣へ

 主イエスは再び言われました。「平安があなたがたにあるように。」二度目の平安の挨拶です。それは私たちの新しい歩みのただ中に平安があるようにとの挨拶です。そして言われました。「父がわたしを遣わされたように、わたしもあなたがたを遣わします」(21)。閉じこもっていた弟子たちを新しく遣わすというのです。それも御子が御父から遣わされたように遣わすというのです。

 以前、島根県在住の地方会員をお訪ねしたことがあります。大変喜んでお迎えくださり、おもてなしをいただきました。ご両親とすっかり仲良くなり、やがてはお二人とも受洗され、今香登教会の納骨堂に遺骨が納められています。私たちが訪問の際、「まるでイエス様がお越しくださったように思いました」と感動を打ち明けてくださいました。私たちがイエス様と一緒にされることなど恐れ多いことです。しかしガラテヤ書を見ると、「かえって、私を神の御使いであるかのように、キリスト・イエスであるかのように、受け入れてくれました」(4:14)とパウロは記しています。そうです。クリスチャンは、「キリスト屋」とか「キリストさん」などと呼ばれることがあります。昔、香登教会の信者さんは「わしらは毎日キリストさんを見ています」と言われたとのことです。そのように言われるためには、キリストの御霊を受けなければなりません。

 「こう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた。『聖霊を受けなさい』」(22)。よみがえりの主は弟子たちに新しい命を吹き込まれました。聖霊を受けなさい!死からよみがえりの命を与える聖霊です。今、聖霊を受け、聖霊のいのちに満たされるとき、血肉のからだでありながら御霊に属するからだに一新され、罪と死に打ち勝つからだに変貌されるのです。そして私たちは御父が御子を遣わされたように、遣わされ、驚くべき使命を果すのです。「あなたがたがだれかの罪を赦すなら、その人の罪は赦されます」(23)。主の十字架を示し、罪の裁きと永遠の死からの救いを示し、罪の赦しと永遠の命を宣言する権威が与えられるというのです。

昨秋、召天された畑野久子さん。 ご両親はバックストン先生から受洗、亀岡教会の初穂。生涯、何人かの受刑者、死刑囚とその家族に寄り添い、永遠の救いに導いた証し人。『甦った人』やCDの証しは読む者、聞く者にこの聖所箇所の真実さを証明することでしょう。

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