更新日 1999年05月04日
年式 | 平成5年8月 |
ボディーカラー | スーパーレッドU |
メーカープション | ・4輪ABS |
変更箇所 | ・ステアリング ナルディガラ3(TYPE−0) ・シート レカロSR−U (2脚) ・シートベルト サベルト (2本) ・ブレーキパッド ウィンマックス20/フェロードDS11 ・ショックアブソーバー KYBスーパースペシャルジムカーナ(ラム式) ・スプリング ノーマル ・アッパーマウント TRD ・LSD TRD機械式(2Way/イニシャル+1) ・クラッチ/カバー TRD ・その他、いろいろ。TRDパーツ投入 |
オーディオ | ・アゼスト VAX9150(タッチパネル2DINヘッドユニット) ・アゼスト CDC1205(CDチェンジャー) |
カーナビ | ・アゼスト NAX9100 |
ホイール・タイヤ | ・ホイール スプリントハート(SW20セット) F:7.0J−15 R:7.5J−15 ・タイヤ ダンロップD98J(ソフト) F:205−50−15 R:225−50−15 |
オイル | ・エンジオイル カストロール シントロン5W−50 ・ミッションオイル TRD 85W−140 |
用途 | ・多分最初で最後の新車 ・ジムカーナ参戦 ・いちおうファーストカーとしてお出かけにも活躍 ・冬になると冬眠してた(スタッドレスもなかった) |
燃費 | ・趣味が「燃費」だけあって、普段乗りで9〜11km/リットル ・ジムカーナが絡むと2〜4km/リットル |
競技結果 (ジムカーナ) |
・「ロードスター&FRミーティング95」シリーズ優勝(全6戦) ・「ロードスター&FRミーティング96」シリーズ優勝(全6戦) ・96年 長野県シリーズ ジムカーナ第3戦 AV 2位 ・その他もろもろ。入賞多数 |
<個人的な概要>
ダートトライアルからジムカーナに転向するにあたって、激戦のAUクラス(1300以上1600cc未満)ではあまりにも厳しいと思い、AVクラス(1600cc以上)に参戦を決意。
で、ホームグランドのSKZ(フォーミュラークラブ軽井沢/佐久)や長野県内のジムカーナ場に有利と思われる車種としてMR−2を選定したのが平成5年3月のこと。
最初はU型(マイナーチェンジ後)の中古車を探していたのだが、なかなか納得のいくタマがなかったため、新車で購入。
ホントだったら、Tバールーフになどしないで、ジムカーナベース車両(カタログには載っていないモデル。若干安いが下取り価格はボロボロ)にすべきところであったが、手放すことを考え、当時、もっとも査定が良いと思われたTバールーフの赤を購入。
さらに、それまでジムカーナのオフィシャルをしていたときの経験から「MR−2にはABSが絶対に必要」と判断し、メーカーオプションのABSを装着。
色が赤ってことで、仲間からは「ミーハー」だとか言われたりもしたが、ジムカーナに対しては結構真剣で、平成5年8月納車から、来年のシリーズに向けて完璧な慣らし運転とパーツ選定を半年かけてじっくりとおこない、同時にミニ・サーキットでの練習走行も計画どおりにこなせた。
このおかげで、平成6年からの競技はわりかし上手くいき、平成7年の長野県ジムカーナ(JAF戦)ではめでたく2位に入賞。
一方、シロウト向けの草ジムカーナでは常勝組(関係者からは弱いものイジメと言われたが)になり、2年連続でシリーズ優勝など出来た。(海外旅行の副賞もゲット!)
そんなMR−2であったが、ホンダからインテグラRがデビューしたおかげで、ジムカーナ仲間(ライバル達)が次々と乗り換えるなど、不安があったため、組み込んだパーツがひととおり消耗したあたりで手放すことを決意。
結局、3年ちょっとで売却した。
<私情インプレッション>
・走りに関して
まずはノーマルの話。
MR−2GT−Sの場合、純正ビルシュタインショックとビスカスLSDが標準装備のため、フツーのクルマよりは元気に走るものの、一貫してアンダーステアだらけのクルマです。
よく雑誌などには「ピーキーなジャジャ馬」などと書かれているのですが、私の結論は「アンダーステアとの闘い」なクルマです。
ちょっと難しい話になりますが、MR−2はもともと意図的なアンダーステア設定です。
フロントのトー角は0で、リアがトーインなセッティングのため、標準ビルシュタインでは深いターンインで大きくステアリングを切るとたちまちフロントタイヤがグリップを失いますし、こうならないためにフロントの荷重を増すための制動をするのは極めて難しいクルマです。
また、サスペンションとスタビアイザーのセッティングは極めて安定志向に振られているため、よほど乱暴な運転をしない限り、スピンアウトはしないようになっています。
一方、トラクション性能はミッドシップらしく十分な性能を持っているのですが、コーナー脱出時に本格的な駆動をかけると、ビスカスLSDが負けてしまいます。(このため、やっぱり安定志向)
ただ、MR−2は普通に飛ばすとノーマルの状態で十分に速いため、ある意味、このセッティングは「安定志向の優れた足」とも言えます。
ただ、やっぱり、このノーマルのセッティングではジムカーナでは勝てませんね。
で、ジムカーナ用に仕上げた時の話。
まず必要なのは立ち上がりのときのリアの踏ん張りのアップなので「リア側を固めること」から考えるのですが、リアの減衰圧だけをあげてしまうと、フロントの応答性がどんどん悪くなるため、結果的に「計算された足回り」が必要となります。
特にミッドシップというのは難しいらしく、ジムカーナでMR−2を使用しているいろんな人の意見も踏まえて、KYBのスーパースペシャルジムカーナをチョイスしました。
このショックは倒立サス(KYBではラム式と呼んでいる)で、スプリングはノーマルのものでセッティング出しをしているため、結局、KYBを信じてスプリングはノーマルを使用。(ノーマルといっても十分定数の高いモノなんですが)
で、アライメントはフロントをいじらず、リアだけ、若干ゼロ側に戻し、不必要な直進安定性を無くし、逆にコーナー脱出時のアンダーステアをなくす。
ビスカスLSDではろくな差動効果が選られないので、機械式に交換するんですが、悩んだのは1.5Wayにするか2Wayにするかでした。
しかし、進入時のアンダーよりもコーナー中盤のリバースのほうが恐いため、2Wayにして、更にイニシャルトルクを若干上げる。
タイヤはジムカーナ用のD98Jをチョイスしたのですが、少しでもフロントのコーナー限界を高めるため。1サイズUPの205−50−15をチョイス。空気圧は、路面によるけど、フロント1.4、リア1.6を基準に落とす方向であわせるため、ホイールサイズはフロント7.0J、リア7.5Jのスプリントハート。(このホイールはトレッドを少しでも稼ぐため、SW20用のオフセットになっている)
ブレーキはもともと純正が良く出来ているのだが、やっぱりフェロードのDS11に変更。(ウィンマックスの20も良かったんだけど、リアの制動力が弱く、前後バランスを考えてリアにDS11を入れたりして色々チェックした結果、SKZでは前後DS11のときが一番いいタイムが出た。)
とまあ、この程度やった場合のMR−2は、実によく動くクルマになります。
(ホントはもっと良く出来るんだろうけど、ジムカーナの場合、当時のレギュレーションでは、車高変更などは禁止なので)
もともと225psエンジンパワーは十分な出力なので、立ち上がり重視の走り方をすれば結構なタイムが出ます。
トラクション能力が高いため、クリップ後からすぐに加速体制に入れ、このときのテールスライド量は最小限に抑えられています。
また、S字もアクセルON/OFFでクルっと向きが変わるため、ステアリング操作が最小限で失速も最小限という理想的なフットワークを実現します。
MR−2の場合、しいていうならターボラグとトルク変化が気になるのですが、致命傷というレベルではないと思われます。
(逆に、マフラー交換とかして背圧をなくすほうが恐い。パワーは車体に対して十分でしょう。)
もともと大きなスライドをさせるクルマではないですし、余計なスライドは即スピンにつながりますが、丁寧に走ればタイムにつながるという点で、とても良く出来たクルマだと思います。
あ、あと。下りは本当に速いクルマですよ。(下りのときのバランスは最高!)
・内装
もともと外装や内装にこだわるクルマではないのでどうでもいいんですが、やっぱり純正のステアリングは問題だらけです。
(ロードスターのように最初から納得のいくステアリングをつけとけばいいのに)
あと、私はTバーを選択しましたが、普通に乗っている限り、よく言われる「ボディ剛性の低下」は感じられませんでした。
いちおう、ノーマルルーフのジムカーナ車とも比較しましたが、私のレベルではわからなかったというのは本当のところです。
(そう考えると自動車雑誌の方々って凄いですよね。)
それと、Tバーの場合、頭上がノーマルルーフよりクリアランスがあるため、ヘルメットをかぶった場合、ギリギリ天井に当たらなくて助かってます。
そうそう。MR−2の場合、U型以降のシフトノブは最高の出来だと思います。
色々なノブを試してみましたが、純正品が一番しっくりきました。(ノブの自重がカギですかね)
ちなみに、シートは納車後、すぐに交換してしまったため、純正品については全然わかりません。(結局、買ったときと売ったときだけ座りました。)
・問題点(故障内容)
新車で買ったこともあり、特に目立ったトラブルはなかったのですが、2回、クレーム修理しました。
2回とも同じ症状で、ギヤが入らなくなるというものでした。
原因はミッション側の金属部品が割れたということでしたが、トヨタ側から「スピンしたときですか?」などと発生状況をいろいろと聞かれました。(べつにクレームを嫌がっているのではなく、クレーム修理の前提の上で質問されました。)
あと、熱ダレはよく起きるクルマなので、良いオイルを早めに交換するというのは大事なようですね。
<個人評価>
ジムカーナ車両としては「もう少し軽くならないかな」とか「全体的なコーナリング限界が思ったほどではない」とか「エンジン出力を若干落としてでもレスポンスを上げてほしい」など思うのも事実ですが、全体的に分かりやすく、安心して走れるクルマでした。
これは乗っているときには気が付かなかったんですが、MR−2を手放してから、パルサーやロードスターなどでジムカーナコースを走ってみるとMR−2の総合性能の高さを実感しました。(特にブレーキ性能がとてもよかったと今になって感じています。)
MR−2はスポーティーな外観を纏い、2人乗りという特殊なクルマですが、クルマ好きの方には、ぜひ、乗り込んでほしいクルマです。
ドリフトなどには不向きですが、FRに乗りなれた人にとっては、MR−2の持つトラクション性能の凄さを味わってほしいところです。
結局、3年ちょっとで手放したわけですが、今では「また乗りたい」と思っているクルマでもあります。