更新日 2004年06月14日


<関わるクルマ紹介−ファイル19>


私情インプレッション

トヨタ ソアラ 2.5GTツインターボL




<実車主要スペック>

年式 平成4年
ボディーカラー グレイッシュグリーンメタリック
メーカープション リアワイパー+リアスポイラー+フロントリップ
足回り ・標準のピエゾTEMSから、TRDビルシュタインに変更
 (48510-JA801、48530-JZ300)
オーディオ ・アゼスト VAX9150+NAX9100+CDC1205+4chアンプ 
ホイール・タイヤ ・夏用 リミテッドエディション用 純正アルミ(16-7JJ)
 225-55-16(標準サイズ)
・冬用 ノーマルホイール
 225-55-16 スタッドレス
使用オイル こだわりゼロ
用途 ・パーソナルユース
 通勤以外でBe-1を使わないときの足
燃費 普通乗りで4〜6km/リットル



<個人的な概要>


 完全に衝動買いした一台。というと語弊があるので、Be-1スーパーターボのセカンドカー。
 というのも、結婚して、奥さんが妊娠して、スカイラインを売却して、通勤用にBe-1スーパーターボを購入したのはよかったが、このBe-1が結構目立つため、「目立たない用」ということで、こずかい程度で買える10年落ちくらいの2ドアクーぺを探していたら、結局これになった。
 当初は「10万円くらいでテキトーなのないかなあ」と思い、SW20(MR-2)のノンターボのATなんかをYAHOOオークションで物色していたのだが、紆余曲折があり、気が付いたら30万円のこのソアラを購入したというわけだ。
 (選択肢のなかに70スープラもあったのだが・・・程度の悪いものばっかりだった)

 というわけで、若干予定金額より高くなってしまったが、「まあ、過去の栄光を築いたトヨタ2ドアスペシャリティーフラッグシップに乗るのも悪くないかな」という気持ちで、平成4年走行8万kmのソアラをチョイスしたわけだ。
 ちなみに、購入先は大阪の某輸入車販売店。
 で、面倒だったので実車確認も無しで陸送で送ってもらった。(陸送費はサービス)

 無論、これまでの固定観念で「まあ、トヨタ車だし、日産みたいに次から次へと壊れることはないだろう」と安直に考えていたが・・・。
 
 まあ、詳しい話は以降、していくことにしよう。


<私情インプレッション>


・走りに関して

 2ドアスペシャリティということで、けして走行性能を望むクルマではないのだが、エンジンパワーは2500ccツインターボで280psだけあって、「無意味なハイパワー」である。
 どういう意図があってこういうエンジンを積むのか不明であるが、当時、先代モデルにあたる70スープラの最終バージョンで搭載した流れを汲んで、「フラッグシップモデル」であることを意識したのだと思われる。
 無論、ソアラの本命はセルシオに搭載した4000ccのV8エンジンなわけだが、どうせなら、もう1グレード増やして普通の2500ccNAとかを用意しておけばよかったのに・・・などと感じるエンジンである。
 実際、90系ツアラーVにも搭載されているこのエンジン。トラクションコントロール無しではリアタイヤのブレイクが簡単に出てしまう。
 オートマでそんな状態なのだから、マニュアルではさぞ大変だろうと思うが、「ソアラで元気に走りたい」という人には悪くないのかもしれない。
 ちなみに、実車にはトラクションコントロールは標準装備されておらず、マイナーチェンジで標準化されたらしい。
 
 また、LSDについてもオプションで、実車には付いていない。
 そのため、すでに何度か「おいおい」という状態になっている。(はっきり言って雨の日とか結構危ないと思うんだが)

 足周りについては、Lバージョンということで「ピエゾTEMS」なるものが搭載されている。
 これはピエゾ素子を用い、路面状況に対するショックアブソーバの減衰圧を瞬時に切り替えるというものらしいが、実車に問題があるのかもともとこうなのかは不明なものの、その恩恵はまったく感じられない。
 (ちなみにこのシステムもマイナーチェンジで消滅している。4リッターモデルの上級グレードは最初からこれではなく、エアサス)

 で、実際の乗り心地であるが、すでに実車が8万km乗っているのもあるのだろうが、セルシオやマジェスタ、あるいはクラウン、マークUあたりとは一線を画す「硬い足」である。
 当初、乗り心地がいいものなのかと思っていたが、乗り心地はホントに悪い。
 というか、フワフワ感がない。それはいいのだが、路面のギャップは端から拾う。
 これが車体が軽いのならいいのだが、車体がバカみたいに重いため、ドッタンバッタン感が大きく、車体の重さが更に強調されるという状態である。
 ただ、ショックが消耗していて、各リンク部のブッシュもヘタっているのでこうなのだと思う。(というか、多分そう)
 で、「じゃあ足回りをリフレッシュするか」と考えたが、ピエゾTEMSの場合、気が遠くなるくらい部品が高いため、そうもできない。

 というわけで、いろいろと考えた結果、TRDから出ていた限定品ビルシュタインショックアブソーバをチョイスすることにした。
 このビルシュタイン、てっきりKYBのOEMかと思いきや、なんとドイツ本国製であった。
 型番はフロントが48510-JA801、リアが48530-JZ300というもの。
 ちなみに減衰圧は、各々、438/105kgf、259/65kgf。

 (このビルシュタインをピエゾTEMS車に搭載する場合、非ピエゾTEMS用の純正スプリングとアッパーマウント、バンプラバーなどが必要になるので注意。)

 というわけで、これに変更した状態の実車は・・・・ まあ、消耗しきったピエゾTEMSよりはずっと良い。
 いちおうビルシュタインらしく乗り心地を損なわずに引き締まった足になるのだが、やはり車重が重いため、走行性能が圧倒的によくなるわけではなく、純正で目立っていたブレーキング時の嫌な感じのピッチングがなくなったのと、低速時のドタバタ感がかなり改善された。

 ただ、個人的な見解であるが、車重がありすぎるので、たぶん、他の足回りを入れてもこれより良くなることはないのではないか?と思ってしまう。


・内装

 すでに10年以上落ちなのだが、内装については「さすがトヨタ」という感じであって、時代遅れの内装とはいえ、やはり高級感はある。
 メーターは先代ゆずりのデジタル「スペースビジョンメーター」であるが、ハヤリうんぬんはともかく、「本当にカネかかってんなあ」と感じる。
 正直なところ、今時はまったく流行らないし、ある意味「今じゃダサダサ」という気もするが、でも、当時は「最先端技術」という言葉とともに羨望されたのが納得できる。
 というのも、このメーター。虚像反射タイプとかいうシステムを用いていて、真っ黒なメーターパネルの中に浮かび上がる各種インジケータが「立体的」になっているのである。
 特に笑えるのはウインカー。表示されている各インジケータのずっと手前に表示される。
 また、燃料については「残り○○リットル」と表示される始末。
 当然、オートマのインジケータはデジタル表示。 しかも見やすい。

 あと、エアコン表示は本来なら最上級仕様についているEMV(エレクトロニックマルチビジョン)のような凄さはないが、全体的に水準は高い。
 ちなみに、実車はリミテッドなので木目パネルを部分的に使用しているが、ドア周りとコンソールでは材質が違う(というか、コンソールはプラスチックで、ドアは本木目かな?)ようで、ちょっと?である。

 ちなみに、このクルマのもっとも高級感を感じるところは、ドア内側ノブの下の部分の内装である。
 (なぜかここの本皮は驚くほど手触りがよい)
 あと、通常の装備は車格どおりの高水準なもので、運転席・助手席パワーシートの制御もよく、シート自体も大変良く出来ている。

 オイラ的にはどうでもいいことばかりであるが、ただ、奥さんに言わせると、オイラの乗っていたここ10年間のクルマの中で最も良い。というのだから、やっぱり良いクルマなのであろうと感じる。


・問題点
 まあ、距離も乗っているし年式も古いためいろいろとトラブルはあってもおかしくないのだが、いくつか。
 まず、スタビライザー。
 これを聞いて?と思う人も多いと思うが、早い話、スタビのセンター部分を固定しているブラケット&ゴムブッシュが劣化していて、高低差のときに「ギシーーー」と嫌な音がする。まあ、交換すれば済むだけのことなのだが、じつはこのくらいの距離&年式でこれが出ているクルマは初めてであった。
 次に、トランクルームのダンパー。もれもダメになっていた。(ダンパーが弱くなっていてすぐに下りてきてしまう)
 あと、一番困っているのが、冷間時にエンジンをかけたあと、暖気をちゃんとやらないとアクセルONでエンスト。
 とりあえずディーラーでは原因が不明の状態である。
 たぶんエアフロっぽいのだが、ソアラのエアフロは妙に高いため、交換してなんともないというのも困るため・・・現在そのままである。

 とまあ、インフィニティのように「すげー高い修理代」というものはないが、ちょっと残念である。

<個人評価>


 購入当初は、Be-1もあるし、ヴェントもあるし、不要なクルマのような気がするが、実際に購入してみるとわりと活躍する機会が多い。
 燃費が悪いとはいえ、奥さんと二人で近場に出かけるときはヴェントではなくこっちを使ってしまう。
 というのも、やっぱりエンジンパワー、静粛性、走行安定性、ブレーキの安定性・・・・ そして一番は乗り心地、など、どれを取ってもヴェントより具合のいいのは確か。
 もっとも、荷物を載せるとか人を乗せる場合はヴェントのほうがよい(まあ4枚ドアだし、トランクの広さは比較にならない)のでヴェントも活躍するのだが、二人でドライブというとき、やっぱりソアラになってしまう。
 ただ、燃費だけはどうにもツライんだよなあ。 (4〜6km/Lといったところ。)

 というわけで、もしかすると現在の3台構成で長く乗っていそうな気がする1台である。


<2004/06/14更新>

 2003年03月に購入したソアラであったが、いきおいで購入しただけあって、ほとんど使用しないまま1年が過ぎた。
(子供がいるため、家族3人で出かけるときはヴェントだし、一人で出かけるときはBeostだし、なによりも、奥さんと二人だけで出かけることがほとんどなかった)

 そんなわけで、この1年間での走行距離は2000〜3000km程度であった。
 また、家族3人ででかけるときはヴェントでもいいのだが、奥さんのご両親を乗せてどこか行くにはヴェントでも無理があり、「3列シート」なクルマの必要性を感じ、ソアラを売却することとした。
 結局、ソアラは2004年3月、YAHOOオークションにて25万円で売却。
 34万円で購入し、車検を取っていろいろと細かいところを修復した総額は45万円ほどであったため、この1年で20万円の償却ということになる。(もっとも、走行距離から考えるともったいない買い物だった気がする)

 クルマとしてはとても満足できる内容であったが、いかんせん家族持ちには実用性の面で活用できずにいたのが心残りであるが、もし、独身だったらしばらくは乗りつづけたと思う。
 (ちなみに、ソアラの後釜として平成7年の初期型オデッセイ4WDを購入した。)

 くやしいけど、「やっぱりトヨタだよなあ」。これがソアラを1年間乗った感想であった。





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