遠望峰山(とぼねやま443m桑谷山(くわがいやま)436m                                       [三河] 

 

 中学時代の同級生の山歩きグループに初参加して、遠望峰山に登る。
 
グループの存在は数年前から知っていたが、ちょっと山の指向が違うかなと思っていた。しかし、母親が寝たきりになり 、遠くの山に行けなくなってしまったので、「近場の山ならグループで行くのも楽しいかな」と参加してみることにした。
 還暦の年に中学の同年会が開かれたのだが、それを契機に山歩きのグループがつくられたそうで、日帰りで県内の低山や鈴鹿などに出かけているとのこと。基本的には日曜日開催なのだが、自分は土日が仕事で参加できないので、主催者のSukくんが気を遣って くれ、木曜日の山行を計画してくれた。

 遠望峰山は自宅近くの田んぼからよく見える山。東の方に屏風のように連なっている山の一番右手が遠望峰山になる。桑谷山は地形図に山名がないので行ってみないと分からない。

 登山口近くのコンビニで集合。今回はウィークデイなのでSukくんとKayさんの3人のみの参加。Kayさんは一年の時にクラスメイトだったが、50数年ぶりだからほとんど面影はない。

 岡崎市営の桑谷キャンプ場の駐車場に車をとめて、少し戻って舗装された車道を歩き出す。中学時代の話などをしながら山に向かって歩いて行く。
 Kayさんがお昼用に鍋焼きうどんを持ってきていて、最初はひとりで背負っていたが、さすがに重そうなのをSukくんが気付いて銘々に分配する。さすがリーダー。

 

ため池の竜ヶ谷池

サネカズラの実

 

 意外に傾斜のきつい車道をかなり進むと、道はいつの間にか登山道になる。スギ、ヒノキの暗い植林地中を小さな沢沿いに登って行く。登山道は岩がちで雨が降ると滑りやすそうだ。
 Sukくんは脚が早くみるみる引き離される。さすが元陸上部。(もっとも自分も陸上部だったが。)Kayさんはゆっくり確実に登ってくる。中学時代はおとなしい子で、山登りをするなどとは想像出来なかったが、山慣れた感じの歩き方だ。

 

フユイチゴ

 

植林地の中を登る

 
 息が切れかけてきた頃、遠望峰山の稜線に到着。ここからはアップダウンはあるものの緩やかな尾根道になる。
 少し下って稜線を進み、登山道を右に外れたところが最明山の山頂。地形図には山名も標高点もないが、たくさんの登頂記念の木製の銘板が置いてある。「大草霊山」と書かれた山名板もあるので、麓の大草集落の信仰の対象になっているのかもしれない。

最明山山頂にて

 

 最明山の先で一旦山道を外れ、稜線の北側の山腹を巻いている林道を進む。北側で風が当たる上に陽が陰って寒くなってきた。
 林道は途中から麓の猿田彦神社から登ってくる舗装された車道に合流し、それを南に進むとホテル天の丸の門の前に出る。

ヒヨドリジョウゴの実

 

 門の左手に階段があり、それを登るとコンクリートで固められた狭い遊歩道が頂上に向かって続いている。道の脇の紅葉したモミジが今日初めて鮮やか な色合いを見せている。
 短いながら喘ぐほどの急な坂を登り切ると443mの遠望峰山の最高点。ベンチはあるが展望はない。遠望峰山の山名板があるだけ。
 山頂の一角にフェンスで囲まれ、草に覆われた舗装され通路があるが、Sukくんの話では子ども用の電気自動車のコースの跡だとのこと。遠望峰山や隣の三ヶ根山は昭和の時代の観光地だったのだ。

 

遠望峰山山頂から展望台へ

 

遠望峰山展望台

 標識に導かれてサザンカのトンネルを進むと遠望峰山展望台。といっても建物があるわけではなく、展望が開ける草原があるだけ。
 見渡すと冬空のどんよりした雲の下に三河湾が鈍く光っている。光の加減か、渥美半島の方角があかね色にうっすら染まっている。
 昼食には少し早いので、桑谷山方面に戻る。

 

大島の向こうは蔵王山

 

 同じ道を戻るのではなく北側の階段を下りていくと 、だだっ広い駐車場跡地に出た。アスファルトの目地から草が生えていて、うらぶれた観光地感が漂う。
 若い頃にドライブがてら夜景を見に来た記憶があるのだが、いったいどこから夜景を見たのだろう。ここからでは展望が利かない。

 

 駐車場への入り口はフェンスの扉で閉鎖されているが、左側の隙間を抜けて車道に出る。
 この道路はかつて三河湾スカイラインという有料道路だったが、何年か前から一般県道になった。そして今年の大雨で土砂崩れがあり、現在はホテルへの分岐の先で通行止めになっている。

羽角山

 

 車が走らないので安心して車道を歩き、少し先で左手の山道に入ると、国土地理院の地形図上で遠望峰山になっている標高点がある。こちらの標高は412m。どうしてこちらが遠望峰山になっているのかは分からない。  
 
まあ、遠望峰山というのはひとつのピークの名前ではなく、一連の山の連なりの総称なんだと思う。

 

地図上の遠望峰山山頂

 

 最明山を越え、登ってきた分岐を過ぎると目の前にレーダードームが現れる。桑谷山の山名板はドームを囲むフェンスの脇の木に掛かっていた。ここが桑谷山だったのだ。

 

  このドームは我が家の近くの田んぼからも見えるほど大きい。フェンスには国土交通省の管轄と表示されていて、調べてみると航空路を監視するレーダーらしい。ほう、そんなものがあったのか!

 また、山頂には435.5mの三角点があり、 標柱には一等と彫られていた。猿投山、屏風山に引き続きここも一等三角点?ホントかいな?

 

桑谷山山頂のレーダードーム

 

 桑谷山の先のわずかな上り下りを繰り返す稜線を進むと、コンクリート製の展望台がある広場に出る。地図上の412mの標高点の場所だ。ここでやっと昼食。
 展望台に上がってみたが靄っていて展望が利かず風も強いので、下の風の当たらないところでコンロに火を付け鍋焼きうどんを温める。普段は保温ポットのお湯でカップヌードルだが、コンロで熱々にした鍋焼きうどんはワンランク上である。おいしかった。

 この展望台にはむか〜しバードウォッチングをしていた頃にサシバの渡りを見に来たことがあるが、もっと周りに木が多かったような気がする。30年以上前の事なので記憶は曖昧だが・・。

 

桑谷展望台

 

 
 下山は直接桑谷キャンプ場に下る。Kayさんが先頭に立つが、ビックリするくらい下りは速い。石の多い滑りやすい道をどんどん下って行くので、付いていくのがやっとで 、あっという間に駐車場まで下りてしまった。

 歩いた距離は10kmを超すが、登った高度はそれほどでもないので、あまり疲れなかった。展望が利かず山自体の楽しみは少なかったが、久々のグループ登山は楽しかった。

野辺地蔵

 

 遠望峰山、桑谷山 ルートマップ


[山行日] 2023/12/7(木)
[天気] 晴れ時々曇り            
[アプローチ] 自宅(岡崎) (県道78号、県道324号 )→ 桑谷キャンプ場駐車場     [約13km]

・約10台(未舗装)。トイレなし。
 
[コースタイム]  
  行動時間 発着時刻 地点名 休憩時間  
1:10 9:05 桑谷キャンプ場駐車場 発    
10:00 稜線    
10:15 最明山(390m) 0:05  
0:45 10:20  
10:48 ホテル入り口    
10:55 遠望峰山山頂(443m)    
11:05 遠望峰山展望台 0:15  
1:10 11:20  
12:15 桑谷山(435.5m)    
12:30 展望ポイント(412m)桑谷展望台 0:50  
0:35 13:20  
13:55 桑谷キャンプ場駐車場   全行動時間
3:40     1:10 4:50