三ノ峰(さんのみね)                                  [白山周辺] 2128m

  

 初めて三ノ峰を見たのは2000年6月のこと。上小池のキャンプ場に泊まり、刈込池を巡った。池から見上げた残雪の三ノ峰は新緑の眩しい緑に包まれ、とてもかっこよく見えた。その後、メールのやり取りしていた福井在住の方が、「三ノ峰の花は素晴らしい」と言ってみえたので、いつかは登ろうと思っていた。
 三ノ峰は1968年(昭和43年)の福井国体の際に山岳競技の会場となり、三ノ峰手前に避難小屋が建てられているので、「三ノ峰に登るのならば小屋に泊まって別山まで」と欲がでてしまい、泊りとなるとなかなか仕事と天気の関係で決行できず、とうとう20年も経ってしまった。
 今年はコロナウイルスのため一番いい時期に山に登れなかったので、もやもやした気分を引きずっていて、移動制限が解除されたのを見計らい、日帰りでもいいやと腹を括って梅雨の止み間を狙って思い切って出かけた。

 暗い狭い林道を走り上小池駐車場で車中泊。他に車はない。トイレの横に街灯が点いていて動きやすい。しかし夜中にトイレに行ったとき、満天の星空だったので街灯 の灯りがちょっと邪魔だった。

 目覚めた時にはいつの間にか他に車が2台。食事をしている間に他に3台程やったきた。ウィークデイではあるが、花の時期とあってそこそこ登山者はいる。
 登山届をポストに入れて出発。少し山道を下って、刈込池への橋のところから林道歩きになる。途中土砂崩れで橋の上に倒木が引っかかっていて、通りにくいところがある。

 

 20分ほどで三ノ峰の登山口。ここから落葉樹林の急登になる。ミズナラ、トチノキ、ホオノキ、サワグルミなどの森で気持ちがいい。昭和37年の奥美濃地震まで山腰家の屋敷があった平坦地をかすめて、再び登りが続く。ササユリの咲き残りや傷みかけたショウキラン、まだ鮮やかなヤマツツジなどを眺めながらボチボチと登り、支尾根の六本檜にたどり着く。 

落葉樹林の急登

 

ササユリ コナスビ

 

ヤマツツジ ショウキラン

 


 ここでやっと展望が開け、隣りの願教寺山や打波谷の開けた先に荒島岳などが見える。眼下には願教寺山の崩壊でできたという幅ヶ平の台地が広がり、その中には刈込池があるはずだ。
 石川県側から風が吹き上げてきて、少々寒く感じる。
 六本檜は本当に六本あるのか数えてみたら、細い2本を加えれば確かに6本あったのだが、この先の稜線上には他にも何本か太いヒノキが生えていた。

六本檜

 

願教寺山

幅ヶ平

 

 六本檜からは尾根道でしばらくは樹林帯の中を行くが、しだいに笹原になり、展望が効くようになる。前方の三ノ峰方面は雲の中だが、振り返った後方には昔登った赤兎山、大長山が横たわり、赤兎の背後には経ヶ岳も覗いている。

 今日はガスっているからいいが、天気いいとジリジリと陽に焼かれて暑そうだ。道の両側は刈り払いがされていて歩きやすい。足元にアカモノがたくさん生えているが、花が終わっているものも多い。未熟な実にたくさんのしずくが付いていて、これもきれいだ。

赤兎山(左)と大長山(右)
赤兎山の後ろに遠く経ヶ岳

 前方に見えてきた岩壁を左から巻いて登るとそこが剣ヶ岩。展望プレートが設置してあり、白山から三ノ峰、銚子ヶ峰にかけての写真が貼ってあるが、今日は雲の中。

 剣ヶ岩を越えると周りに一段と花が増えてくる。さすが花の山である。ヨツバシオガマ、ゴゼンタチバナ、マイヅルソウ、コバイケイソウ、コケモモなど、おなじみの花が次々現れ、ハクサンタイゲキなどという初めて見る花も混じっている。
 ここの尾根はニッコウキスゲが多く咲くらしいが、今年はまだ咲き始めと言ったところだ。

ニッコウキスゲ

 

ミヤマカラマツ

 

ハクサンチドリ

 

ハクサンタイゲキ

 

 

ヤグルマソウ

グンナイフウロ

 

尾根道を振り返る

 1900m付近のベンチで一休み。アップルパイをかじり、引き続き花の尾根を進む。
 しばらくは緩やかな登りだが、三ノ峰の避難小屋への最後の登りはジグザグの急登。しかし相変わらず花が多く撮影に忙しい。急勾配 を這うように登り、荒い呼吸を抑えながらシャッターを押す。花の写真を撮るのに夢中で、気が付いたらゴロゴロした岩場の巻き道になっていて、ナナカマドの下をトラバースし避難小屋の前に着いた。

1900m付近のベンチ

 

ユキザサ

 

キバナノコマノツメ

 

ユキワリソウ

 

ツマトリソウ

 

ウラジロヨウラク

 

三ノ峰避難小屋

 

 小屋の中を覗いてみるとかなり広く、泊りは快適そうだがトイレは古い。小屋の岐阜県側に大きな雪渓があり、これが水場のようだ。ガスっていて下の方は見えないが、急な雪渓を降りて流水のところまでたどり着くのはかなり危なそうだ。
 小屋の周りにもミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、コイワカガミなどいろいろ咲いている。

 三ノ峰へは目の前の笹原を登るのだが、オオバコの侵入防止のためにブラシが掛かっていて、靴底の泥を落として登るよう勧められる。

避難小屋前から三ノ峰へ

 

オオバキスミレ

 

ムカゴトラノオ

 

ハイマツの雄花のつぼみ

 

三ノ峰山頂

 

 笹原を登りきり、ナナカマドやハイマツのなだらかな道を進むと10分ほどで三ノ峰の山頂に到着。西側は背の低いコメツガがあるが東側は笹原で開けている 。しかし、明るいガスに包まれて何も見えない。時折、頭上に青空が覗くが、別山方面は雲の中。
 何人かは別山に向かって通り過ぎていくが、展望も効かないし、花で満足してしまい、今日はここまででいい。ゆっくりランチにして1時間以上粘ったが、残雪の多い七倉山あたりがちらりと見えただけで別山の雄姿は拝めなかった。 

三ノ峰山頂から別山方面

 

 
下山は同じ道を下る。
 登りよりも下りはあまり花を見つけられないが、登りの時にはまだつぼみだったニガナの仲間が、陽が射してきて、どれもきれいに咲いていた。ニガナロードと言ってもいいくらい沢山ある。

タカネニガナまたはクモマニガナ

 

イボタノキの花とヒョウモンチョウ

 

 六本檜のあたりで、にわか雨にあったが、下るにつれてだんだん晴れてきた。光を透かすホオノキやトチノキの葉っぱが頭上に輝いている。

 上小池の駐車場からは皮肉にも雲が取れた三ノ峰を仰ぎ見ることができた。「まあ、しょうがないね。鳩ヶ湯温泉に入って帰ろう。」

 三ノ峰の花の写真

上小池駐車場からの三ノ峰

 

三ノ峰ルートマップ


[山行日] 2020/6/29(月)
[天気] 晴れのちガス      2020年6月の天気図(気象庁)
[アプローチ]

28日 中部縦貫自動車道油坂峠IC (R158号)→  勝原 (県道173号)→  上小池駐車場     [約57km] 
   
・40台程駐車可であるが、満車になると出られなくなりそう。
・トイレ、登山ポストあり。
・無人のジュース販売機(流水を満たしたタライ)がある。

[コースタイム]  
  行動時間 発着時刻 地点名 休憩時間  
1:45 5:20 上小池駐車場(930m) 発   15℃
5:40 三ノ峰登山口    
6:00 山腰屋敷跡    
7:05 六本檜(1425m) 0:10  
0:55 7:15  
8:10 剣ヶ岩(1671m) 0:05  
0:45 8:15  
9:00 ベンチ(1900m付近) 0:10  
0:45 9:10  
9:55 三ノ峰避難小屋 0:10  
0:10 10:05  
10:15 三ノ峰山頂(2128m) 1:05 20℃
0:40 11:20  
11:30 三ノ峰避難小屋    
12:00 ベンチ(1900m付近) 0:05  
0:55 12:05  
12:25 剣ヶ岩    
13:00 六本檜 0:10  
1:25 13:10  
14:10 三ノ峰登山口    
14:35 上小池駐車場 着   全行動時間
7:20     1:55 9:15
登り 4:20      
下り 3:00      

 

[地図] 願教寺山、二ノ峰、白山(1/25000)

 

[温泉]

鳩ヶ湯温泉  <大野市上打波6-2>
・山中の一軒宿の温泉。
・入浴料600円(60歳以上500円)+入湯税150円
・JAF、モンベルの割引あり(10%引き)。
・露天風呂はないが、浴室から三ノ峰が見える。
・一時休業していたが、2016年再開。