猿投山( さなげやま)                    [三河] 629m

 

 昨年8月に越後駒ヶ岳と平ヶ岳に登ってから、ずっと山に行っていない。久々に時間がとれて山歩き再開と思ったが、いきなりしんどい山というのは不安なので、手近な猿投山へ行くことにした。今年は桜が咲き始めてから寒い日が続いたので、山麓の桃の花もまだ見られるかもしれないし・・・。

 猿投神社近くの登山者用駐車場に止めようと思ったら、すでに満車。仕方なく車道を山に向かって進むと、あちこちに路肩駐車してある。4、500m程行った水神さんの碑の前にスペースを見つけ、駐車して歩き始める。
 すぐに陶土を砕くトロミル水車が現れて、ここの駐車スペースは空いていた。ここまでくれば駐車も楽だったのに。

 車道をグループや中年夫婦などが何組も歩いているが、ランニング姿で走っている人もいる。舗装された車道をトレーニングで走っているのかと思ったが、後で山中でも 、走っている人に何人も出会った。
 東三河の本宮山は健康づくりでのための登山が盛んで、地元では日に何回も登るような人もいるようだが、この山は走って登る山らしい。登山道は東海自然歩道にも指定されていて、よく整備がされているから、体力さえあれば確かに走って登るにはいい山かもしれない。

車を止めた水神さんの碑
 
復元されたトロミル水車
 

 じきに登山口に到着し、ここから山道に入る。登山口すぐのところに、御門杉という太い杉が立っている。

 山道は丸太階段できっちり整備されているが、一段一段が高くて歩きにくい。皆、丸太階段の横を歩くようで、そちらに道ができている。

 あまり花はないが、日当たりのあるところにはコバノミツバツツジが咲きかけている。たまに木の間から隣の尾根が見えるが、ヤマザクラが点々と彩りを加えている。

 舗装されてはいるが通行止めになっている林道を横切り、なおも登ると東屋風の休憩所がある。人でいっぱいのため、そのまま通り過ぎる。
 自然観察路を左に分け、少し先で再び車道にでる。こちらは車が通っている。猿投山唯一の展望台という標識に惹かれて、車道を東へ進むと満開のヤマザクラが頭上を覆っていた。

御門杉(写真中央)から山道になる
 
 車道を300mほど進んだところで左手に階段が現れる。これを登るらしい。階段は200段以上あって、なかなかしんどい。そんなしんどい思いをして登った擬木づくりの展望台からは 、春霞で何も見えない。せいぜい山麓までしか視界が届かず、豊田の市街地すら逆光にかすんでいる。

 また、階段を降りるのは悔しいので、展望台の奥の踏み跡をたどることにする。地図では尾根伝いに行けば、東の宮への登山道の途中に出るはずである。

ヤマザクラ
 

 と、軽い気持ちで踏み込んだがこれが急な尾根で、久々の山歩きの身には堪える。落ち葉に滑り、枝を払いつつ進み、腿の後ろが突っ張りそうになる頃、何とか登山道に復帰した。
 やはり、整備された登山道は楽に歩ける。急に足が軽くなったような感じさえする。

 下りに使うつもりの自然観察路を左に分けると、すぐ先が東の宮。境内にはケヤキと思われる巨木が三本立っている。小さいが立派な社が建っているので、ちゃんとお賽銭をあげて、久々の山歩きの無事を祈願する。

 社の左手の鉄製の桟道を渡って、先に進む。緩やかな起伏を幾つか越えると、北側が切り開らかれている山頂に到着。すでに10数人が休んでいてベンチはいっぱいなので、展望のきく 北側斜面に座って昼飯にする。
 
先ほどの展望台同様、やはりかすんでいて美濃の方の山は見えないが、瀬戸の市街地は望むことができる。手前の尾根の山腹にはヤマザクラの白っぽい点が幾つも見える。

東の宮の前の三本の大ケヤキ
 
 チキンラーメンを食べながら、地形図を見ていたら、意外なことに気が付いた。三角点のあるここの標高は628.9mだが、先ほどの東の宮の裏のピークの標高点は632mになっていて、そちらの方が3mほど高い。

 わが家のある南の方角からみると、猿投山は長い裾野を引く三角形に見えるのだが、横から見ると東の宮のあるピークと三角点のピークを両端にして山頂が長く伸びている。猿投神社に近いピークに奥宮である東の宮が設けられて いるので、本来はそちらが山頂なんだろうが、三角点は他の三角点との見通しの関係から、北のピークに設置されたのだろう。なにせ、この三角点は一等である。

山頂の一等三角点
 
 下りは東の宮まで戻り、その先で自然観察路に入る。道沿いにツガや杉の大木があり、原生林らしさがある。登りに使った東海自然歩道の本線よりも、常緑樹が多く森が暗い感じがする。

 大岩が二つ並んだ御船石を過ぎると、道をふさぐように石垣がそびえている。何かと思って前に回ると、塀に囲まれた敷地の前に鳥居が立っていてる。急な石段を降りた西の宮の境内に標識が立っていて「大碓命墓(おおうすのみことのはか)」とあり、宮内庁の文字が見える。

御船石(おふないし)
 
 下山後に猿投神社の解説板で知ったのだが、大碓命というのは日本武尊の双子の兄にあたる人で、この地で亡くなり、猿投神社はその大碓命を祀った神社だった。そんな 古代の史実かどうかはっきりしない言い伝えの陵まで管理するとは、宮内庁も大変なことだと、感心してしまう。
 ちなみに日本武尊の別名は小碓命という

 また、先ほどの御船岩は「大碓命が乗ってきた船が石になった。」という言い伝えもあるらしい。

大碓命墓
 

 東の宮よりももっと立派な西の宮の境内を抜けて、歩きにくい自然石の石段を下ると、登りに横切った車道に出る。車道を横切り、少し登り返すと東海自然歩道の本線に合流する。
 ちょっと下ると休憩所。登りの時は人がいっぱいで通り過ぎたが、空いていたので大休止。コーヒーを淹れて疲れをいやし、後は一気に下る。

 下山後に猿投神社に参拝。無事に下れてありがとね、とお賽銭をはずむ。

猿投神社拝殿
 

 山麓の桃畑。一週間前がお祭りだったようだが、まだよく咲いている。カメラマンも多い。

桃畑 ピンク色がやさしい
花のアップ 猿投山を望む
菜の花と競演 梨の花も咲いている

 

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[山行日] 2010/4/10(土) 
[天気] 晴れ
[アプローチ] 東海環状自動車道 豊田藤岡IC → 猿投神社   [約2km]
 
[コースタイム] 9:20 トロミル付近に駐車 (0:10) 登山口(御門杉) (0:40) 通行止めの車道 (0:15) 猿投展望台 (0:30) 東の宮 (0:20) 11:15 猿投山山頂 11:40 (0:15) 東の宮 (0:20) 西の宮 (0:20) 休憩所 (0:15) 登山口(御門杉) (0:10) トロミル 13:35    (計3:15)
[地図] 猿投山(1/25000)