三峰山(みうねやま)                                         [台高] 1235m

 

 みつえ青少年旅行村の入口アーチ前の駐車場には、既に10台近い車が止まっていた。平日なのに、さすが霧氷で名高い山だけ はある。駐車場は除雪されているが、所々、雪が薄く凍り付いている。身支度を始めている中高年のグループの横に車を入れ、自分も準備を始める。今日は 新しい冬用登山靴の履き慣らしも目的のひとつ。

 

 旅行村のアーチをくぐり、登山口の標識を横目に、橋を渡って林道に入る。林道はほぼ圧雪状態。先に出発した中高年グループは橋のたもとで、もうアイゼンを付けているが、 傾斜の緩い林道なのでダブルストックを頼りにそのまま進む。

 ちょっと靴ひもを締めすぎたようで足の甲がきついが、だんだん緩んでくるかもしれないと思い歩き続ける。
 登り尾コースから登ろうと思って歩き始めたが、急な不動滝コースから登り、緩やかな登り尾コースで下った方がいいだろうと思い直し、登山口を通り過ぎ、調子の出てきた林道歩きを続ける。

林道入口の標識

 

 林道が橋を渡る手前に不動滝コースの入口があり、橋の向うにはトイレもある。ただ、冬で水が流せないため、トイレは汚かった。
 ここでチェーンスパイクを付ける。これも今回初めて使うもので、どんな感じになるかちょっと楽しみ。取り付けのゴムが少々きついが、割と簡単に着けられた。

  杉林の中の登山道に入ると、すぐに鳥居が現れ、その奥にコンクリート製の建物が道を塞ぐように建っている。神社かなあ、と思いながら横を抜けると目の前に滝があった。予想以上に立派な滝で、周りの雪やつららがいかにも冬の滝です、といった感じを 演出している。
 建物は休憩所かと思ったが、下山後にガイドブックを見たら「参籠所」と書いてあった。滝で禊をする人のための建物のようだ。そういえば、滝の手前にしめ縄が張ってあった。

不動滝

 

 滝の前で沢を渡り、山腹に取り付く。登山道も圧雪状態で、チェーンスパイクが心強い。
 いったん緩くなった道は、浅い谷間を少し登って、また山腹に取り付く。あたりは一面杉林で、週初めに降ったものか、雪がびっしりと幹や枝に付いている。

 滝のところで出会った3人連れは先に行ってしまったようで、風の音もなく辺りは静まり返っている。漫画のように「シーン」という文字が、そのあたりに張り付いているような感じだ。

雪の杉林

 

 急なコースから登り、緩やかなコースを降りるというつもりだったが、登山道は山腹をジグザグに登っており、道自体の傾斜はきつくなく歩きやすい。最初のうちは快調なチェーンスパイクも雪が団子に着くようになって、しばしば立ち止まってストックで叩き落すことになった。

 

 杉林が続く単調な登りに飽きてきた頃、登り尾コースとの合流点にある山小屋に到着。
 小屋の中を覗くと10人ほどが休んでいた。土間の周りを板張りの床が囲んでいる構造で、風を除けて昼飯を食べるには良さそうだ。しかし、取りあえず山頂に行かなければ。

 小屋からは尾根歩きになり、周りの雪は一段と深くなった感じだ。ただ、相変わらず杉林で、風当たりは強くない。

山小屋

 

 杉林がリョウブやツツジなどの落葉樹に変わって周りが明るくなると、すぐに三畝峠の分岐に出た。

 このあたりから樹氷が見られるはずなのだが、辺りの木の枝は黒々としていて、そんな気配はない
 今日は快晴の予報に反して朝から雲が多く、下から見上げた時には山頂付近は雲の中だったので、おそらく霧氷が付いているだろうと思っていたのだが、当てが外れてしまった。
 「う〜ん、はるばる来たが今日は外れだったか。」
頭上の雲のように、気分は暗くなる。

稜線上の杉林

 

 しかし、八丁平への道を右に分け、山頂まであと300mという標識が現れたころ、周りの景色は急に白くなった。
「お〜、付いてるじゃないか!」思わず声が出る。

 樹氷自体はささやかで、1センチも伸びていないのだが枝が細かいので 、もやがかかったように辺りが白く見える。 
 5分前から一転して、気分は一気に明るくなる。

霧氷のトンネル

 

枝先の霧氷

 

雪に埋もれたアセビ

 

 林の切れ間に御岳展望台の標識が立っているが、さすがに御岳は見えない。

 御杖村の谷の向うに倶留尊山の稜線が恐竜の背中のようにボコボコと連なっている。もやっている上に標高が低くて分かりづらいが、2か月前に登った古光山もその左手に見える。倶留尊の右手にはこれも以前登った大洞山が背中を丸めてうずくまっている。

留尊山
 

 山頂は少し樹林が開けて広場のようになっており、北側だけ先ほどと同じように曽爾の山々が望める。周りは樹氷に囲まれ、雲の切れ間から陽が射すと、さっと光り輝く。青空はないが心躍る景色だ。
 登り尾コースから来たのか、登山者が次々と登ってくるので、樹氷の写真を撮って八丁平に下る。

 

山頂一帯の樹氷

山頂にて

 

 雪がびっしり付いてモンスター状態になった木々の間を下ると、すぐに八丁平だった。南側が開けていて山々が連なっているが、逆光の中でどれも同じように平板で、同定ができない。右手には高見山の尖峰があるのだが、ここからは山陰で見えない。
 薄日が射して、背後の灌木で風が遮られるので、小屋まで戻らずここで昼飯にする。さすがにじっとしていると寒いので、ウインドブレーカーを羽織る。冷えた腹をヌードルで温める。
 山頂から下ってくる何人かがここでランチにし、南の三重県側から登ってくる人はそのまま山頂に上がっていく。
 
 

八丁平

 

今日はカレーヌードル

八丁平から三峰山を振り返る

 

八丁平からは直接、三畝峠に戻るつもりだったが、さっきより青空が広がってきたので、「青空をバックに樹氷が撮れるかも。」と思い、山頂経由で下ることにした。

 しかし山頂に戻ってみると、先ほどより景色が暗い。ささやかに付いていただけの樹氷はわずかな気温の上昇と風のために、あっけなく落ちてしまったようだった。
 積もった雪が溶けて枝先に凍り付いたものは、まだしがみついているが、脆い樹氷の方は儚く消えてしまったのだ。なかなか樹氷は難しい。

氷の花

 

雪だらけの三畝峠からの下り

休憩所

 

 下山は山小屋から左に折れて、登り尾コースを下る。快調に下るが、やはりスパイクに着いた雪の団子落としは頻繁に必要だ。
 こちらの方は尾根道なので自然林だと思っていたのだが、不動滝コースと同様に一面、杉の植林地だった。隣りの三重県側の美杉町と同じく、ここも林業が盛んな地域なのだろう。

 登山道が林道と横切るところにトイレが併設された休憩所があり、一休み。なおも下ると木橋を渡って、登りに歩いた林道に出る。駐車場近くの橋まで、チェーンスパイクは付けたままで来られた。

 霧氷は小満足といった感じだが、靴の慣らしもチェーンスパイクの試しもできたので、まあ良しとしよう。


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[山行日]   2016/1/27(水)
[天気] 曇りのち時々晴れ    2016年1月の天気図(気象庁)
[アプローチ] 久居I.C. →(R165、県道15号)→ 津市美杉町 (R369)→ 奈良県御杖村 → みつえ青少年旅行村 駐車場     [約45km]
・20数台駐車可能。
・青少年旅行村にはトイレがあるようだ。
 
[コースタイム]
  行動時間 発着時刻 地点名 休憩時間  
0:25 9:25 みつえ青少年旅行村第4駐車場    2℃
9:50 不動滝登山口 0:10  
1:05 10:00  
10:05 不動滝    
11:05 山小屋 0:05  
0:35 11:10  
11:45 三峰山山頂(1235.4m) 0:10  
0:05 11:55  
12:00 八丁平 0:35  
0:55 12:35  
12:40 三峰山山頂    
13:00 山小屋    
13:30 林道脇休憩所 0:10  
0:20 13:40  
13:50 登り尾登山口 木橋    
14:00 みつえ青少年旅行村第4駐車場   全行動時間
3:25     1:10 4:35
登り 2:05        
下り 1:20        
 
[地図] 管野(1/25000)
[装備] ダブルストック、チェーンスパイク

 

 [温泉] みつえ温泉 「姫石の湯」 
・御杖村大字神末6330番地(道の駅「伊勢本街道御杖」)
・入浴料700円、火曜定休。(登山口で割引券をもらい、600円で入浴)
・シャンプー、ドライヤーあり。
・露天風呂あり。
[風景印] 御杖局
 (奈良県宇陀郡御杖村管野2462)

・図案
  三峰山の霧氷、旧伊勢街道の道標