大山(だいせん)                                  [中国] 1709m

  

 大山に登るのは2回目。前回登ったのは1992年の10月なので、30年ぶりである。この時は紅葉は美しかったが、六合目以上はガスの中で全く展望が利かなかった。

 実は大山に登るのは2回目だが、登ろうとするのは4回目。最初は高校の修学旅行の行程に大山登山が組み込まれていたのだが、天候不良で中止になり、松江観光になってしまった。
 2度目は1984年の7月に山口の出張の帰りに登ろうとしたが、梅雨末期の雨にたたられて、またもや断念。

 今回は高校時代の同級生と修学旅行のリベンジとして行くことになった。同行するのは先月、夏焼城ヶ山で足慣らしをした二人。ほぼ初心者と本格的な山登りは学生時代以来という二人なので、まあ、引率係のようなものである。

 大山町の天気予報が気になり、10日前からチェックしていたのだが、最初の頃の予報は雨。どうしたものかと悩んでいたが、だんだん予報が変わり、数日前から晴れの予報になった。

 

 登山当日は快晴。ホテルの裏から大山寺の参道に出て、大山寺橋まで来ると雲一つない青空がひろがり、大山の稜線がくっきり浮かび上がっている。
 今日は良さそうだ。最高の日和で期待が高まる。

大山寺橋からの大山

 

 夏道登山口からはまずは直線的な階段を登る。周りはブナやミズナラの森で新緑が眩しい。日射しは強いが木立の下は爽やかで、Tシャツ一枚でちょうどいい。遠くでアカショウビンが鳴いている。絵に描いたような初夏の山登り。

ブナ林を登る

 

ミヤマヨメナ

 

ヤマアジサイ

 

 登山道はよく整備されていて、とことん丸太の階段が続く。急傾斜のところは下から見上げると丸太の壁のようだ。
 標識もたくさんあって、合目ごと、標高100mごとに立っている。
 さすがに人気の百名山だけあって登山者も多く、ウィークデイにもかかわらず、主に高齢者がたくさん登っている。休憩していると、どんどん追い抜かれていく。
 キビタキやホトトギスの声も聞こえる。

タニウツギ

 

 五合目には山ノ神の祠が祀ってあり、樹間から日本海が見える。米子の市街地の向こうに弓ヶ浜の優雅な曲線が延びているが、その先の島根半島は もやってしまっている。

 

アズキナシ ナナカマド

 五合目の先で左に行者谷への下山路を分けると、じきに六合目のまだ新しそうな避難小屋に到着。一気に視界が開ける。
 広い山麓がどこまでも広がり、大山寺の旅館街がその中にポツンと埋もれている。大山北壁の険しい岩肌が迫ってきて、元谷を隔てて三鈷峰(さんこほう)がかっこいい。

六合目避難小屋

 

 三鈷法は、北と南から崩壊が進み、東西に山頂が延びる大山の一番東のピーク。三角に尖って稜線からせり上がる姿は、まるで穂高連峰の前穂のようでかっこいい。
 三鈷峰の鞍部はユートピアと言われていて、高山植物が美しいところらしい。今回のこの
山行計画がなかったら、いずれ三鈷峰だけ登りに来るつもりだった。

 

三鈷峰(七合目付近から)

 

大山北壁(七合目付近から) ダイセンクワガタ

 

 六合目を過ぎると灌木帯になり、日射しがきつく腕が暑い。しかし、風があり爽やかだ。
 八合目あたりから同行の二人に疲れが見え始める。休む回数が増え、休むたびに座り込んでいる。さあ、もう一息だからがんばろう。

 

左奥が剣ヶ峰、右手前が弥山

コイワカガミ

 

 八合目の上で傾斜が緩くなり、斜面一面にキャラボク林が広がる。まるで、ハイマツのような感じ。木道が整備されていて歩きやすく、その上を風に吹かれてポクポクと登っていく。背後には広大な山麓と日本海が霞む。前回ガスで見られなかった風景が広がっている。

 

木道を登る

ダイセンキャラボク

 

 木道で歩きやすくなり、二人も足取りにやや元気が出てきて何とか山頂に到着。いや〜、ご苦労さんでした。修学旅行のリベンジなりました。

 崩壊が激しく、最高峰の剣ヶ峰には行けなくて、弥山が終点。「1709m大山頂上」の碑が石積みの上に座っている。剣ヶ峰は地形図では1729mなので、その差20mである。

 

山頂避難小屋

 

大山頂上碑

山頂デッキから俯瞰

 

 山頂には広いデッキが造られていて、植物保護のためか他は立ち入り禁止になっている。山頂のすぐ近くで、石を据えて登山道の整備が行われている。
 デッキに腰をおろしてホテルのおにぎり弁当を食べる。普段の単独の山行ではあまり山頂でゆっくりすることはないが、今日は同行者がいるので気分的に楽。本当にのんびりできる。
 地平線近くに雲が浮かび始めたが、上空は真っ青な空。過去3回天候に恵まれなかったが、4回目にして最高の登山日和になった。もやっていて遠望が利かず、以前登った三瓶山が見えないのが残念。

 売店もやっている避難小屋でトイレを済ませ、下山し始めたら体操服姿の団体がワイワイと賑やかに登ってきた。聞くと、津山(岡山県)の中学生だと言う。遠足登山らしい。80人もいるとのこと。かつて、自分たちも登っていればこんな感じだったのだろうかと思うと、感慨深い。
 山頂デッキは中学生で埋め尽くされた。

 

 下山はキャラボク林を囲む周回路を下る。山麓にダイブするようで気持ちがいい。
 木道の下を見ると、地面からは1〜2mくらいの高さがある。木道がないと、キャラボク林の溝の中を歩くことになり、こんな開けた視界は得られないだろう。

 壊れかけた石室を過ぎて登山道に復帰するところが登りで、脚が攣りそうになる

 

キャラボク周回路

 

 七合目あたりまで下ってくると、山頂に雲がかかり始めた。雨が降るような雲ではないが、山の天気は変わりやすい。いいタイミングで登ることができた。

 

 

 途中で4,5人の女子中学生が引率の先生と座り込んでいるのに出会った。まあ、80人も登れば脱落者はでるわなぁ。
 こちらも二人の脚が限界になり、休み休み下っていくと、引率された女の子たちと同じくらいのペースで、抜きつ抜かれつの下山となった。

 

ブナ林を下る

 

 下りは行者谷コースをとる予定だったが、二人の脚が不安なので、登山道の様子が分かっている同じ道を下る。しかし、階段の下りは脚に負担が大きい。ゆっくり時間を掛けて下る。
 最後に大山寺の建物の中で最も古い重文の阿弥陀堂に立ち寄り、無事下山。ゆっくり下っても、コースタイムの2割増しくらいで収まった。

阿弥陀堂

 

 大山寺橋から大山を見上げ、よくあそこまでのぼったなあ、と言うのは同行者の言葉。確かに標高差は1000m近い。エネルギーの有り余っていた高校生とはいえ、修学旅行の行程に登山を組み込むなんて、いったい誰が考えたのだろう。今だったら、怪我や遭難のリスクを恐れてそんな計画はされないだろうけれど、昔はおおらかだったんだろうねえ。

 大山 Route Map


[山行日] 2022/6/2(木)    2022年6月の天気図(気象庁)
[天気] 快晴
[アプローチ] 1日 米子道 蒜山IC (県道114号)→  鍵掛峠 (県道45、158号)→ 大山寺(ホテル大山しろがね)  [約33km]
 
[コースタイム]
  行動時間 発着時刻 地点名 休憩時間  
0:50 7:55 ホテル大山しろがね 出発    
8:00 夏道登山口(550m)    
8:35 二合目    
8:45 1060m地点 0:05  
0:30 8:50  
9:20 五合目、行者谷別れ(1250m) 0:05  
0:20 9:25  
9:45 六合目避難小屋(1350m) 0:20  
0:45 10:05  
10:50 八合目 0:10  
0:20 11:00  
11:20 弥山山頂(1705m) 0:55  
0:20 12:15  
12:35 キャラボク周回路分岐(合流) 0:05  
0:25 12:40  
13:05 七合目 0:10  
0:20 13:15  
13:25 六合目避難小屋    
13:35 五合目 0:10  
0:15 13:45  
14:00 四合目 0:05  
0:20 14:05  
14:25 1030m地点 0:05  
0:50 14:30  
15:10 夏道登山口(550m)    
15:20 ホテル大山しろがね 着   全行動時間
5:15     2:10 7:25
登り 2:45      
下り 2:30      

 

 

[風景印] [ヤマスタスタンプ]
大山寺局
(鳥取県西伯郡大山町大山116-21)

・図案
国立公園大山の秋と冬の風景