昨年１０月に車をぶつけられてしまい、廃車にせざるを得なくなったのだが、半導体不足で新車がなかなか来ず、３ヶ月半待ってやっと代車から乗り換えることができた。今年は雪が多いので雪歩きに行きたいと思っていたが、新車が届いたタイミングでオミクロン株 による感染急拡大により、まん延防止措置が発令され、県境越えが憚られる状態になってしまった。
　どうしたもんかと考えた末、愛知県の最高峰である茶臼山に行くことにした。今年は雪が多いとは言うものの、雪山という程の山ではないが、まあ大腸がん手術から完全復活できていない身にはちょうどいいだろう。

　市街地を抜けるのに予想外に時間がかかってしまい、茶臼山の第二駐車場に着いたのは11時過ぎ。それから支度に手間取り、車のキーを見失ったりして出発できたのはお昼少し前になってしまった。まあ、コースタイムはたいしたことないので、のんびり行こう。

　とりあえず除雪された道路や駐車場以外は雪で覆われているが、かなり溶けてしまっている上、日射しもあってほとんど春山の気分だ。
　ひと登りすると「自由の丘」で早速東側に南アルプスの展望が広がる。

青空にブナ

　朝方は曇っていたが、今はすっかり晴れて、南アルプス南部の山々がパノラマに広がっている。ここまで来るとさすがに山が大きく見える。
　正面に悪沢岳、赤石岳、聖岳の三座が大きく、特にピラミダルな聖が天を突きカッコいい。一番左は間ノ岳で農鳥岳、塩見岳と続き、右の 方は光岳、黒帽子岳などを経て太平洋に向かい逆光の中に霞んでいる。これを見ただけでも来た甲斐がある。

　登山道はここから林の中に入る。ブナやミズナラが目立つようになり、しばらく山腹を巻いた後、急勾配を登っていく。雪が溶けかけていて歩きにくい。一応チェーンスパイクを持ってきたが、面倒なのでそのまま登る。シジュウカラがすぐそばの枝をジュクジュクと鳴きながら渡っていく。
　南斜面なので風がなく、だんたん暑くなり、傾斜が緩くなってくると、展望台のある山頂に到着。

山頂展望台から悪沢、赤石、聖

白い上河内岳（左）、黒い光岳（右）

　展望台に上がると北側は樹木で遮られているが、南アルプスのある東側と三河の山並みが続く南側が開けている。木立が邪魔をしていて南アルプスの眺めは先ほどの自由の丘の方がいいが、南側の眺めは山頂の方がいい。
　特徴がない三河の山だが、明神山や宇連山などは、逆光に墨絵のように広がる山々の中で特徴的なシルエットを浮かべている。

　 展望台に座り込んでしまうと手摺りが邪魔をして景色が見えないので、少し不安定だが手摺りに腰掛けて、カップ麺を食べる。眼下には昔、牧場の雪原でXCスキーをするために泊まった（当時はまだ茶臼山スキー場は無かった）国民休暇村が見えている。

　コーヒーも飲んでゆっくりしてから下山にかかる。北側の眺めを期待して登った道を戻らずに北側に下ったが、樹林の中で展望は効かなかった。北側だけあって登山道の雪は多く、快適に車道まで降りた。
　車道からはやっと展望が開け、北側の恵那山や大川入山が予想外に近くに見える。霞んでいて御岳や中央アルプスが見えないのは残念。

　 ここからは茶臼山の北側を廻る車道を歩いて駐車場に戻る。ここの区域は冬期通行止めで除雪がされてなくて、車道の雪面にはスキーとスノーシューと思われる跡がついている。
　スキーの跡の上を歩き始めるが、時々踏み抜いて膝あたりまで沈む。ストックを使って体重をかけないようにしても、数歩歩いては埋まるという繰り返しでなかなか進まない。しかも緩やかな上り坂で、今までの山道よりも疲れる。
　いやになって試しにスノーシューの跡を歩いてみたら、こちらの方が沈まない。途中から車道を外れてショートカットして、登りと同じ時間かかって、駐車場に戻った。

自宅（岡崎） →(R２４８号、県道３９号 )→ 足助 →(R１５３号)→ 稲武 →（R257、茶臼山高原道路）→ 茶臼山第二P　　　  [約85km]

・無料駐車場。５０台くらい駐車可。冬期はトイレなし。
・茶臼山高原道路（県道507号）は無料。