荒島岳(あらしまだけ                             [白山周辺] 1523m

 

荒島岳 (「あっ宝んど」近くから)

 

 中部縦貫道と国道158号が土砂崩れで通行止めになっている時に、わざわざ荒島岳に行かなくてもいいとは思うのだが、残雪の白山を北陸側から見たくて出かけてしまった。 ルートは仕方なく北陸道経由。
 前日、平泉寺白山神社を参拝し、越前大野で夕食を食べようとしたときには荒島の山頂は雲の中だった。しかし夕食後、日没間際にはきれいに山頂が見えていた。これは何とかなりそうだ。と思って勝原登山口の駐車場で車中泊。
 翌朝はやや風が強く、風も強い。結局山頂はガスで白山どころか辺りは真っ白で何も見えなかった。

 天気図を睨みながら登山日を5日にするか6日にするか迷いに迷い、結局、「高気圧が通り過ぎた後よりも前の方が天気がいいだろう」と5日に決めたのだが、裏目に出てしまった。まだ高気圧が充分張り出していなかったようだ。
 1時間山頂で粘ったが天候に変化 はなく、下山にかかる。しかし白山ベンチまで下りてきたら、靄ってはいるものの何とか別山は見えた。おお、見えるじゃないか。今年は雪が多かったから残雪も多い感じだ。
 しかし、そこで20分ほど待ったが左隣に見える白山の方は、弥陀ヶ原あたりから上の山頂部が雲に隠れたままだった。

 鬱々としながら下山すると下界はいい天気。大野盆地まで降りてくると荒島岳は山頂部まできれいに見えていた。悔しいなあ。しかし、白山はここからは見えない。
 大野市の健康保養施設「あっ宝んど」で温泉に浸かり、レストランで蕎麦を食べているときにふと、
「大野城の天守閣に登れば白山も見えるのではないか。」と思い立ち、スマホで大野城の情報を探すと、白山連峰が見えるとある。白山ではなく白山連峰というところが気になるが、まだ閉館時間まで1時間あるので大急ぎで大野城に向かった。

 越前大野城は雲海に浮かぶ城として有名で、亀山という標高250mほどの小山に上に あって車では上れない。麓の市営駐車場に車を止め、遊歩道を早足で上る。
 閉館30分前に到着し、さてさてと天守閣に登ってみると。確かに白山は見えるのだがほんのわずか。白山前衛の経ヶ岳と法恩寺山のたるんだ稜線の上に御前峰の山頂部分だけが覗いている。う〜んやっぱりダメだったか。でもまあ、白山は白山。今回はこれで満足するしかない。
 天守閣からは大野の街並みの上に荒島岳がきれいに見え、南方にはまだ登ったことがない銀杏峯が横たわっていた。
 

 

中荒島岳手前からの荒島岳

 

荒島岳山頂の祠

白山ベンチから白山(左)と別山(右)

 

小荒島岳

 

下山途中からの経ヶ岳
大野城からの荒島岳

 

 残雪の白山を眺めるのはままならなかったが、登山道のブナ林は素晴らしかった。荒島岳は36年前の1989年の11月にも登っているのだが、そのときはそんなにブナ林が良かったという記憶は無い。もっともその時はカメラを家に忘れ、一枚も写真がないので確かめようがない。そして山頂から白山が見えたという記憶も無い。
 それで今回こそはと思ったのだが、まあ気持ちのいいブナ林を堪能できたので良しとすべきか。横の広がりは分からないが、登山道沿いはスキー場跡地から上、シャクナゲ平まではずっとブナ林で、歩いても歩いてもブナという感じだった。だんだん高度が上がるにつれてブナの幹が細くなってくるが太いものも多くて、見応えも十分だ。
 古くからの登山道で時々見かける、幹に傷をつけて名前などを残す落書きもあった。

 道は日本海側の山らしくドロドロで歩きにくいが、越後駒ほどではない。(あそこはひどかった。)ウグイス、アオバト、などが鳴き交わし、特にホトトギズの声がよく響く。
 今までずっと、郭公はカッコウ、十一はジュウイチと鳴き声から名付けられているのに、トウキョウトッキョキョカキョク(東京特許許可局)と鳴くのに何でホトトギスなんだろう、と疑問に思っていたが、鳴き声を聞き続けている間にハッと気がついた。
 ホトトギスは何度も鳴いている内にだんだん鳴き方がゆっくりになってきて、最後の方はやや低音でホトトギスと鳴いているように聞こえたのだ。
 以前、ラジオ番組で「ホトトギスはホトトギスと鳴く」と言っていて、その時「ホトトギスの聞きなしはトウキョウトッキョキョカキョクだろう。」と突っ込みを入れていたのだが、やっとそれが真実だと分かった。
 

ブナ林

 

登山道

 

ブナの若葉

 

エゾユズリハ

ムラサキヤシオ

 

チゴユリ

 

白いイワカガミ

オオタチツボスミレ

 

スミレ不明種

キジムシロ

 

 4年前の2021年1月に直腸癌の手術をしてから排便に不安がある。直腸が短くなったせいか、何度もトイレに行かなければならない。
 これまでも、山行中に便意を催してキジ打ちをしなければならなかったことがあるが、今回はひどかった。

 登山口で車中泊をしたので出発前に3回トイレに行ったのだが、スキー場跡地を抜けたあたりから便意を催してきた。
 ブナ林の林床はスズダケがびっしり生えていて道をはずれてキジ打ちすることができない。困ったなあと歩いていたら、登山道が上りと下りで一方通行になっている区間があった。そこで、一方通行の合流点から下りルートを少し降りたところで、携帯トイレですませた。下りルートを登ってくる人はいないだろうと、まあ賭けのようなものだ。

 すっきりして再び登り始めたがシャクナゲ平あたりからまた催してきた。いままでにない展開だ。もう一つ携帯トイレは持っているので、さほど不安はないが、それを使ってしまえば三つ目はない。なんとか我慢はできるので山頂まで登って、キジ打ち場所を考えた。
 幸いなことに山頂一帯はガスで見通しはきかない。一人の登山者が少し離れたところで休んでいるだけ。そこで反対側から登ってくる登山道を少しくだりそこですませた。
 結局、2回目以降は便意に襲われることもなく無事下山できた。

 前夜、中華料理屋で五目焼きそばを食べたのだがちょっと脂っこくって、それが原因かと思ったが、2度目の便意のタイミングからすると朝飯に問題があったのかもしれない。朝食はマルタイのカップラーメン。マルタイは博多のメーカーなので豚骨ベースでニンニクが入っていたのかもしれない。
 しかしまあ、この不都合な状態がこれからも続くと思うと、ちょっと気が滅入る。

 

荒島岳ルートマップ


[山行日] 2025/6/5(木)
[天気] 晴れ、山頂はガス 
[アプローチ] 日 中部縦貫道・勝原IC → 荒島岳、勝原登山口P

    *30台ほど駐車可。トイレあり。水道はあるが飲用不可。
 

[コースタイム]
  行動時間 発着時刻 地点名 休憩時間  
0:50 5:30 勝原登山口P 発   12℃
6:20 リフト終点(670m) 0:05  
0:20 6:25  
6:45 キジ打ち(790m付近) 0:05  
0:25 6:50  
7:15 白山ベンチ(935m) 0:05  
0:55 7:20  
7:35 深谷ノ頭(1015m標高点)    
8:15 シャクナゲ平(1200m) 0:15  
0:55 8:30  
9:25 荒島岳山頂(1523.2m) 1:00 14℃
1:00 10:25  
11:25 シャクナゲ平 0:05  
0:45 11:30  
12:00 深谷ノ頭(1015m標高点)    
12:15 白山ベンチ 0:25  
1:10 12:40  
13:15 リフト終点   20℃
13:50 勝原登山口P 着   全行動時間
6:20     2:00 8:20
登り 3:25      
下り 2:55      
 

 

 

[温泉]
 大野市健康保養施設「あっ宝んど」
  大野市南新在家26-101
  ・10:00〜23:00、第二火曜定休、入浴料600円。
  ・露天風呂はあるが景色は見えず。
  ・レストランあり。