林道赤子線(りんどうあかごせん)              [滋賀県・湖北] 470m


 今年は雪が多い。どこでも滑れそうなので、恒例のクロカンツアーの前に、足慣らしで日帰りクロカンに出かけることにした。場所は滋賀県の余呉湖の東にある赤子山スキー場から林道赤子線を往復するコース。余力があれば稜線から下った所にある菅山寺にも行きたい。

 赤子山スキー場の駐車場に除雪協力費1000円を払って車を停める。今日のメンバーは10年前は若者だったものばかり総勢7人。うち女性2人は体調不良のためスキーではなくつぼ足。

 1本しかないスキー場のリフトは終点が見えているような短いものなので、たいしたことは無かろうと林道を歩いたら意外に時間がかかってしまった。やはり、使えるものは使うべきだった。上からスキー場を見下ろすと、小さなスキー場だが家族連れで賑わっている。北の方には薄墨の衣をまとったような七々頭ヶ岳(ななずがたけ)が姿を見せている。

 七々頭ヶ岳(693.1m)

 林道にはたっぷり雪があり、適当に締まっているが、つぼ足では時々踏み込んでしまう。新雪がうっすら積もっていて、かすかに残るスキーの跡を隠している。
スキー場のすぐ上は若干傾斜が急でつぼ足部隊の方が先行するが、他はなだらかでクロカンの方が楽だ。新雪でグリップが効いて歩きやすい。

 林道脇の木に黄緑色の小鳥が集まってチーチーと騒いでいる。メジロかと思って双眼鏡を覗いてみたらマヒワだった。群れでハンノキの実をついばんでいる。冬鳥で街中ではあまり見られないのでうれしい。林道脇の法面には空色の背中をしたルリビタキ♂もいた。翼の脇のオレンジ色が美しい。

 林道が尾根の鞍部に出たところで木立の向こうに西側の景色が垣間見える。林道の脇に休憩所があるのでMさんがスキーを履いたまま上がっていくが、他のものは見ているだけ。僕は帰りに上がってみたが、大展望とはいえないものの、赤松の幹の間に余呉湖がきれいに見えた。

 地図上の林道終点

 この先で1/25000地形図では林道が終わっているが、その地点に着いてみると北側のこぶを巻いて左手に林道が延びている。ガイドブックでは目の前の植林地を鞍部に向かって登ることになっている。新しい林道をたどろうかガイドブックに従おうか迷ったが、たいした登りではなさそうなので、ガイドブックどおり直登する事にした。

 ヒノキの間をハの字で登り、最後はスキーを脱いで一登りしたら、あっけなく鞍部に出た。鞍部の向こうにはさきほどの林道が登ってきていた。だいぶショートカットできたようだ。そのまま林道を少し上り下りしたら今度こそ本当の終点の鉄塔下広場に到着した。菅山寺の参拝者は、夏場はここまで車で上がれるようだ。

 余呉湖、後方右側が乗鞍岳

 あたりは広く切り開かれていて、特に西側の展望がいい。昨年の今ごろ、雪降りの中を登った賎ヶ岳を探すと、雪で少し白くなった山頂がすぐに見つかった。あのときはすぐ足元にある余呉湖がガスに遮られて全く見えなかったが、今日は余呉湖を囲む大岩山の右側に北半分が見えている。賎ヶ岳の肩越しには琵琶湖さえ薄く光っている。余呉湖の向こうに白く見えるのは乗鞍岳か。山頂左手に小さくアンテナ塔が見えている。
 南の方の展望はあまり効かないが、高圧鉄塔の脚の間から遠くに伊吹山が霞んでいる。

 広場の雪の上に丸くなってランチにする。風が弱くてありがたい。さんざんワインで酔っ払った後に登って、心臓がむちゃくちゃ苦しかった昨年の賎ヶ岳の話題で話が弾む。Mさんがワインを持ってきてくれて、T君のソーセージのつまみで今日も酒盛りだが、1本だけなので酔っぱらいスキーになる程ではない。うーん、もうちょっと飲みたかった。

 鉄塔下広場でランチ

 菅山寺へはかなり稜線から下らなければならないようなので、先へ進まずここから戻ることにする。登りのときに板の裏に雪がくっついたので、ワックスを塗りなおして出発。来る時にショートカットしたところも、帰りは481.8mの三角点を回りこむ感じで新しい林道を下る。傾斜は緩やかだが、ほとんどストックを使わなくてもスキーは滑り、楽チンだ。歩きのつぼ足部隊に合わせてのんびり下る。

 つぼ足部隊は持ってきたプラスチックのそりで滑ろうとするが、傾斜がゆるすぎて滑らない。結局そりが使えたのはスキー場近くの林道が急なところと、ゲレンデだけだった。

 林道を下る

 林道歩きだけだったのでちょっと物足りないけれど、まあ、予想外のいい天気で余呉湖も見えたし、マヒワも見たし。良しとしようか。

 

アイコンをクリックするとマップがでます。 <木之本(1/25000)>


[山行日]   2001/2/12(月・振休)
[天気] 曇りのち晴れ  2℃
[アプローチ] 北陸自動車道木之本I.C. →(R365)→ 余呉町役場 →(県道)→ 赤子山スキー場  [約6km]
[コースタイム] 赤子山スキー場駐車場 (0:40) ヘアピンカーブ (0:45) 地図上の林道終点 (0:20) 鉄塔下広場 (1:00) ヘアピンカーブ (0:25) 赤子山スキー場駐車場  (計3:10)
・真面目に歩いたり滑ったりしてないので、タイムはあまり参考にはなりません。
[装備] クロスカントリースキー(エッジ付き)

 

[ガイドブック] 「クロカンマップ 1」 <白山書房 発行>
[スキー場] 赤子山スキー場
・リフト1基の小さなスキー場。リフト料金 150円/1回。
・問い合わせ 「ウッディパル余呉」 tel 0749-86-4145