生きることも死ぬことも、始めることも止めることも 自由にならないという立場でありながら、 それでも限られた中で自らの意思を示そうとした男の生き様…… (…って言えばカッコイイか……) にしても、何だか何処かの居酒屋のメニューのようなタイトルだなぁ(汗) うわ〜〜〜〜〜っ……フラストレーションの、ごっつう溜まる映画だぁぁぁぁぁぁ!!! 何だろうなあ……藤沢周平って作家は、こういう作品を描く人だと聞いたけど… 『たそがれ清兵衛』とか、『武士の一分』とか観た時は こんなにフラストレーション感じなかったよなぁ…… って、やっぱ監督が違うから作風が違うってことなんだろうけど…。 敢えて主人公の感情や考えを明確に描かないという手法。 だから観ているこっちは、何でそういう行動をとっているのか分からないまま どんどんストーリーが進んでいく。 まるで新聞記事を読んでいるみたいな感じ? だから第三者的に冷静に事を見守っていることもあれば 勝手に行動の理由をあれこれ考えて 無責任に笑ったり非難したり怒ったりしては突っ込みを入れてみたりしている自分が居たりする。 実際には、凄い非道なことが起こっているのに 自分との間にフィルターが掛ったような現実感の薄さ。 それに反するかの様な生々しさ漂う殺陣のアクション。 作品の中にのめり込み、自らをその世界に身を置くリアリティではなく 居間に居ながらにして外国の戦場レポートをテレビ画面で見ているような感覚。 こういう作品は、あまり体験したことがないので 観ていてかなり戸惑いがあったのは正直なところ。 自分の感情が一体どこにあるのか定かでないという不思議な居心地の悪さ。 ああ、このモヤモヤ何処へもっていけばイイというのか(笑) それにしても、主人公にしたら命と引き換えの一撃だったんだろうけど それも“部長”までは届きはしたが“社長”までは無理だったっていう…… 哀しいよなあ……。      こういう感情の起伏が見えない、      まあ何を考えているか分からない人物に豊川悦司はピッタリだ。      妙に嵌ってる。      何か笑う場面じゃあないのに、自ら妻の姪に縁談を薦めておいて      自分と姪が懇ろになった後に、姪の見合い相手からの返事の催促を      真面目な様子で受け流してる主人公が変に可笑しくて… (これって、無表情だけど、内心ヒヤヒヤものだよね…主人公…)      ついつい突っ込みたくなってしまったのは私だけ…じゃあない…よね?                                10.07.18. 鑑賞