すっごいっ!! 映画という表現の媒体の可能性がまた広がったな。 とにかく気持ち良いカット割とスピード感、それを生み出した編集技術に脱帽です。 勿論CGに極力頼らない映像も、その質量感や本物の凄さを十分伝えているけれど それらを活かしているのも、この類いまれな編集技術だと思う。 何層にも重なる複雑なスト−リー構成も、 この編集技術で着いて行くことの可能なギリギリのところで提示されていくので 観ている側は「追わなきゃダメだ!!」と緊張感を強いられる。 それがストーリーの持つギリギリ感やハラハラドキドキ感を 尚一層盛り上げているように思う。 久々に映画とは人が意図して“造る”ものだと実感させてくれました。 素直に面白いと感じましたねぇ…。 願わくば、渡辺 謙演じるところのサイトーの位置が凄く勿体ないと思うので 何かもう少し工夫が欲しかったと思います。 観ている間中ずっと待ってたんですよね、 主人公コブとの関係に何か特別なものが出てくるはずだって…… ……で、終わってみたら唯の依頼人だったっていう……(涙) しかも、何か客のくせに出しゃばってどう見ても“足手まとい”にしかなってないんだもの… ……って……ははははは…笑うしかないでしょっ?! 肩透かし喰らったじゃあないか(怒)!! ……まあ、それはさておき…… ありふれたラブストーリ−であっても (振り返れば、これって何のことはないただのラブストーリーだよね?) これといって面白そうなテーマとか無くても (別に、大した中身は無かったように思うんだけど…) “見せ方”によって如何様にも面白いものに出来るって証明せしめた作品ってことで…。 映画賞の中に編集賞とかあるのって、至極当然なことなんですよ、ホント。                                   10.08.15. 鑑賞