本当に楽しんで観てもイイんだろうか……って、本気で心配しました(汗)。 全体的な感じだと、チャンバラを楽しむエンターテイメント……だよねぇ。 それにしては、初っ端の切腹シーンとか、手足を切り落とされた娘とか… 気持ち悪くなる位リアルな肉を切り裂く音と、しつこい位の苦悶の表情の描写とか ある種悪趣味な見世物的で直接的な映像表現とか…… 不気味なまでの時代考証に則ったような風俗描写とか…… 作品の持つ性格上、とてもじゃあないけど“楽しめる”雰囲気じゃあないなぁ…… でも、設定やらストーリーやら演出やらから見た感じでは チャンバラエンターテイメントにしか考えられないから… 中途半端。 いや、これは…あんまし“リアル”は追求しない方が良かったんじゃあないかなぁ…… もしかしたら“行き過ぎリアル”による漫画的デフォルメを目指したのかもしれないけど…… “滑稽”よりも“不気味”で、気持ち悪くて居た堪れなかった。 だからかなぁ…所々明らかに狙った感のある漫画的デフォルメの効いた コメディ風味な演出も、あまり効果なかったような気がする。 笑えないもの……マジで。 どことなく『七人の侍』を思わせるものも感じたけれど この中途半端さだと、自分としては観た後すごく後悔の残る作品。 ……ああ…観なきゃ良かった…かも……。 そうそう、山田孝之は何かこの役嵌ってたよ。 自分を活かし切れず不貞腐れて世間をちゃらんぽらんに無気力に生きてる若侍…(笑)。 何かね、風貌と言うか目つきがね… 松形弘樹の殺陣は御歳を召されてても華麗で凄いです。 最早この稀代の時代劇スターの殺陣を魅せるなら、 時代考証入りまくりなっぽいリアルは不要ですナ。 観た後、同じ“侍”に生きても、違う道を選んだ両雄のことについて 色々と考えたりもしたけれど、 (二人の“差”って、自分の立ち位置への“揺らぎ”具合の差だったんかな…とか…) やっぱりそういうモノ云々よりも、チャンバラ重視って感じがしたので 気分良く観たかったと思う次第…。 10.10.23. 鑑賞