行き着くところまで行っちゃった感のあるCG画像を、更なる進化を遂げさせて これでもかと畳み掛ける怒涛の映像で、 内容のマンネリと薄さをブッ飛ばす力技の映画。 まあ、とにかく凄い。 実写の中に組み込まれたCG画像…いや、CG画像に組み込んだ実写… どちらでもイイんだけど、違和感なく自然に溶け込んでいるコトの凄さ。 質感と微妙なライティングの感じは、本当にそこに存在するかの様。 しかも、あんなに複雑なメカニックな物体が、滑らかに動いているのが奇跡の様だ。 とりあえず凄い。 凄過ぎて、びっくりして、呆気にとられて 2時間40分 目を丸くして画面を追ううちに、時の経つコトも忘れてエンディングを迎える。 まさに制作サイドのコンセプトはそこにあったみたいで、 それならば、この映画はチャンと成功していると言えるだろう。 が、やはり、それはそれだけであって、“凄い映像”としての記憶は薄っすらと残るだろうけれど パートT同様、内容的なものは忘却の彼方へと流されて行ってしまいそうだ。 (実際、前作の内容を殆んど覚えていなくて、 本作鑑賞時にDVDで復習しておくべきだったと、後悔しましたから……。) 斬新な映像というモノは、映像そのものだけでなく、特に映画というものにおいては ストーリーと相互に引き立て合うものがあってこそ後世に鮮やかに残るものだと考える。 (『スター・ウォーズ』初期のモノや『マトリックス』Tとか、上手くかみ合った好例…かな。) 今回、トランスフォーマーの個体識別が非常に観ていて分かりにくく、 単純なストーリーであったにも拘らず、 どんな戦闘していて、どんな絡みがあるのか飲み込むまでに 映画の進行状況と時間的ズレが生じてしまった。 複雑な造形は凄いと思うが、複雑なモノ同士が絡み合う戦闘シーンは ゴチャゴチャしていて画面が煩く、どんな動きをしているのかよく分からない。 こういうモノの見せ方は、もう一工夫したほうが、 観ている側にも より親切なんじゃあないかしらん。 “凄い”ところを見せたいのは分かるけれど、疲れちゃいます、観客は…。                             09.06.22. 鑑賞