“あの時は、只みんな一生懸命だった。” その言葉に尽きる。 敵も味方も関係ない、只 生き抜くコトに精一杯努力した、 本当にただただ生き残るために必死に戦ったんだ……。 もう、これが伝わればイイと思う。 戦争映画は敢えて観ない自分でしたが、成り行き上鑑賞する機会を得て得した気分です。 『ローレライ』や『亡国のイージス』の福井晴敏氏監修ということで、 前記作で結構楽しまさせて頂いたのと同じ緊張感と感動を頂きました。 このところ、ハリウッドの物凄いCG映像を、 映画本編でも予告編でもイヤと言うくらい観て来ましたが、 こういったモノに慣らされているためか、 特撮 CGを含めて、まだまだ未熟なところも見受けられるが、 中身が映像をカバーした一例。 つまりは映像のレベル次第では、もっと登場人物の心の内に迫れる可能性を含んでいる、というコト。 技術面では、予算やら何やらとどうにもならない壁なんかがあると思う。 明らかに失敗、つまりは“ウソ”だと思わせる部分が、なかった訳ではないが、 悪意、つまりは怠慢さを感じさせられることがなかったことが良かった。 制作側も限られた中で“懸命”だったということでしょう。 イ-77のエピソードは薄っすらと知っていたので、実に興味深かったし、 (実は、映画が始まるまで、そのイ-77の話だと知らなかったという……) 戦争映画で、これだけ真正面から命の尊さという主題を扱ったモノは 自分の中では珍しかったので、嫌悪感なく最後まで鑑賞出来た。 まあ、戦争モノを敢えて避けて来たから無理無いですけど…。 どっちにしても、観なけりゃ分からないし、 たまには自分の好みから外れて作品をチョイスするのも悪くないと思わせてくれた作品。 回天が出撃しなくて良かったよ、ホント……。                                 09.07.03. 鑑賞