今までのオリジナルストーリー作品に比べて、普通に良かったんじゃあないでしょうかネ。 さすが原作者が全力投球しただけはある……かな。 …というか……、実は伝えられている通りの原作者の力の入れようだとしたら もっと凄いのを期待していた……のは、贅沢ってもんでしょうか。 原作を全巻読んでいるわけではないので、『ワンピース』という作品の カラーも世界観もどれだけ理解しているのか分かりませんが、 少年漫画というジャンルの中にあって、その王道を突っ走ったという感じで きっと少年たちにとったら、血わき肉躍るっ!!って、 文字通り楽しめたんだろうな…… うん、それはきっととっても大事なコトなんだと思う。 けど、自分的には前作の『― -冬に咲く奇跡の桜-』がかなり良かっただけに少し残念。 前作は、原作を再編したものだったということで、 長尺な話を上手く纏め上げたという編集力に感心したけれど、中身は原作のお話なわけで、 テーマのチョイスやセリフのセンス、そして物語の描き方の力量にしても作者の力、 つまりは原作の作品力の大きさも明示されたわけで、 その作品を生み出した張本人たる方が気合い入れて俄然臨んだわけですから 『桜』と肩を並べるだけの内容を期待したのは…まあ、自分の勝手な願だった訳でして… 確かに週刊連載をこなしつつ映画の総てに携わるなんて… しかも準備と制作にたっぷりと時間を掛けられない状況なのですから、大変なんですよね。 そんな中、少年たちが喜ぶものを詰め込んだというコンセプトに絞っての制作は 正解だろうし、しかもちゃんと果たされているのだから凄い! ほんと、他の作品は自分が観たモノ(といってもDVDでしか観てませんが…)だけで言うなら あんまり面白くなくて、中には途中で寝ちゃったモノもあったりします… が、普通に最後まで面白く楽しめましたから。 まあ、劇場版ってことで、アニメでやれる限りのアクションやってみせよう!って感じだけど 導入部は何だか確かに凄いけど…やり過ぎっぽいなぁ。 正直、「まだやるの?」って思っちゃった。 ヘビー過ぎて肝心のラスボス対決のシーンの印象が薄くなったような気もする。 そんな中、麦わら一味が敵アジトに殴り込みに行ってから対ボス戦へと持ち込む流れは 気持ち良くて上手いなあって思ったナ。 大体主人公側がわらわらと大勢で敵ボス一人に襲いかかるのは見苦しいですから…。 まあ、若干物足りない方もいましたが、 各キャラの見せ場の作り方はさすが…といったところでしょうか。 で、凄〜〜いっ!! ルフィーかっこいい〜〜っ!! 面白〜〜いっ!!  ってことで、自分にとっては『桜』のように観た後で熱く語れる…という訳ではありませんが 取りあえず、普通に面白いアクションエンターテイメント作品として めでたく満足して劇場を後に出来るということです。 にしても、日本の漫画家さんの力量は凄いです。 中には映画監督になりたかったけど、映画は資金と人材が沢山必要なので あきらめて漫画家になったという方もいらっしゃるそうですが…… 凄いとは思うけれど、プロの映画人たちが作ったオリジナル作品よりも面白いって…… ……ちょっと悲しいなあ……。                                 09.12.15. 鑑賞