バイオレンス及び暗殺シーンてんこもりの痛〜い映画。 アンジー(アンジェリーナ・ジョリー)の色っぽさとかっこよさ全開。 最初から最後まで「あ痛たた…」と感じてしまうR指定な流血表現、もさることながら 取り敢えず、弾丸とその描く軌道を見(魅)せる映像にかなりの力を入れて制作したと思われる。 それと同じ程度、今までと少し様を異にする感のあるカーチェイスも大変な凝りように思う。 何か、凄いモノを見たな…という印象をバッチリ受け取らされた。 主人公の飛ばす弾丸が、何度も敵クロスの弾丸とぶつかり合う。 このシーンはかなり印象深く目に焼き付く。 二人だけに通う“絆”めいた感覚。 これは後に真実が明らかになった時、「なるほど…」と納得させられる。 “運命”と“偶然”の織りなす紋様は、 果てしなく不安で、切なく、残酷で…、 もしも この先のストーリーを紡ぐならば、 どこまでも不毛で無機質なモノしか見いだせない。 本作の物語の切り上げ方は、ど迫力のエンターテイメント作品としての ころあいの良いタイミングの幕引きかと思われる。 アンジー演じるトコロの女暗殺者は、かなりな魅力に溢れたキャラ。 他人の命を奪って存在する暗殺者の末路は、 自分の命を持ってして償うべきと、自分は考えているのだが、 冷徹な心が生む一瞬の決断に殉じて自分を屠し、主人公を生かした最期を 女として かこいいと感じさせてくれる。 二人の間に確かに存在したであろう“○情”を スマートに表現するセンスは心憎い。 設定とシチュエーションに酔いながら、 ライトに楽しめるエンターテイメント作品として観るならば、十分面白いモノかと思う。 但し、流血、バイオレンスシーン満載につき、 誰でも、という訳にはいかないのでご注意を。                        08.10.09 鑑賞