探検の詳細4 中国江南編(華北を含む)

1992年 10月2日~10月16日 上海農学院から招聘状 江南の豆類栽培視察 京大の先生同行
 2日JAL793便で伊丹から上海虹橋飛行場に到着後、上海学術交流中心へ。
 3日には上海農学院で交流行事。その後、余山へ行き路傍でタケアズキの逃げだしを採集。戻りの奉賢の胡橋の畦道と路傍でタケアズキ、アズキ、ササゲおよびツルマメを採集、閔行から南橋の間で採集後、交流中心へ。
 4日交流中心はサービス食事など最悪のため、飛行場のホテル紹介所へ行き、紹介された達華賓館へ移動し2泊。5日浦東付近の海岸を視察、工事中の食堂で山盛りのシャンハイガニを食べる。
 6日上海農学院の顧先生と供に杭州へ列車で移動し、杭州国際大厦に宿泊。
 7日は莫干山へ往復、麓の河川敷でツルマメを確認、登山口の集落の屋根にSedumが生育している。Commelina bengharensisの生育を確認。当地ではアズキは5月中旬から6月に播種し、10月はじめに収穫する。11月5日には初霜となる。アズキには2種類有り、丈の高い飯豆と低い赤豆で後者に野生がある。赤豆は、第1に隣人から、第2に近親から、第3に購入する。灰白黒斑の品種あり、紐で括って保存する。V. anglarisは飯豆または赤豆、V. umbellataは野赤豆、V. unguiculataは赤豆と呼び、ほかに赤フジマメ、隠元豆、白ブマメ(yi nan dao)あり。武康近くで採集。
 8日タクシーで杭州から黄山へ移動、途中歙県で著名な料理店へ寄る昌化付近でタケアズキ写真を2枚撮影。キンエノコロSetaria glaucaを採集し、天目山の峠を越え、安徽省へ入る。
 9日は黄山内で調査、ホテルのパンが上質で水も綺麗。黄山の市場でダイコンなどを撮影、輔村でアズキと黄色種皮のタケアズキを採集。輔村での聞き取り:アズキは通常点心に入れるか、粥gruelにして食べる。抜いて乾燥する。畑や焼き畑(焼荒地)で栽培。植林は杉木で種子または挿し木で繁殖している。蔓化し易い秋アズキで、紅い小粒で剣先の葉、一莢8~10粒で14~15節のシロ小豆的草型。ダイコンには白首、赤首と赤ダイコンがある。葉は板葉(lyrate)。採種には根を2分1切り5cmほどで切り口に灰をまぶし、50cm×50cmの間隔で植える。400g~350g、切れ葉のダイコンは赤褐色の種子、切れ葉は黄色種子、なぜ黄色か理由不明。
 10日黄山から屯渓へ行き屯渓で調査。屯渓西方15km地点まで行き農村をみる。環居でジュウロクササゲとアズキを採集。黄山と屯渓の中間地点朱峰でアズキとタケアズキを採集する。
 11日黄山から馬鞍山を経て南京へ、現地旅行社で秦淮人家ホテルを紹介され、上海までの特急列車を手配。このホテルは著名料理店で精進料理がある。夫子廟はすぐ近く。沈石や愛玩動物の多数の品種が市場で売られている。
 12日は南京大学の植物学教室を訪問、標本室を閲覧する。文革前の標本がわずかにある(アズキ類の標本をメモし、2枚を撮影)。13日特急列車で上海へ移動し、14日、15日は市内見学し、16日上海からJAL794便で大阪伊丹へ
 アズキは夏アズキと秋アズキの中間の感じ、ダイコンは板葉品種で、小振りの根、自家採種されている。ミズグワイ(シナクログワイ)は屯渓で確認、マコモタケは住居周りのため池で栽培されている。

1993年 秋 9月14日~9月29日 北京農学院から招聘状 北京市周辺アズキ栽培現状の視察およびアズキ類起源調査 京大および北大の先生同行
 14日 CA922便で伊丹より出国、機材の到着が遅れ、大幅な出国遅れ、上海での通関も夜になる。上海から北京までの空路の地上部は、ほとんど電灯をみない。深夜に待ち合わせた農学院の先生の案内でホテルへ行く。
 15日 北京植物研究所標本館訪問の後、作物品種資源研究所を訪問し、雜豆類のチームに会う。中国内での導入探索は1949年~1960年頃始まり、67~68年頃に多い。文革によって断絶する。1978年に研究所設立後毎年調査している。5年ごとの計画で実施。
 16日 北京農学院で講演、名誉教授章をもらう。
 17日 北京から石家莊へ列車特快9で移動、獲鹿・南胡庄(平山鎮方向)でアズキ栽培をみる。石家莊国際大厦に宿泊
 18日 石家莊からタクシーで済南へ移動(予定の列車は切符を買えず)。 徳州で美麗豆沙(リョクトウの餡料理)を食べる。
 19日 泰山視察後、済南東方の山口鎮へ クモノスシダ、イトラッキョウをみる。収穫物残渣を山状に積んで堆肥化。トウモロコシや藁を山積み。
 20日 済南~阜村~西管~済南 岩山の間の岩礫混じりの耕土。ゴマ、雑穀、マメ、トウモロコシの畑作。石積みの家屋。ロバが働いている。ローラー石での脱穀。浅い川にはクレソンが大量に生育。粗末な鶏小屋。ハマアカザの花穂に外来アサガオが巻いている。ふさふさした毛の山羊。
 21日 済南大明湖視察、人民証明書紛失のため、公安で待機
 22日 済南~北京 特快26(14:45-21:34)
 23日 CZ3122 で北京から長沙へ移動(15:00-17:20)、旅行社手配の車でホテルへ 華天酒店
 24日 長沙~瀏陽~長沙 クウシンサイの花。綿の栽培。タケアズキ。
 25日 長沙~金井~長沙
 26日 韶山・毛沢東実家、馬王堆遺跡視察
 27日 長沙市場視察 MU5302で長沙19:05-上海20:25 北京農学院の先生は上海から空路で北京へ
 28日 上海市内視察
 29日 JAL976で上海-大阪・伊丹
 

1993年 冬 11月9日~11月18日 大阪府・上海市学術交流事業
  9日 JL973で伊丹から上海虹橋へ渡航 上海千鶴賓館に宿泊
 10日 上海農学院で交流事業
 11日 講演
 12日 崇明島前哨農場を視察、堡鎮の招待所泊まり
 13日 堡鎮から上海へ戻り、静安寺へ
 14日 上海から杭州へ車で移動、香料菊およびケナフの栽培を見る。龍井、杭州植物園、六和塔(銭唐江)を見て、杭州農業大学招待所に宿泊
 15日 西湖、寺院、盆栽、金魚を見る。西湖で酔蝦を食す。上海へ戻る。
 16日 青浦鎮視察 イチゴハウス
 17日 長與島前衛農場、みかん園で温州(宮川)の導入を視察
 18日 虹橋から伊丹へ