最近発表した自作短歌より一首を厳選し、歌に込めた思いやエピソードなどをご紹介します。

【今月の一首】
〈2003年12月〉
心とは逆に進んでいく電車駅のホームに君を残して
むかしJR東海のシンデレラエクスプレスのCMが話題になり、山下達郎さんのクリスマスイヴが大ヒットしたが、
今でもこの時期になると♪きっと君は来ない〜というフレーズが頭の中でリフレインすることがある。
駅のホームというのは何かしらドラマがありますね。
最近ボーダホンのCMがすごく気に入っていて、ホームで別れたばかりの彼から「家まで送ろうか?」とテレビ電話で言われると、
私もCMの中の彼女と一緒にコクリとうなずいてしまうのだ。いいよねぇ〜、あのシーン。
ぜひ一度体験してみたいと思う……けど、テレビ電話持ってなかった(泣)。


〈2003年11月〉

幸せな結婚をするといい歌が詠めないという それも良し悪し
少女時代は実にいい歌を詠んでいたのに、幸せな結婚をして歌が詠めなくなったという人の話を聞きました。
ふ〜うん、そっかぁ〜。なら、幸せな結婚なんてしなくていっかぁ……。
いやいや、やっぱ幸せになりたい。ここ2年程、私は苦しい恋愛をしてきました。
しかも、まだ完全に過去形にできていないというありさま。この苦しさが、私の歌を生み出す原動力となっていたのかもしれません。
けれど、もうそろそろ幸せな良い歌を生み出してもいいのではと思うのです。どうでしょうか?


〈2003年10月〉
不確かな未来だからこそ信じたい白紙の譜面にクレッシェンド記す
私は二度程、大きな地震を体験した事がある。一度目は、大学4年生の時、京都で体験した阪神淡路大震災だ。
試験初日だった為、朝まで徹夜していたのだが、突然グラッと……。
自転車で大学まで行ってはみたものの、試験どころではなかった。
二度目は、2001年3月24日の芸予地震。風邪気味で病院に行っていたところ、待合室の窓ガラスがパリ〜ンッ!
駐車場のブロック塀は隣の車のフロントガラスを粉々に打ち砕いていた。
今、こうして生きているのは、まさに奇跡の連続!生きている事に感謝しつつ、一日一日を大切に過ごしていきたい。


〈2003年9月〉
「アンパンマン列車」に乗れば手を振られ写真を撮られスターな気分
アンパンマンの生みの親、やなせたかしの故郷、高知〜岡山(または愛媛〜岡山)を結ぶ
JR四国の特急列車に「アンパンマン列車」というのがある。列車全体にアンパンマンキャラクターが
ペインティングされていて、実に楽しい。客室内にも天井や通路、数ヶ所にアンパンマンキャラクターが微笑んでいる。
私は、与謝野晶子短歌文学賞の会場(大阪)に向かうため、たまたま乗り込んだのだが、
この列車、かなりの人気である。何時に通過するというのが予め分かっているため、ホームの向かい側や踏切の前、
田んぼのあぜ道などいたる所に、ちびっこや鉄道マニア達が待ち構えているのだ。
皆さん、四国にいらっしゃる時には、ぜひ一度「アンパンマン列車」に乗って、スターな気分を味わってみてください。


〈2003年8月〉
この町は鳥が生まれる鳥生町(トリュウチョウ)幾多のつばさ翔び立ったのか

「え〜、空を飛ぶ“鳥”に“生まれる”という字を書きまして鳥生町(とりゅうちょう)です。」
電話で住所を説明する時、何度このセリフを言ったでしょう。地名をたどってみると結構おもしろいですね。
そっか、鳥が生まれる町かぁ……、と改めて思ったのでした。
そうすると、愛媛県には昔、ものすご〜く愛された姫がいたのでしょうね。
もしかして私は、とっても素敵なところに住んでいるのかも?


〈2003年7月〉
「不特定の異性と性的関係を持っていますか?」問診表が問う
30歳にして初めて“献血”をしました。最近こういうことになってるんですね。知らなかった……。
今まで無縁だと思っていた心の病,体の病(現代病)について改めて考えさせられました。


〈2003年6月〉
エスカレーター逆に登っているごとし逃げる未来に吸い込まれる過去

下りのエスカレーターを下から駆け登ったこと、ありますか?
どんなに走っても上のフロアには辿り着けず、下のフロアに吸い込まれるばかり……。
一生懸命頑張ってるんですけどね。幸せな未来は、遠ざかっていくばかりです。
頑張っていればいいこともあるんですかね。ちょっと心がお疲れ気味のようです。
幸せになりたい!それだけなんですけど……。