機械式LSD(ATSトライアル鳥取仕様)



CP9Aエボ5GSRのフロント、リアのデフをメタル機械式LSDに交換作業の模様をレポートします。
GSRは標準でフロントはヘリカルでリアはAYCで日常の町乗りでは良いんですがサーキット走行では物足り
ない?
んで変更する事にしました。
まずどんなLSDにするかを考えました。


1.サーキット走行で効きが発揮できること
2.容量
3.コスト(値段)


そんな時、雑誌でトライアル鳥取さんのオリジナルLSDが目に留まりました。
選んだ理由としては、フロントはセンターVCUは純正品を使用してる為コストがセンター込みAssy品に比
べて約半分のコストで済む事と前後でのトータルバランスセッティングがオーダー出来ることです。
後は、カーボンとメタルの2種類が有りますがサーキットで「ガッン」と効くメタルにしました。
決まった所で早速、トライヤル鳥取さんにメールしオーダーしました。
結果的には、社長の秋下さんのアドバイスと自分の好みを合わせてのオーダーとなり秋下さんには親切な態様を
頂きました。
「どうも、ありがとうございました。」
数日後、自宅にLSDが届き早速取り付けです。


《1日目》


まずはリア側からですAYC用LSDはデフキャリアAssyを降ろさないで交換出来るんで外す所は左側(助手席
側)の
足周りとドラシャ、デフケースとデフオイルを抜きます。


▲車体後方から見た状態です。当然リジェットラックを掛けましょう。



▲デフケースと純正デフを外した状態で中央シャフトの外側部分がAYC駆動部シャフトです交換LSDには
キャンセルする為に駆動シャフト部分が有りません。
 

ここでは見た目には簡単に外せそうですがデフケース取り付けボルト6本の内上側の3本はデフキャリアが邪魔
をして
工具が入らず結局デフキャリアを2cm程動かさないと外せない事が判明し時間が掛かりました。(ここまでで
約2.5Hです。)



▲取り外したデフケースと頼り無い純正デフ(オープン)です。


純正デフからリングギャを外しますが自宅にはバイスが無く力任せに外しました。8本もです…



▲左側がAYC対応LSDです。ベースはATS製です。



▲裏側から見るとAYCキャンセル用でシャフト入り口部分が異なります。


取り付けにはギャリンク固定ボルトに緩み防止接着剤を着け規定トルクで対角線状に均等に留めます。
トルクは77〜88Nm(8.0〜9.0kgfm)です。
新品のベアリングとオイルシールに交換し車体にデフを固定します。



▲デフとデフケースを取り外した逆に着けます。


後は、ドラシャ、足回りを元に戻しオイルを入れてリア側は終了です。今回使用したオイルはクスコの80W−
140です。
(最終的には6.5Hです。)
1日目はリア側だけの交換走行で慣らし状態でもかなり押し出す感じが分かります。


《2日目》


2日目はフロントですリア交換の勢いで取り掛かります。
リア同様に車体をリジェトラックに固定しデフが有るトランスファー側を取り外しますがリアとは違いアウトプ
ットシャフトの
関係で左右の足回りを外さなければいけません。
フロントデフはトランスファーケースに収まってますが循環オイルはミッションオイルの為抜きます。
後は、下準備で邪魔なフロントパイプとロアアームバーを外します。



▲両方とも社外品でクスコ製です。純正ロアアームは頼り無い1本の棒です。



▲作業をスピーディーにする為に邪魔物を退かします。


左右の足回りとドラシャを外しデフケースを外しますがリアとは違って障害物が無くボルトは難なく外れまし
た。
ただし、左右のアウトプットシャフトを外さないとデフが外れない為時間が掛かりました実際は専用のSST工
具の
スライドハンマーを使って左デフ側の(運転席側)シャフトを抜きますが専用SSTが無い為にU型の金具を使
いシャフトの
サービスホールにネジを押し込んで外しました。
右側(助手席側)は左側のシャフトの外した穴から50cmのパイプで押し出します。



▲デフケースを外した状態で見えるシャフトがなかなか難関で外れません。


▲デフを外した状態です。エボ(CP9A)はチョット構造が複雑でミッションにセンターデフが有り外側の
シャフトでトランスファー内のセンターVCUに連動し内側のシャフトで左右のフロントデフがつながってま
す。


これで、デフAssyフリーで外れリングギャ、センターVCU、フロントデフを3分割にします。
バイスは相変わらず無いんで力任せに外します。(第2ランドの始まりです。)



▲純正デフを分解した状態です。純正ヘリカルはマイルドです。


交換するフロント機械式LSDは容量を多く取る為にセンターVCUの加工をしなければなりません。
フロント交換のヤマ場ですハンドカッターで約1時間掛けて切除しました。(ここまで、2.5H)



▲センターの突起部を切除します。1時間近く夢中でガリガリしました。



▲右側が交換するLSDです。容量を多くした為にセンターVCUに交換加工が必要です。



▲組み終わったフロントデフAssy


加工が終わったら取り付けに掛かりますフロントデフAssyを組んでリングギャを緩み留め接着剤を使ってネジで
固定し
外したデフケース、アウトプットシャフト、ドラシャ、などを取り付け足回りを組みます。
最後にクスコの80W−90オイル入れ完了です。(最終的掛かった時間は7.5H)


《3日目》
《3日目》

当然、足回りを外したんでアライメントを取り直します。
ゲージはIKEYA FORMULAのMAPLE A−ONE GAGEを使いました。
数値はフロント、リア共にキャンバー−1.5、トー±0に合わせました。



▲右側のトー調整の模様です。左右行ないます。


リヤにLSDを取り付けても実際はAYCの機能自体は生きてるんで支障は無いですがどうせ使わない機能で
バッテリー負担を軽減する為に電気的に殺します。
切断するやり方は色々ですが今回はAYCポンプモーターのヒューズを取ります。
場所はバッテリー+に直に付いてる所です。



▲上側はABS、下側はAYCです今回は下側を外します。見た目は直ぐに外れそうですが実はヒューズ下側に
ネジ2本で固定されてます。


画像はサクションパイプの関係でバッテリーの位置が変更されてます。
これで、AYCは機能されませんがこのままだとメーターの警告ランプが点灯してて目障りなので解除します。



▲メーターを裏返して左側から6番目の電球をはずします。分からない場合は光に透かせば文字が見えます。


全ての作業が終わり早速の試運転ですフロントLSD交換はリア交換よりも明らかに違います流石にステアリン
グを
切る方なのでコーナーでの引っ張る力はノーマルのヘリカルに比べ物ならない位です。初めの慣らし中の時は
チャタリングが有りましたが町乗り300Kmを終えてオイル交換してからは其れなりにおさまりました。
それから、軽く峠に走りに行きますたがコーナー出口の加速感は気持ち良いの一言です。
車の状態はフロントのタイヤの減りが早い事とステアリング操作がシビアになり重くなりました。
車高調のセッティングもデフ交換により変えないといけなくなり1.5WAYだとコーナーを若干アウト側から

アプローチからの進入からでないとアンダーが出る為、これからサーキットを走り込んで行き自分好みに合うよ
うにして行きます。


  〈今回使用パーツ金額は〉
フロントLSD(メタル1.5WAY) 165900円
リアAYC対応LSD(メタル1.5WAY) 145950円
合計311850円で工賃はDIYで無し




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