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■椰月 美智子
2006 講談社
2007年に野間児童文芸賞と坪田譲治文学賞をダブル受賞した作品です。
小学校5年生のクラスで押野という少年に出会った枝田少年、そして、その夏休みには母親のもとを離れ、彼はおじいさんと一緒に暮らすことになります。
その夏休みの日々を描いたこの作品ですが、彼は「人生は劇的ではない。ぼくはこれからも生きていく」と振り返ります。「ぼくらは日々なにかしらの選択をし
て生きている。・・・・・結局、今の自分というのは、これまでの過去を全部ひっくるめた結果なのだ。いろんなことがあって、これからもあるだろうけど、ど
んなことも静かに受け入れていくのがぼくの人生の日常だ」とも。
人生の分岐点を静かな日々の一つとして受け止める心の強さ、そんな優しい強さを味わうことのできる一冊です。
2010.8.7
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