もういちど読む山川日本史

RReturn to Jun-coo's LIBRARY

 


 01
58
■五味文彦・鳥海靖=編       2009 山川出版社  

高校の歴史教科書を一般読者のために書き改めた通史。社会人のための教科書。
そんな謳い文句でこのたび山川出版社から発売された本書は、懐かしい教科書のスタイルそのままに読みやすくしてコラムや解説を加えてあります。
編者のお一人である鳥海靖元教授は、jun-cooが学生時代に一般教養の日本史の講義を受けてとても面白かった記憶があります。
本書は、改めて高校の教科書を読み直すというコンセプトですが、やはり一番の驚きは、「昔、習ったことが変わっている…」です。昔の日本史の教科書には必 ず写真が出ていた仁徳天皇陵は、今では大仙陵古墳と教わるそうです。日本最古の貨幣。そりゃあ、和銅開珎と思いきや、平成11年にさらに古い貨幣の富本銭 が発見されたとか、見慣れた源頼朝や足利尊氏の肖像画は別人であることが今や有力な学説だとか・・・。
そして、改めて日本史を通史で読み返して感じるのが、日本史は農耕社会における土地の所有をめぐる歴史なんだなということです。大宝律令の時代に班田収受 琺によって農民に口分田が与えられ、それ以降、租税や所有をめぐり、墾田永年私財法やら荘園やら太閤検地やらと日本史の節目には農地の変遷を見ることがで きます。
jun-cooが習った教科書は中曽根首相で終わっていますが、2009年8月に発行された本書は麻生首相で終わっています。kasaが高校の教科書を手 にする頃には、また新しい日本史ができあがっているかもしれません。

2010.1.15


Jun-coo's LIBRARY