カラスの親指

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■道尾秀介      2008  講談社  

帯に「最高の逆転劇 お見せします」と作者からの挑戦の言葉が書かれた作品です。友人の連帯保証人になったばかりに借金取りに追われ、妻と娘を失い、詐欺 を生業とするようになった武沢。借金取りの手下として働かされ、不幸な一家をさらに作っていってしまいます。そんな借金取りたちに反抗し、テツとコンビを 組んで詐欺を続けるようになりましたが、ひょんなことから、因縁のあるやひろ、まひろ姉妹と出会い、、それに貫太郎が加わった奇妙な共同生活を始めます。 そして、一同は、借金取りに追われて逃げ回る身から起死回生を期した一世一代の詐欺を計画しますが、その成否はいかに・・・。
「最高の逆転劇」と謳われたとおり、最後には読み手が鮮やかにだまされています。そのだましには、ある登場人物の深い思いが秘められていました。
さすが直木賞候補となった作品です。


2009.8.10


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