テニスやソフトテニス競技に脚本(シナリオ・台本・筋書き)はあるのだろうか?あるいは必要だろうか?あるとすれば、それは勝ったか負けたかの結果だけであろう。だが、どちらが勝つかわからないのであるから、筋書きはないのである。つまり、脚本はないのである。
 次に、テニス競技に演出はあるのだろうか?例えば舞台演出家がいる。けいこ場で、本番に向けての、物事を表現するときにそれを効果的に魅せること又はその役割を担当する者であり、その全ての方向性を与え、調和を図る役割を担うものである。が、けいこが終わり本番の発表では、演出家は表へ出ないのであるし、出るものではないのである。その演出の評価は本番が終わってからである。
 では、テニスやソフトテニス競技ではどうだろうか。やはりテニスにおいても演出する者がいる。プレーヤーを指導している者である。けいこで盛んと指導している。本番ではどうであろうか。テニス競技では舞台けいこ同様に演出家は表へ出ないのであるが、ソフトテニス競技では、堂々と演出家がベンチコーチと称して又はベンチ外から堂々とけいこ同様の演出をしているのである。
 これを観るたびに違和感を覚えるし、醜いとさえ感じるのである。舞台であればありえない演出者の表出である。舞台の役者でない者が堂々と表舞台に出るものがどこにあろうか。これを観にくる他人があるのであろうか?役者が演出家というなら、演出家が役者を兼ねればいいのではとさえ思うが、誰も観には来ないであろう。特異なスポーツ競技である。主役はプレーヤーであることを肝に命じてほしい。そして、そのプレーヤーが評価されたときには自ずと演出家に評価が下されたことになるのである。そのことを理解しない指導者が多すぎるのである。
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