Leader


      子どもを指導する指導者は、まずそのスポーツの技術を指導する前に、子どもの発達を理解しているものでなければならない。
      子どもといっても、キッズからアンダー18まで心身共に相違しているのである。
      残念ながら、スポーツの指導者のほとんどは子どもの発達の専門的知識を備えてはいない。
      備えているのは、勝ちたい、負けたくないという勝負ごとのみである。
      その子どもが今備えているものをその子なりに伸ばしてくれることやまだ潜在化しているものを引き出してくれる術を持っていない。
      全て、指導者の経験した指導者のための押しつけ技術や試合である。その子どもを機械化、ロボット化しようとしているのであろうか。
      子どもを指導する指導者は、まず子どもの発達の専門的知識をもって指導しなければならない。
      つまり、一人の人間として、尊厳をもって指導しなければならないのである。
      JSTCの指導者は、子どもの発達の専門的知識をもって指導しています。


 「指導者とは基本を指導できる人 
 指導者とは指導する人(者)ですが、では指導とはなんでしょうか?技術(基本・応用)指導、競技(戦術)指導、トレーニング指導、メンタル指導、栄養指導等があります。最初に指導するのは何でしょうか?多分、技術指導だと思います。それも基本指導が主になると思います。現在、大勢の指導者の方がジュニア、中高校生の指導をしていると思いますが、果して何人の方が基本指導できるか疑問です。今までの自分のフォーム、教え方が基本だと思っている方や勝っている選手、監督、コーチの真似や教えを受けていれば基本指導していると思っている方がおりますが、果してそうでしょうか?もしそうであれば、指導を受けているジュニアは全員上達しているはずですが現実は違います。まず、最初の指導は基本指導から始めなければなりません。指導者とは基本指導ができる方が本来の指導者なのです。
「選手は指導者の分身です」
 よく自分が教えていて、この子は下手だとか他人に公言している指導者をみかけますが、自分の教え子を下手だといっているのは、自分の分身を下手だと言っていることであり、要するに自分の指導が下手だと言っていることに気がついていません。指導するということは自分を子どもを媒体にして世間にあからさまにするということです。指導者としての一歩はここから始まります。また、真っ白な子どもに色を染めるのは、最初に教える指導者なのです。最初に教えた指導者は子どもにとって最も重要なことなのです。また、一番責任があると言っても過言ではありません。小学生の場合は、メイドイン○○指導者を背負ってプレー等していることを心がけて指導してください。
 すなわち、その子が優秀な成績を上げた場合は、当然のことながらその子に基本的指導をした指導者が認められているのです。
「Jr指導者とは」
 俗に有名な指導者というと優秀な選手を集め、常に勝っている指導者を思い浮かべると思います。指導者とは優秀な選手を集めることでしょうか?それとも、その優秀な選手をつくっている方でしょうか?皆さんはどちらが指導者だと思いますか?もちろん、後者が指導者です。前者はチームのオーナーや代表・監督などと呼ばれている方で、勝ちを最重要視する勝負師を意味します。また、競技指導に趣を置く方であると思います。ジュニアの指導者に心がけていただきたいのは、与えられたジュニアに分け隔てのない指導で全員優秀な選手に育てていく指導をお願いします。また、ジュニアの指導者はそうあるべきだと思います。そのためには、基本たる指導を教えられる指導者でなければなりません。自分の教え方は基本なのだろうか?自分の打ち方は基本なのだろうか?できないことをジュニアのせいにしていないだろうか?ジュニアを選別していないだろうか?今一度確認してみてください。
「自分の指導力を知る」
 ジュニアの場合は教え子を媒体にして戦績の結果がでることは自分の指導法がダイレクトに反映されることになります。すなわち、指導者は自ら自分の指導法がどの大会まで通用するのか認識していなければなりません。負けたからジュニアのせいにしている指導者がいると思いますが大きな勘違いですし、特にベンチコーチしている場合は全てが指導者の指導そのものです。また、常勝しているチームの上辺だけの練習法を真似しても勝てるものでもありません。万一通用しない場合は自分の指導法を改めてください。「人を選ばず、己の指導法でどこまで勝たせることができるか」です。もう一つはジュニアといっても全員が同じレベルではありませんので、各レベルに沿った指導法でなければなりません。画一的に指導している方がおりますが、人はマシンではないので、工夫しながら指導してほしいと思います。
「指導力の自覚と研鑽」
 指導者は自分の指導力がどのレベルにあるのか自覚しなければなりません。自覚をして指導力がチームレベルの方は市町村レベルを、市町村レベルの方は県レベルを、県レベルの方は広域レベルを、広域レベルの方は全国レベルを目指して指導力の研鑽をすることです。それにはジュニアと同様に各大会に参加することや研修会を率先して受講することです。チームレベルの方が県レベルの指導や市町村レベルの方が全国レベルの指導ができるものではありませんし、勝てません。一匹狼で指導していても限界があります。また、県レベルの指導と自負している指導者は率先して県大会のスタッフとしてベンチコーチに入らず、大会スタッフとして任務に専念していただきたいと思います。県レベルの指導者とは県大会では選手を他の指導者に任せても勝たせることができる指導者でなければなりません。指導者は指導力の自覚と研鑽をお願いします。
「指導者に任せる」
 チームの指導者に任せておきながらその指導や成績、プレー等に不平不満をいう父母等をみかけます。とても残念でなりません。特に父母等の方でテニスをしている方であればなおさら言ってはいけません。そういう方で不平不満等を言うのであれば自分が指導者になることです。指導してみてまた指導者としての難しさや苦悩等がわかると思います。決して簡単なものではありません。本来、指導者は父母でいいと思っています。なぜなら子どもの養育監護は父母にあるのですから。それを他の指導者に任せるのであれば自分のこことして協力をお願いします。自分の子どもが成長していくうえでチーム指導者や県指導者、U-11やU-14指導者等大勢の指導者が段階的に関わってきます。父母等は協力者、支援者に徹してください。


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