バンブーロッドの取り扱いについて
一般には、バンブーロッドは、繊細で取り扱いに注意が必要だと思われていますが、実際は、基本構造が
ソリッドであることで、衝撃や傷による折れに強いものです。
ロッド表面の傷は、竹の地肌が見えるほどのものは、そのまま放置すると、水分が染み込んで竹の強度を
損ないますので、早期に発見して部分的な塗装をすれば問題有りません。
グラファイとロッドやグラスロッドでは、傷は致命的になりますが、バンブーロッドは思いの外、強いものなの
です。
基本的な使い方や、日頃の手入れを行っていれば、バンブーロッドの寿命は半永久的なのは、100年前の
レナードやペインが現在でも現役で使われていることを思えば、理解いただけると思います。
バンブーロッドの取り扱いといっても、難しく考えることはありません。
竹は自然素材ですので、曲がりなどが発生するものですが、キャスティングに影響することはありません。
熱を加える(蒸気など)ことで、ある程度は修復可能ですが、使用するにつれて曲りが起こります。
また、竹の潜在応力によっても曲りは起こりますのでご留意ください。
以下に、通常の取り扱いについて、ご案内いたしますので、ご参考にされて下さい。
@継ぎ方
フェルール付近を両手で持ち、ガイド面を合わせながら、真っ直ぐに差し込みます。
ねじりながら差し込まないで下さい。
バット側とティップ側がズレている場合は、ねじらずに、一旦抜いてからやり直して下さい。
A抜き方
右手(右利き)でティップ側のフェルールの付近を握ります。肘を心持ち曲げます。
左手は腰の辺りでグリップとストリッピングガイドの間のガイドより辺りを握り、肘を曲げて体で固定します。
この状態で、左手を一気に引き、同時に右手を伸ばして抜いて下さい。
また、周囲に障害物がないところで行って下さい。
固着して抜けないような場合や、濡れた手で滑るような場合は、無理をせずに、そのままの状態で持ち帰り
メス側のフェルールに熱湯をかけて膨張させるか、乾かしてから抜くようにして下さい。
フェルールの接続部が汚れていると、固着し易くなりますので、メス側は綿棒で、オス側はウェスなどで、釣行
前や3ヶ月に一回くらい掃除してください。
掃除はアルコールを使うか、水→乾拭きで行い、決して、サンドペーパーで磨いたり、磨き粉、コンパウンドは
使用しないで下さい。
B保管
竿袋にはフックに引っかけるために、2カ所の輪がついています。
開口部側の輪を引っかけて保存する場合は、画像のような方向で、エンドの輪を使い、逆さまにつり下げる
場合は、画像の方向の逆方向にて収納して、吊り下げて保管するか、チューブ等に入れて立てかけて保管
する場合は、事前に乾いた布で拭いてから保管して下さい。
定期的にロッドを点検して、竹の表皮が現れているような深い傷がないか、確認して下さい。
もし、そのような傷が有る場合は、油性のウレタンニスをスポットにタッチペイントしてお使いいただくか、当方
に送っていただきください。
C使用上の注意点
グラファイトやグラスロッドでも同様ですが、以下の点にご注意下さい。
a:フライを枝や底石などに引っかけてしまった場合は、ロッドを煽らず、手で取りはずしてください。
b:石や岩にぶつけたり、地面に置く場合も、傷を付けないようにしてください。
c:渓魚の取り込みに際し、ロッドを持つ手をなるべく後方に離して、ロッドが鋭角に曲がらないようにして下
さい。
d:シリコン系のフロータントが手に付着すると、滑りやすくなりますので、十分に拭き取って下さい。
e:直射日光下での長時間の保管や、車内での保管は避けて下さい。
f:使用後は、乾いた布で十分に水分を拭き取って下さい。
D補修
取り扱いに馴れている場合以外は、あまり薦められませんので、なるべく当方に依頼して下さい。
若干の曲がりではキャスティングに支障は出ません。
曲がりを直すのには、蒸気を断続的にあててやれば出来ますが、個人で行う場合は自己責任となります。
バンブーロッドはどんなに古くなっても、ブランク自体が大丈夫で有れば、何度でも再生させることが出来ま
す。
再塗装や部品の交換で新品の時の美しさを取り戻せますので、末永く使っていただけます。
E保証
事故による破損や、経年変化による劣化、破損は実費にて修理いたします。
初期不良や、ロッド自体の不具合によって破損した場合は、無償で修理、再制作を行います。
ロッドのオーナー様の情報は、当方で管理しておりますので、盗難や、売買で所有者が変わったとき等は、
当方にご連絡下さい。
ロッドのシリアル番号と、本来の所有者が違う場合で、ご連絡がない場合は、本来の所有者に確認させて
頂き、正当な理由が判明してから、補修や修理をお受けいたします。
以上、簡単に説明させていただきましたが、特別な取り扱い方法があるわけではありませんので、安心して
お使い下さい。
バンブーロッドは飾り物ではなく、道具です。
道具として、沢山の渓魚と出合うことが、Miyuki-Rodは望んでおります。