哲学の部屋-2

言葉の観察

C動物と人間

動物の記憶 : 連続的に他の記憶とつながることで意味を成す記憶は、必然的に像がぼやける運命にあります。そして当然、ぼやけた像を組み合わせると、さらに像がぼやけていきます。

(なお、平面的な記憶を組み合わせるには、非常に多くの回路を作る必要があります。)

人間の記憶 : 一方、記憶がぼやけていても、言葉と関連させることで、いとも簡単に明確な組み合わせを作ることができます。しかも言葉は、少ない量の神経興奮で再現するうえに、組み合わせに順序があるので、一度に多くの回路を作る必要がありません。よって、限られた空間で、明確なだけでなく、非常に多くの記憶を組み合わせていくことができます。

ノースのつぶやきのコーナー

一般に、人間の脳は、生命をつかさどる脳(脳幹・視床下部)、本能をつかさどる爬虫類脳(大脳辺縁系)、記憶をつかさどる動物脳(大脳)、高次の人間脳(前頭前野)に分類されています。一見してすっきり分類されているので、現在、地球上のほぼすべての人がこの分類をを受け入れています。(多分、この世でただ一人、私だけは全く違う分類をしています。・・・私には、一般の分類は、下手にピースが当てはまってしまい、正解を出せなくなったパズルのように見えているわけです・・・。)

さて、一般の分類とこのホームページの分類の違いは、すでに本編で示したので省略します。ここでは、人間脳といわれる前頭前野(脳前部)言葉の関係を付け加えたいと思います。

人造人間には、記憶を組み合わせる場所が2箇所あります。すなわち、脳深層部(大脳辺縁系)と脳前部(前頭前野)です。構造上、脳深層部はすべての記憶を組み合わせ、脳前部は主に既存の記憶を組み合わせます。

一方、「言葉」は微細な神経興奮で再現します。よって「言葉」は、すべての記憶を組み合わせる脳深層部(大脳辺縁系)の中では、末梢神経からの強い神経興奮で掻き消されてしまいます。つまり、言葉は、既存の記憶のみを組み合わせる穏やかな脳前部(前頭前野)があって初めて意味を成すことができるわけです。

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