哲学の部屋-2

言葉の扱い方

B言葉の欠点

言葉は、大局において、記憶を明確化し、人間を人間たらしめるために必要なものです。一方、細部において、人間を惑わせ進歩を妨げる元凶にもなっています。

意味の重なり : 「言葉」は記憶に明確な区分を与えますが、言葉には、意味の幅があります。よって、逆に「言葉」自身の側から見てみると、複数ある言葉と言葉の間には、意味の重なりが生じます。

この意味の重なりは、1つの言葉に複数の意味がある原因でもあり、1つの状態を複数の言葉で言い表せる原因でもあります。

理系の言葉 : 意味の重なりは、せっかく明確になった記憶を、漠然なものに戻してしまい、議論の混乱を招きます。そこで、特に正確さを必要とする理系の言葉は、「1つの言葉に、1つの状態」を限定して、混乱を解消します。

文系の言葉 : 定義を明確にすると、意味は正確に伝わります。しかし、理系の言葉は機械的で面白みのないものです。それに対して、文系の言葉は、逆に意味を広げます。

例えば、掛詞や駄洒落など、言葉の意味を広げることでユーモアを感じます。また、討論番組に見られるディベートは、いつでも発言者の都合の良い意味で言葉を使用します。よって、最終的に取り留めの無い内容になりますが、科学番組よりも高視聴率をとることができます。

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