哲学の部屋-1

観察の方法

A時間の観察

記憶から意識への飛躍を実感するために、次の簡単な思考実験を提案します。

ステップ1  まず、3年前の記憶を思い出してみます。

ステップ2  次に、3ヶ月前、3週間前、3日前の記憶を思い出してみます。

ステップ3  最後に、3時間前、3分前、30秒前、10秒前、5秒前、4秒前、3秒前、2秒前、1秒前の記憶を思い出してみます。


記憶は、昔のものほど思い出しにくいものですが、逆に新しすぎても思い出すことができません。(例えば、3秒前の記憶は、思い出すだけで3秒たってしまいます。)そこで、記憶を、次の2つに分類してみます。


過去の記憶 : 通常の記憶。 <変化の少ない記憶。>

現在の記憶 : 思い出すことのできない0〜3秒間程度の記憶。 <絶えず変化する記憶。> (意識、認識、意思・・・など。)

ノースのつぶやきのコーナー

自分自身がわからなくなってしまう原因のひとつは、時間を止めた状態(0秒の状態)をイメージしてしまうことだと思われます。

例えば、「鉛筆」や「消しゴム」などの物質は、時間を止めてイメージすることができます。それに対して「川」や「竜巻」などは、時間を止めて考えることができません。すなわち、時間を止めた「川」のイメージは「水たまり」で、時間を止めた「竜巻」のイメージは「空気」なので、もともとの意味が変わってしまいます。つまり、これらのイメージには、時間の流れが必要です。

一方、「意識」の場合、時間を止めたイメージは、単なる「記憶」です。つまり、意識も、時間の流れが必要なのです。だから、自分自身を考えるときに時間を止めた状態をイメージすると、うまくいかないはずです。

ただし、あまり長い時間をイメージするわけにもいかないので、0〜3秒間くらいをイメージすると、自分自身がわかってくると思われます。

ちなみに、新しく組み合った「現在の記憶」が、次々に「過去の記憶」になっていく様子は・・・

・・・こんな感じでしょうか・・・(2007.07.26追記)。

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