Z 脳内構造の解釈-1
C特殊な画面
人造人間は、特殊なニューロン群(特殊な画面)が5つ設定されています。体内環境調整画面、脳内環境調整画面、余計な回路の受信画面、消えない回路の形成画面、抑制の回路です。それぞれに、実際の人間の構造を当てはめて見ます。
体内環境調整画面 : 視床下部が代表として当てはめられます。一般に視床下部は、欲の脳とも言われ、脳下垂体などとともに体内のホルモンバランスを保つことが知られています。
ただし、視床下部の構造は複雑で、謎が多い部分です。そこで人造人間では単純化して、化学物質の不足に対して臓器画面を興奮させ、化学物質の過剰に対して回路の形成能を低下させる画面としました。
臓器画面 : 臓器画面は、場所の違いで心臓画面、消化器画面、下腹画面、(陰部画面)に分解しました。一方、性質の違いで交感神経画面と副交感神経画面に分解することもできます。 交感神経画面は、神経興奮の発生量が多く、神経興奮を中枢画面→筋肉画面方向へ割り振ります。 副交感神経画面は、神経興奮の発生量が少なく、神経興奮を消化器画面方向へ割り振ります。 |
脳内環境調整画面 : 脳幹が代表として当てはめられます。脳幹は、ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンを生成することが知られています。
人造人間では、「回路の形成能」、「回路の消去能」、「神経興奮の伝達能」を調整する画面としました。脳内環境調整画面は、時間でこれらを調整するだけでなく、「回路の形成能」と「回路の消去能」が高い場所を脳深層部と脳前部に形成します。
回路の形成能を高める化学物質 : ドーパミンを当てはめます。一般にドーパミンは、大脳辺縁系、大脳基底核、前頭前野に多く分布した、快感をつかさどる物質といわれています。 回路の消去能を高める化学物質 : セロトニンを当てはめます。ドーパミンと同様に、大脳辺縁系、大脳基底核、前頭前野に多く分布しています。セロトニンとドーパミンは互いに関連して生成量のバランスを取り合っているといわれています。 神経興奮の伝達能を高める化学物質 : ノルアドレナリンを当てはめます。一般に、覚醒をつかさどる物質と解釈されています。 |
余計な回路の受信画面 : ギャバ神経が当てはめられます。ギャバ神経は介在神経を通じて、脳幹からのドーパミン量を減らすことが知られています。
消えない回路の形成画面 : βーエンドルフィンを生成するシナプス前抑制ニューロンが当てはめられます。
消えない回路の形成画面は、脳深層部に位置しています。また、この特殊な画面への伝達は、身体に適切に分布した末梢画面から生じます。
消えない回路の形成能を高める化学物質 : βーエンドルフィンが代表として当てはめられます。 通常、回路の形成(ドーパミン)は、回路の消去(セロトニン)と一体です。一方、消えない回路の形成(βーエンドルフィン)は、独立していて回路の消去がないため残留します。 |
抑制の回路 : シナプス後抑制ニューロンが当てはめられます。
一般に、シナプス前抑制、後抑制のニューロンは、非常に多くの種類が知られています。多種類あることで、伝達と抑制の連続的な変化が期待できます。
断続的な変化 : 伝達 ⇔ 抑制
連続的な変化 : 強く伝達 ⇔ 少し伝達 ⇔ 少し抑制 ⇔ 強く抑制