Y 精神構造の解釈-3
@睡眠の定義
回路の形成と消去の割合は、総体的に同じでも、状況によって変動します。そこで、回路の形成の割合が多い状態を「覚醒」、回路の消去の割合が多い状態を「睡眠」と定義します。
覚醒 : 回路の形成の割合が多いと、次から次に記憶を組み合わせていきます。
睡眠 : 回路の消去の割合が多いと、記憶は組み合わされる前に消えてしまうから、その間の記憶は抜け落ちます。(つまり、睡眠に入ってから覚醒するまでの間の記憶はありません。)
睡眠の必要性 :
回路の形成と消去の割合が常に同じ場合、次から次に組み合わされる記憶は、直ちに消滅していくので忘れっぽいシステムになります。
そこで、回路の形成の割合を多くしたいと思います。ただし、回路量は一定でなければならなりません。そこで、昼間に回路の形成を多くして、夜間に回路の消去を多くすれば、収支があう合理的なシステムになるはずです。
ところが、回路の消去が多いと、記憶が抜け落ちた無防備な状態ができてしまいます。つまり「睡眠」は、安全性を犠牲にして記憶力を高めるシステムなのです。
「こんなイメージで・・・」のコーナー 草食動物の睡眠時間は非常に短かく、数10分程度です。いつでも機敏に動けるので安全性は高いですが、記憶力は弱くなります。しかし、草食動物は「逃避」という、でたらめな記憶があれば良いので、このシステムが最適だといえます。 一方、肉食動物の睡眠時間は10時間以上とも言われます。獲物を追う記憶が必要だと考えられます。 |
それに対して、人間の睡眠時間は、7時間程度。肉食動物のほうが睡眠時間が長いのは、エネルギーの消費を抑えるための回路の消去も停止した眠りを設定することで説明付けます。(ちなみに、エネルギー消費を抑えるための眠りは、冬眠などにも適応できます。) |