認知の部屋-2

行動の基本パターン

B斥力と引力

情報源と意志の関係をイメージしてみます。

ここまでのところ、情報源に対する斥力引力の解釈は・・・

斥力 : 近づくことで、神経興奮の密度が上昇する情報源に対する行動。

引力 : 近づくことで、上昇した神経興奮の密度が低下する情報源に対する行動。

・・・です。

「斥力」は、解釈が簡単で、神経興奮の密度の上昇によるでたらめな運動で再現できます。一方、「引力」は少し複雑で、神経興奮の密度の上昇低下の組み合わせが必要です。例えば、空腹時(神経興奮の密度上昇)の食事(神経興奮の密度低下)は、引力を生じます。

ただし、情報源は近づくほど刺激が強くなるので、引力の解釈はさらに困難です。 たとえば・・・

<「赤ちゃんの産声」が引力になる理由>
 : 出産時に発生するオキシトシンは、神経興奮の伝達量を減少させ、出産時の苦痛を取り去り、回路の形成能にゆとりを与えます。

 : 一方、記憶には、「回路の形成能」と「刺激(神経興奮の伝達)」が必要です。よって、オキシトシンで回路の形成能にゆとりのできた母親の脳内で、赤ちゃんの産声(刺激)は、オキシトシンを生産するニューロンの興奮と結びついて記憶になります。(オキシトシンが生産されていない状態では、記憶になりません。)

 : いったん記憶が生じると、産声(刺激)が強いほど、オキシトシンが生産されます。よって、母親は、赤ちゃん(情報源)に引き寄せられていきます

 : なお、オキシトシンは、母乳を生成するため、乳房が張って情報源になります。そして、「赤ちゃん」と「乳房」を同じ位置に持っていくことで、情報と情報の融合により、刺激はさらに強くなります。

 : そして、乳首を吸われることで、さらに強い刺激が生じ → オキシトシンを多量に生じ → 母親に「快感」と「母乳」を生じます。(オキシトシンが発生していない状態で乳首を吸われると、女性でも、ものすごーく痛いので気をつけましょう!)

 : やがて、授乳が必要なくなると記憶は消えて、オキシトシンは発生しなくなり振り出しに戻ります。(なお、オキシトシンが発生していれば、いつでも記憶は復活できます。)

(ちなみに、「産声は、息を吸うためにある・・・」というのは、その場しのぎの解釈のように思われます。息を吸うのに、声は不要です。ちゃんと、「産声」が必要な理由があります。・・・ただ、どちらを支持するかは、ひとそれぞれ・・・。)

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