氷河期が終わった?
この時は“チョンですよね”って言ったのですが、後になってもう一回考えてみると“冗談じゃない、そんな馬鹿な”に変わったんです。この前は氷と海水温度だけを考えて2×1025ジュールの熱量を引っ張り出したんですが、“数万年に渡って地球の温度が低かった”と言われると、本当に冗談じゃないになります。
地球の温度とは大気の温度のことを言っているのでしょうが、大気が冷えれば海水も冷えるし、地表も冷えます。熱伝導の速度が関係しますが、数万年の単位だと地下も冷えて、マントルの温度も下がり、コアの温度も下がります。結局この球体の地球全てが相対的に10度低い状態になるんです。
約14億(km)3の海水が10度冷えるのには6×1025ジュールの熱の放出が必要ですし、大雑把ですが海水も含めたこの球体の地球が10度冷えるには2×1028ジュールの値が出てきます。
1万2千年前に氷河期が終わったとの見解ですが、2×1028ジュールの、氷河期に放出された熱エネルギーを取り戻すのにどれくらいの時間がかかると思われますか。地球の熱エネルギーの供給源は太陽しかありませんし、ここからは年に4×1024ジュールのエネルギーしか来ていません。
太陽表面から放出されるエネルギーは太陽からの距離の二乗の反比例した値で宇宙空間に分布していて、その途中にある地球の表面のエネルギー密度(まあ熱=温度ですね)はこの値によって決まります。そして、地球は太陽からのエネルギーを昼間部分で受領して、夜の部分で放出することで熱バランスが取れています。
大気の上層部に例えば高域フィルターの様なものがうまく出来て、数パーセントの蓄積増(受領−放出>0)のからくりが出来たとしても数十万年はかかります。
そんなに簡単に“氷河期が終わった”などとは言えないのです。一体全体どんな調査結果から“地球の温度は10度も低かった”との結論が出たんでしょうね。理解に苦しみますよ。まあこの頃世間を騒がしている地球温暖化の見解も同じ様な話だとは思いますが。・・・・・・
13.7億立方kmの海水が10度暖かくなるのに必要なエネルギーはこの値です。
13.7億km3×4.2J/(cc・dig)×10dig=1.37×109×1015×4.2×10=5.8×1025 ジュール
球体の地球が10度暖かくなるのに必要なエネルギーは大雑把な値にはなります。地球は9割強が鉄、酸素、珪素、マグネシウムの順で組成されていて、これらの比熱の数字も分かってはいますが、圧力と比熱との相関データは見つけられませんでした。まあ水の1/10の0.4J/g・dig(鉄の比熱値)で大体合っているとは思いますので、この数字を使って以下の値です。
6.0×1024kg(地球の質量)×0.4J/g・dig×10dig=2.4×1028 ジュール
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