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「あるがままにには ほど遠く」

「譜面の中で風が吹く」
「癒されたい車」
「飲み屋」
「拍手」
「平屋の思い出 空が広い」
「大雪の太陽」
「旅情」
「迷念」
「分かれ道」
「水花火」
「ここの すごし方」
「救って 落とし物」
「ジャスト日」
「母への想いってこと ?」
「のんびりスポット」
「詩集」
「今日のめざまし」
「墓石」
「私は風」
「あなたは狩人」
「なんちゃって」
「僕があめ玉だったら」
「残したかった思いで会館」
「サイモン&ガーファンクル」
「西陽力」
「新品ぴかぴかのトラック」
「ゴミ袋GO」

「あるがままにには ほど遠く」

落ちてるとゴミ?

気にならないですけど

とても似合うところに落ちてて
踏んでも壊れるモノじゃなく

静か

あるがまま

このまま なにもしないでいても
いつまで ここにあるのか
やがては知りたくなるかも

今日の日付ぐらいは 書いとこうか

風の吹く前に

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「譜面の中で風が吹く」

落ちてると なんていうの

気にならないですけど

とても似合うところに落ちてて
ふっても壊れるモノじゃなく

静か

あるがまま

スリーフィンガーが出来なくっても

風は吹くと
教えてくれた

端っこに
今日の日付ぐらいは 書いとこうか


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「癒されたい車」

車の駐車場にするのに いい場所を探して
見つけたのが水道管やダクト管が
露出するビルの地下

何かあったら
その管が車とつながれ
助けてくれそう

気のせい?
そう  気のせいでいい

癒される所
見つけた

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「飲み屋」

はだか電球が作りだす
飲み屋の中の光と影

暗い席から明るい席へ声がする

蚊帳の中からの
楽しさ一杯の日の声

マスターが
つるされた灯りの傘に
頭をぶつけて

灯りが
ゆらゆら ゆらゆら

今日一番のサービス

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「拍手」

上着がみしみしと
音をたてる程の寒さの中

階段があると のぼりたくなる
ペンギンがいる

ペンギン歩きじゃなかったら
どれだけ転ぶのか分からないのに

廃校の暗い階段でも
のぼってゆく

極寒の地に
新しい一歩

なにかに
拍手をしたい人たちが
集まるに違いない

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「平屋の思い出 空が広い」

ドンドン降り積もろうにも
たまに見上げる人がいるので注意

いえいえ
まだある あの古い料亭をみつめてます
その画像名を
メンソレータムとつけます

なので冷えた荒れたくちびるで
ドンドン降っていただいちゃって
いいですよ

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「大雪の太陽」

車のライトが
昼なのにやってくる

どんな暗闇からやってきたのか
きのう あられた太陽より目立ってる

まだ使命感のよう

後は僕にまかせてと
真っ暗な洞窟を
綺麗な布やランプで飾ったのに

その間をコウモリは
自分の寝床まで器用に
すり抜けてゆく

雪の日の太陽の素晴らしさを
伝えたかったのに

コウモリは寝入り

外は大雪

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「旅情」

鉄路に添っていつまでも車で走る

いつでも旅に出かけれそうな 想いが約束された

どこまでも
どこえでも

やがて鉄路と道が
離れてゆくのがみえ

旅の終着に選んだ沿線に 住み着いた
人たちの笑顔が おいでという

もどるからには 次の旅を描かないと
心が はしゃげない それが旅の土産と

いつもの道を
1本裏に入っただけなのに

すでに旅人

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「迷念」

垂れた ほおずきの加減が気になり
今 かすかにゆれたようにも思え

仏壇の鐘を打ち損じる

おばあちゃん
ごめんなさ〜い

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「分かれ道」

ぼた雪 落ちてくだけ散っては
離ればなれでとける
その日のアスファルトの冷たさ

温かいアスファルトでは
くだけ散ることなく
ぼた雪は 落ちてそのままに
とけてゆくさ

別れにも
分かれ道

通りすぎ
ふり返る人など
いやしない

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「水花火」

屋根をすべり落ちる雨のしずく
屋根の端から放たれる時に吹く風は
太陽の光さえも丸く小粒にし
豊漁の海のように
ピチピチと飛び跳ねる

そんな舟を漕ぐ今日の始まりの姿を見た?

いやいや 今日のしずくは意外

暖かい冬の 雪解け水花火

今日の終わりに

見ましたので

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「ここの すごし方」

ここでの生活は気に入った
あとは雨の日がどうなんだろう
それでも素敵だったら
大声で よろしく〜と
さけびたい

でももう少しまって
ここはタイヤにペンキ を塗って出来た世界

絵本とは いえない
大人が意味を求めたがりそうな 色彩に堕ちそう

授業が終った小学生たちに
遊び方を教わってからでも 遅くはないかも

あの頃も確か遊ぶ前に
その遊び方を なにかで 知ってた気がするんです

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「救って 落とし物」

冬の落とし物が春の雪解けで現れる
その姿が哀れだと みんなが知ってる

雪から見える姿が
手裏剣のようで忍者の落とし物でしょうか

僕は想像だけの通りすぎ人ですが

まだ 笑えてる季節

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「ジャスト日」

今日は紅茶をいれるのはスプーンに1杯にしよう
2杯いれてたころより考えがあるに違いない

チョコがたっぷりで重たいチョコパン
想定外

今日変えた自転車のスパクタイヤ
起きてみたら外はテカテカ路面で
素晴らしい判断

ペットボトルでカンパイ

明日からはいつもの
僕にもどっていいよと

〆にフタを
反対の手でしめる

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「母への想いってこと ?」

大きくなった金魚君に喜んでもらえるだろうと
もっと大きな金魚鉢
それも金魚の形をした
金魚鉢にしてあげたら

僕のお母さんは
こんなに太ってないと思うよ
といわれた

これって喜んでるってこと?

僕の知らないこと

飼育日記に嘘は書けないけど
今日のタイトルにだけでも
喜ばれたと書いておこう

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「のんびりスポット」

ひなびた温泉街というには
ちとおよばないけれど

そこの頭越しにある
小さな家の流しの窓から
見える景色は温泉街そのもの

毎日その雰囲気を楽しめてる

ゆかた売りの僕らの足音まで聞こえるらしいと
ご近所の噂

それでなのか

今日も心なしか
隣の赤信号までが
のんびりしてる

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「詩集」

詩集のページに
指を一本はさんで閉じる

もう一本こじ入れる

もう一本

また開いてしまうまで続ける

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「今日のめざまし」

今日は祭日で昼からライブがある
何時に起きるんだったっけ

10800円で目がさめた

そう 10800円と八百屋さんに言われて
目ざましが鳴った

けして大きくはないわが家なのでナスで
わが家を囲むのに使うナスの量は10800円で買えるらしい
それも横じゃなく立ててですよ
たくさん買わなきゃと思うけどね

ふーん

今日は何時に起きたの?

10800円どき かな

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「墓石」

子供の頃に好きだったものを
墓石の形にしたいお爺ちゃん

まぎらわしいよと

みんなから反対にあう 笑

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「私は風」

並木道 葉を落とした木々は
西陽をさえぎらないと言ってくれた約束の姿?

ワンコーラスの終り

これからくる冬の長さの必要はどんな言葉で?

毎年違う言葉で伝えたいとは思うらしいけれど

葉のない景色では
物語も育たないまま

この景色の奥深いところからでさえ憧れる
ずーっと向こうの景色まで飛んでゆく

私は風

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「あなたは狩人」

ちょっと転んだだけなのに
体は土の中に沈みこみ
片足だけが土から見え
天高く のびる

生き物ではない
命を宿さない物を狩るポーズ

そんな土の中でも照明は必要

なにを照らして欲しいの?
間違わないで
ここは高層ビルの最上階
窓の外で垂れ下がる明かり

大丈夫  あなたは素敵な狩人です

安らぎに
素敵なシャンデリアをプレゼント

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「なんちゃって」

お金持ちは灰皿が満タンに成ると
車を買い換えるという

では

僕は枯葉が自転車のかごに
一枚落ちてきたら
自転車を買いかえよう

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「僕があめ玉だったら」

もらわれた あめ玉が忘れられ
包まれたビニール袋も曇り
あめ玉は熟しきり
心はパンパン
でも誰にも探してももらえない

もっと大きなあめ玉だったらと
思ってみても見た目は変わらず
今日もCD棚の後で一人

やがて朽ちて破れたビニール袋から飛び出し!

その日の気分で身軽に
好きなCDの後ろを寝ぐらにする

その時は 探さないで♪

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「残したかった思いで会館」

セメント塀に貝殻を埋め込み
昔この辺は海だったんだよ
若い化石ですが

裏から見ると
文化保護して欲しいほどの
思い出の海風が吹く

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「サイモン&ガーファンクル」

サイモンとガーファンクルがいなくなったら
あの曲たちはどこにいくんだろう

教会に入る陽射し
コンドルが飛ぶ

サイレンス

実はみんな僕が作ったのさ
君にあげたくってという人たちが あらわれ

ミスティの歌詞だって
彼らが作ったといっても信じるでしょう?

ほら 違うんだから
いいじゃんと

そーっと
ポケットにしまうでしょう

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「西陽力」

西陽のあたる部屋の日射しは
悲しい波長を呼ぶ?
二度寝の妖しさが花開く?
まどろむ夢?

西向きの玄関先の古びた木に掛けた
お気に入りの苗字の表札を残す優しさながら
その真上からぼっきりと朽ちて無い

いつから?

西陽の仕業なら

これから何度でも見る夢

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「新品ぴかぴかのトラック」

新品ぴかぴかのトラックは
僕のオモチャみたい

公園の砂場の砂が少ないの
もっと持ってきて欲しいな

でも運転手のおじさん
トラックは よごさない方がいいよ

お家に帰ったら
お母さんにおこられるかもよ

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「ゴミ袋GO」

柵の色が素敵なうちに
訪れていい町ゴーストタウン

にもアリはいて

枯れ枝が からまり 屋根のよう
その上に雪が
そこから入る陽射しが うらやましいほどに やわらかい

アリで よかったと 思ってる?

ここに吹きだまるゴミ袋を
ゴミ袋に入れにくる僕だけでも

招待してほしい

春まで

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