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今日はすべる雪道
優しい鉄骨だった
練習後の野球少年たち
並木は呑気
マラソン・オフ・シーズン突入
軒下を のぞいてみると
まだ雪待ちになれず
今日の弘前 ウソ
未知なる拾い物
秋空にとどけ
パソコン
暗くなった公園から帰る

ドングリはどこ
春までの道
イメージ 秋
紅葉待ち
向かいからの散歩道
おばちゃんの魔法
舞う
無言な旅
私は私
昔からの雨上がり
思い出
空を飛びたいバス
待ってみる
今どきの公園
夕焼け色の闇

「今日はすべる雪道」

うす氷の下にみえる 枯葉が言うには

こんな日はネ〜

中学生の頃に お気に入りの服を着た日の
みんなのパワーが
それぞれの匂いに姿を変えて
小路を漂うのさ

昆布巻きでも買ってってよ
段ボールでできてるから軽いよ
そこを曲がって行きなさいな
段ボールの小路

見上げると空にも
似たような 道がみえるって?

ダメダメ
あちらは本物

今日はすべるらしいよ

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「優しい鉄骨だった」

鉄骨だけになっても町内の景観を保ってくれてた 建物のしかばねが
人知れず解体されて 朝にはもぬけの殻

なぜなんだ 
僕は真っ先に知らなきゃと おまわりさんがひとり・ふたり・もうひとり
最後には何人ものおまわりさんが集まり 自分たちの交通整理

その様子をみたら
信号機になって もどってきてくれそうな

優しい鉄骨だったのに

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「練習後の野球少年たち」

野球ボールを枯葉で包んで
花火球の出来上がり

いくよー

 危ない 花火なんだから
  こっちに投げないで
  上に投げて

じゃ 上にいくよ

  あーすぐ落ちてくるよー

逃げろー
  逃げろー

君たち早く帰りなさい

ハーイ
ハーイ

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「並木は呑気」

この季節
人の通らない桜並木は寒く

新聞紙が落ちてる
暖をとった癖がついて

かさこそ かさこそと
枯葉?新聞紙のすれる音?

極寒風

次春はなんにでもなれそうと
思える今が好きな季節と
まどろむ並木も

時に押し流される

そんな音かもしれない

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「マラソン・オフ・シーズン突入」

レールがないのに
家の中を走れてる

川を走りたかったら台所の上
お母さんにぶつかるかもしれないので気をつける箇所

坂を走りたかったら二階へ行ったりきたり

休むのはカーテンの内側

カーテンにまもられながら外を見れると
思い出すことばかり

マラソン・シーズンが終わり寂しんですと神様にいったら
家の中を走れる小さな電車にしてくれた。

春には外を走ってみたくなる
気が芽生えるようにって

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「軒下を のぞいてみると」

お家の中に水がはる
小石や適度な岩なども

これでやっと湖といえる

家も橋と思えるほど朽ちてゆく

おまわりさん
交通整理を よろしく

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「まだ雪待ちになれず」

雪が積もる前の草の背丈が気になる
から始まったらしい

イモはこんな寒い雨の日に運んじゃいかん
いやいやこんな日こそ洗われていいんじゃよ

そんなおじいちゃんたちの会話は

底のない袋にせっせと落葉を詰めるようなもの

その心は?

雪までの この短い日々を

何度も 楽しみたい!

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「今日の弘前」ウソ

マフラーを改造して
爆音を鳴らし走る軽トラック

音だけが先に行ってしまい
荷台のはしごも我先にと天に向かう

この村にはないはずの信号があってそこでは
少しの冷静

青ですぐ曲がり角
真っすぐとは少しあんばいが違うけれど
がんばる爆音と はしご

それに負けまいと軽トラックもがんばるけれど

なかなかスピードが上がらない

めざせ リンゴ畑〜

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「未知なる拾い物」

拾い物をした後の信号はいつも赤
恥ずかしい

白黒映画ならこの壁の色に 染まってしまいたい

深いみどりに 真っ赤な十字では?
なにか人のために なることをしたくなる

建物の外壁も
やがては大工さんだけではなく
織物師や染め物師も 活躍するようになりますよ
と大工さんに耳打ちをして

青信号を逃げる

未知なる はがれ落ちた拾い物を にぎりしめ

さわやかに〜

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「秋空にとどけ」

足もとに1本の美しい花が秋空にとどけと咲く

その姿に わたくしの屋敷に切りとるつもりはなく

矢は持たず 弓しか持ちあわせていない

すてきです

弓をもつわたくしの立ち姿が

花に向かい
枯葉舞う

とても絵になる

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「パソコン」

少し疲れたなと パソコン画面を寝かせ
オーダーメイドの 画面いっぱいの四角い石を
その上に置いてみる

僕は なにかを押さえ込んでる?

でも傷つけまいと 新聞紙で石を包む

さらにその石の上に そーっと両手もそえる

それは 優しさ?

それででさえ
なにかを感じたがってる?

電源を切れない

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「暗くなった公園から帰る」

僕が止まると 夜の明かりも止まる

電信柱たちなんかとても 分りやすい
同じ高さに もどる

さっきまで 違ってたじゃん

首を右に少し・・・ 見えない

首を左に・・・
おやこの明かりが 水溜まりに映ります

曲がると
はるか向こうに信号が ありますけど
真っ暗な中 歩いてます

霧が生まれたら
手を後ろに組んで ゆっくり歩くのに

独りでだけど そうするだろうに

祭りの公園の夜では ありません

ここまで離れると
どちらの日でも 同じでしょうが
静か

その垣根をくぐってごらんなさい
また振りだしに もどれますヨ

公園ってそう

電信柱がまた 不揃いに
踊ってるかも

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「輪」

池に落ちる雨の作る輪と

池の上を歩く僕から
できる輪と

空からつるされた僕はとても
姿勢が良い

つんつん つんつん

踊れる人のよう

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「ドングリはどこ」

踏み散らかしたドングリを 山道でみつけても無理

拾えない

街路の上に おいしそうなドングリ

こんな季節でも
気温が高いと アスファルトに白線だまり

それがコンビニの 小さな袋に見え
確かに風に揺れる

ドングリを入れていいんだって

間違ってるなら

山から笛が鳴るしね

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「春までの道」

朝日が蛍光灯の傘に反射してライトが明るすぎる
って言い訳が 元

風邪引きさんをよけた道えらび 散歩

稲刈り後の根元だけの軽さが好きで
周りを囲んで観覧植物とする道

花壇にきれいに半分だけ花を生けて
後の半分は土を楽しんで も

癒される?

そんな軽い道より

風が吹いても 春まで飛ばされない
密な道に乗りたい

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イメージ 秋」

床のタイルに付いたゴミを見つめてると
だんだんとゴミが浮いてきて
タイルは谷底に沈んでゆく

僕はどちらにつくべきか

今年もくる いわし雲と透き通った青空も
そうだったね

その間を通れたなら

僕は横顔

そう

イメージ

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「紅葉待ち」

屋根じゃないよ

張り替えたばかりの
私の新しい帽子

恥ずかしいから
森よにぎやかにしておくれ

早くいろいろな色の紅葉で
屋根のような帽子を飾っておくれ

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「向かいからの散歩道」

霧雨の中を赤子を傘もささずに 抱っこして歩くおじいさん
泣きながらそのうしろを ベビーカーを押してついて 行くお嬢さん

その道筋

古びたレンガ造りの倉庫の壁には
一輪の花の金細工

錆びたその一輪が一瞬光り

そのつど

光の中から道が
いくえにも生まれる

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「おばちゃんの魔法」

この坂は登れない

いつもここ 坂の下でアイスクリームを売るおばちゃん

リヤカーは青く塗り
それが素敵な青
屋根は白い
カップはモナカ
アイスはほのかに黄色い

おばちゃんも僕も背が小さいので
アイスの入った鍋の中からどれだけアイスが出るのか見えなくって

とても魔法だった

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「舞う」

石の像に羽衣の羽

迷いもなく
自由もなく
希望もなく

舞い上がれずも踊る

せめて色は なに色

美しい

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「無言な旅」

ベッセナ キャリーナ
嘘はやめて♪

椅子に座るときはリュックはおろして

どこから来るの

今日も一日中日の当たる窓に明かりが十分

ベッセナ キャリーナ
嘘はやめて♪

それはツー ファイブ ワン
静寂へと帰る夢

覚めたなら
リュックは目の前

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「私は私」

目覚ましたちの中で
大物は最後に雄叫びをアゲル

車のエンジンをとめた時の ラジオの続きが
今日エンジンをつけると 始まる

絶好調

市電のレールの上に 迷いこんでしまって
いつまでたっても 地下街に行けない

こんな天気の良い日には 傘をさして地下街を歩けば
からすには狙われない だろうと思う

絶好調

そんな人たちが集まり

私は私DADA

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「昔からの雨上がり」

走ったり 歩いたり 走ったり
登下校をする少年にも足をとめさせてたところ

昔ブランコだったところは
今では大きな観覧車が

そういう場所なんですね

雨上がりの水溜まりに映ってた小さなブランコ

こんなに大きな観覧車でさえ映る
こんなに小さな水溜まり

昔からの雨上がり

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「思い出」

確かなんですよ
あちらからお呼びしますのでお待ちください

この道を行くと近道
でも たどり着けない

ではとなり町から入ってみましょう
こちらからも行けない

みんなにお知らせしたいのに 少し寒い

みんなの集まるところは知ってるので
そこに戻り 体を温めて
また出かけようと思います

それでも
無理でしょう

寒さではなく
お揃いのみんなの白い服が はね返してしまうから
分かってもらえないと震える

たどり着けない思い出では お見せできもせず

時間だけが消去法で

ZEROに向かう

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「空を飛びたいバス」

小樽に空を飛びたいバスがいる
高速道路の高さが好き

もっと もっと高いところをと

高速道路の停留所で
遠くの港の空を見ながら飛べたならとタメ息をつく人を
乗せるのが好き

その後ろ姿に優しいクラクションで誘う

休憩で高速道路を降りるなら
空港へ

そう決めてる
らしい

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「待ってみる」

青空を見たくって
たくさん作った僕の部屋の窓が下から上に向かい
日ごとに消えてゆく

窓がなくなり

次には見上げた天井が真ん中に向かい日ごとに小さくなってゆき
脇からは青空がどんどん広がるのに

今の僕は その小さくなり ハッキリとしてゆく
天井ばかり見てる

神さま
僕になにを 伝えたいのでしょうか



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「今どきの公園」

稲荷神社にヒントを得た公園は

東から来ると突き当たりにあり

土をふんだんに使い

木立からは雀の涙か滴が

朝だと分かる

座るのに使った敷物は是非忘れてってほしいと
おふれがあり

東から昇る日を背に浴びて
赤い鳥居のようなモノまであり
幾重にもくぐる

そのありがたがさを人様にさとられないようにと

足をとめるための
水のみ場まである

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「夕焼け色の闇」

雨に濡れた樹皮の手触りは
待ち人は来ないよと語る

夕暮れ時のまだ温かさの残る
電柱の手触り

目をつぶってたはずが
目を開けても気づかない

あなたは時を越え
フォークのステージで感激の涙を見せ
歌ってくれた方ですね

あの時 僕はこのポーズで聞いてました

夕焼け色が
つつむ闇

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