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裸足です
暗くなってきた
「海辺
海の家の後姿
眠れそう
うちのじっちゃん
旅さき
日常 地味に
いつかの日
夕日のお弁当
中小路フェチ
西陽の裏返し
花火を待つ公園
暇人
七夕には歯医者
歯医者までの散歩道
がんばれ ほれって?
むかしの僕
野菜畑から来ました
故郷便
しあわせ
夏のクリスマス

「裸足です」

茶色の玄関の前に立ってる
日が当たると青くなる玄関でも
やはり立ってる

太陽まかせのまぶしさの日は
こんな迷いのない顔になるもの

裸足です

漁り火のない海では
民家に灯る明かりがあちらこちらでキラキラと
強弱をしらない

その見ごろな場所を知ってます

今 暗い沖で

私はひざを抱え

裸足です

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「暗くなってきた」

夕方近く
僕の影が伸びて
足が長くなり
うれしい

でも手はそのままなので
忘れた物を拾えない
空高く手を上げる事も出来ない
胸元で恥ずかしそうに手を振っても気づいてもらえない

いつものまま

虫取アミを持つ事はできると思う
スーっと癖のなく伸びる棒の影の
長さがお得感
仁王立ち感

試したいけど
日が沈み

今いるべき場所を
思い描かなければ

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「海辺」

麦わら帽子に
なにがとまる?

歩調は決めてないのですが

海にたどり着きそうで
近くなると曲がりくねり
また離れてしまい
海へはたどり着けない小路

寄せては返す波の底の日の
次の朝

残る跡が すべて

芸術

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「海の家の後姿」

いろんな色のキャベツだ

「違いますよ
いろんな色の花なんですよ」

あんなに大きくって?

「そう こんな果てまでくると
あることなんですよ」

八百屋なので持帰りは当たり前なのに
持ち帰り用の小窓の付いた店構えが自慢なので
そんな花をご用意いする

ガタンゴトン ガタンゴトン
列車の運転手さんも眠くなるころ
僕はお先に夢の中

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眠れそう」

はずされても割れない自信のある
ガラス屋さんは
入り口にバスケットのゴールポールを建てる

となりの公園では
忘れられたボールが
1つ2つと増えて3個も
チョット多すぎな日で

時が進まず

ぐっすり眠れそう

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うちのじっちゃん」

畑の四隅に水車を作ってはタイヤの出来上がり
これでどこにでも行ける畑が出来たって? じっちゃん!

トイレの中に
粋な小物置を置いてくれても
ローマ時代に発掘され貴重などこにいったか世界中の収集家が探してる石像が置いてあっても
トイレットペーパーの置き台にしか見えないヨ じっちゃん!

この丘は空から谷に向かう風が吹くところと 沿うように下り坂を造ったって
頭上を舞う風の日には

空を飛ぶ じっちゃん

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「旅さき」

ここは
旅行用キャーリーバックの
ローラー音の口マネをする人の
少ない町

楽しそうな旅行者の音は
素敵?
元気のない旅行者の音は?

分かっては
ツラくなるからなのかもね

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「日常 地味に」

肉屋さんのとなりは
印鑑屋さんで
そのとなりが切手売り
やはりだめでしたか
三件とも一緒に?
真向かいにふるさと食堂があれば違ってたかもね
そこを曲がったところに
温泉が出来たんだけど
それってどう?

そんな町に枯れてからまり
西部劇のように風にはこばれる
ツタのように
コンビニの袋が転がる

その袋ください
その小ささが
流しの三角にいいんです

ヒュ〜
風が吹く

まだまだこの町

住めそう

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「いつかの日」

使われなくなった古い看板が
疲れたように新しい看板にもたれかかる

使われなくなった古い看板が
何を思ったか新しい看板の後ろに隠れる

使われなくなった古い看板が
性能が良いのか
新しい看板の静けさに

気持ちよげに
寝息をたてる

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「夕日のお弁当」

ハンカチに包んだおにぎり一個
自転車のかごからおちて
コロコロ

カラスさんにあげてもいいけど

でもやはりあたしが食べておきたい

そう思うほどに
夕日は まだまだ
つづく

カラスさん
歌が出来ましたよ

明日にでもどうぞ

好きな傘だけに雨をあげるわけじゃないから♪

傘は開いて売ってて欲しい♪

イエイ イエイ♪

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「中小路フェチ」

あらここは通った中小路だったかなと思っても
もどりなおしてはいけない
更なる発見があるかもしれない

市電通りに出たら
中小路には中小路の言い分があるだろうが
あちらが優先だからゆずるように

女性が歩いてたら
横をとても開けて通りすぎるように

同じ時間に通るとはかぎらないので
日当 り日影のコース取りにも
こだわりを



1人ぼっち

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西陽の裏返し」

西陽の逆光がガラス越しにまぶしい

このキラキラした光のむこうは

ヘビの光るウロコの裏返しの世界

そう思ってしまったら

犬の散歩のおばさんが立ちどまり
かがんだだけで

おーそこにもヘビがいましたか

と声をかけてしまいそう

お肉屋さんの前を通るのも勇気がいるし

西陽を浴びた後は
出かけたくはない

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「花火を待つ公園」

搬送される方を待つ救急車の横では
幸せそうな結婚式カップルが記念写真

うーん
もうちょっと
放してあげた方がいいかも

足首がかゆいときは
反対の足首でかけばいい

そう誰でも持ってる
ゴッドハンド

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「暇人」

アリさんに
落とし穴

暇人

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「七夕には歯医者」

隣り合わせの2軒とも 引っ越してしまい
土がむき出しになった空き地

微妙に隣と段差がある

そんなことは分からずに いたのかいアリさんたち

今日は雨の七夕
降る雨が段差を隠してくれるし

歯医者が向こう岸から
手招き

雨の日なのに

おとぎ話とは違う

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「歯医者までの散歩道」

サーカス小屋か
家を建てる工事中か
区別のつかないところを探しては

ここは前は
かやをつったことのあるお家だったんでしょうか

と聞いて歩こう

そして7月7日には歯医者に着く

七夕に歯医者

なんか おかしい

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「がんばれ ほれって?」

張りぼてだらけの
凸凹のアスファルト道
好きだな
このがんばり

緑の中に緑の屋根のお家
景色も景色で
がんばってるんだな

暇な日の市電通り

僕もがんばろう?!

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「むかしの僕」

スプライト

ウ〜ン

沖縄

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「野菜畑から来ました」

私は新鮮なキャベツにつく青虫

売り値シールがキャベツにつくけれど仲間?

次々値段が張り変わるので
仲間になる間がない

もう私のいれないキャベツ

「畑では虹が真上に出たら
虹色の影がかかるんだよ」と

教えてあげたかったのに

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「故郷便」

ゴミ箱の中の

捨てられ
ねじれ
干からびた
リンゴの皮たちの間から

鉄道のレールが
方角良く

真っ直ぐにのびてゆく

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「しあわせ」

森はあそこで終わってるのに

屋根の上に

おおいかぶさる枝

雨の日にはしずく

雪の日にはくずれ落ちる雪

聞こえる

みんな しあわせ

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「夏のクリスマス」

むにゅるむにゅる
ワンワン

らるらるらるらるらー
ワンワン

わんだふりるららー♪
ワンワンワンワーン♪

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