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オフシーズン
クラリネット
それた散歩道
あったかお鍋
食堂で得意気な子
双子山 初散歩
ご利やく
秋の食卓
景色のかくれんぼ
明かり
紅葉
初雪へアート
ツアーは楽しい
拍手
雪虫

夕方
家路
上手く歩けない
パンダのボール
中小路
松の親子

オルゴールの心
変な天気
龍の道
お気に入りの着きあたり

「オフシーズン」

オフシーズンな
心の前を

からすが
あちらからそっちのほうまで

飛んでゆく

窓が広い

彼は明日もがんばる

梅干しという漢字を空にむかって
書いてみる

魔法のことば

大丈夫

そんな程度の不安で

オフシーズン突入

____________________

「クラリネット」

クラリネットが田園になる

昼下がり

ビルの地下にも

風がふく

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「それた散歩道」

大正時代の天気の良い日の
散歩道だったんでしょう

匂いがまだ少し

残ってます

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「あったかお鍋」

明日雪が降りそうだ

あのバケツにお湯を入れとこう

でも違ってたみたい

こっちのどんぶりに入れてみたけど

こちらも違うみたい

そんなことをしてる間に
あの木から落ちる枯葉だけのように

ごみとして持って
かれてしまうかもしれないよ

おつな味付けは
店先に水をうってからなのさって

それは夏

じゃ明日雪が降ったら

お鍋に入れてみようか〜

____________________

「食堂で得意気な子」

得意げに一ふり
ほめられて一ふり
びっくりされて一ふり

なので

その子のうどんは唐辛子だらけ

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「双子山 初散歩」

かーかーと

からすが教えてくれる

いきどまり道

____________________

「ご利やく」

下にあったものが上にいくと

ご利やく

火のつかぬ聖火台の周りには

白樺の樹だけが集まる

なら

その上には飛行機雲

そして

その遥か上を

飛行機が飛ぶ

気持ちよさそう

ご利やく

秋空

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「秋の食卓」

箸を3本も持ってかまえるあなた

今は秋

食卓はテーブルの上だけじゃないよ

遠〜くをみてごらん

遠〜くを

____________________

「景色のかくれんぼ」

訪ねたことのある湖

なにか素敵なものが見えたんだと思う

時はたち
今では忘れないようにと

拾った手鏡に映る

でもあの日になにが見えたんだろう

手鏡に映る景色をめくってみたい

どうやって?

壁一面に伝うつたをはがすには
はさみじゃないんだよ
ヘラのようなものではがすのさ

そうすればその優しさに

風にゆれて

まぶしく

見えるはず


____________________

「明かり」

お月さまは
自分で光ってるんだよ

という子は

トイレの明かりをつけない子

暗くても

平気な子

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「紅葉」

紅葉を踏む音に負けない

すれ違う子のあいさつが

光る

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「初雪へアート」

木の根を掘り起こしては自在に操つるおじさん

その上に欠けたコーヒーカップから
吹き出る粉をうっすらと掛ける

初雪のつもり?

彼の言うには
雪虫の白へ同系色アート

初雪への憧れ

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「ツアーは楽しい」

土壁造りの蔵が建ち並ぶあちらと
小道を挟んで

こちらは木造の平屋の一軒家が建ち並ぶ

その中の小さなタイル張りの壁
おまけに銭湯のように
水道の蛇口が付いてる

そう

今日はそんなステージのあるお家

お客さんたちは
ここに着くまで
外を歯を磨きながら
歩き

ところどころにある
小さいながらの噴水の水で
うがいをする

そんな町でのライブ

マイクはいらない夜

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「拍手」
ペンでなにかを書くのと

薬をパックから
一つ一つ取り出すことが

同じ作業のような気がするのは

体調を日記に書き留めなきゃと

気づいたからかな

米粒が段ボールの上に落ちる音ほどでいいので

拍手

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「雪虫」

雪虫

ななかまどの赤に
見つめられ

雪虫

弱虫

ななかまど

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「夕方」

橋のしたの落ち葉は夕方からは
手袋に変わるんだよ

雲は夕方
空より先に

黒くなるんだ

ビニールがこの世に
現れるまえから
朝顔は有名だったけど

朝じゃなくっても
作られて

日が暮れてゆく
仲間入り

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「家路」

崩れ わずかに残る石塀

その空き地の
大きな木のそばを通ると

誰もが
今日の晩ご飯を当てたくなる

でも分からない

楽しかった日の
晩ごはんを思い出して
湯気を思い出して

そんな日に着いたような気持ちに帰る

____________________

「上手く歩けない」

廃線の上を歩こうにも
ところどころに花が咲き
向こうにいけない

キャンプ場に咲く
ステンドガラスの
黒い縁取りのよう

風のない日の電線工事を決行する
お兄さんの真似?

やはり
風の強い日は縁を
歩けないアリ

それでいいのかもね

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「パンダのボール」

雨上がりの公園に
忘れられたボール

パンダの顔が描いてあるので

なおさら
寂しそうなのが

分かる

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「中小路」

信号をさけて中小路を歩く人がふえる

人をよけない雀

折れずに生き残った箸の先は
平になり ほつれ
色のない線香花火

ほらほら

消えることがないので

中小路では
窓から捨てられる

表通りから飛んでくる松の枝は
一年中飾られる鏡餅のお家の
玄関先に吹きだまる

つき当たりにある椅子は
優しさ?

中小路でのこと

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「松の親子」

風で落ちる枝は息子です

いっつもそうです

娘はちゃっかり親の木に残る枝
実もつけます

いっつもそうなんですよ〜

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「涙」

東京に転校した子に
焼き飯

東京も大変だろうと
チャーハン



どちらも
食べ方は一緒

でも違いはあって



薄い板ほどの木漏れ日が

分ける

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「オルゴールの心」

落ち葉や落ちた小枝を
足に引っ掛けては

エリーゼのために

オルゴールのぽっちの音が

心で鳴る

急ぐ曲では
松ぼっくりは踏まないように

見間違うとこまるからね

ワッハッハッハ

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「変な天気」

グリコのおまけのように
ベットの上で

ただ ただ

今日の上に
のっかつていたかったのに

このすごい雨が

こんな日の海岸沿いで見つかるレコードのもとへ
いってごらんなさいと書いた

古レコード屋さんの手紙を
持ってきてくれたような気がして

少し脚を伸ばしてみようか

でも

最近は
とちゅうでやみそうだしね〜

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「龍の道」

あらわれた太陽の光が
まぶしくさす
雨上がりの道は

龍の背中

僕のお母さんが
あのすぎ去る黒い雲の中にいるよ

龍の住まうところ

この道がまぶしさを失うまでは

遠回りをどうぞ

片足でもてあそんでみて

欲しそうなものが
落ちてれば

あの黒い雲に向かって

両手を広げてごらん

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「お気に入りの着きあたり」

お気に入りの着きあたりから
引っ越したけれど

遠くからだけれど見えるから
良しとしよう

そこまでの道が延びただけ

とても
お得な気分

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