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冬の鈴
早くもまぶしい
冬の妖力
メリークリスマス
通勤路の変化
雪がふる
いつもの道
おとこ心
思い通りじゃない道
おばあちゃんのお家
気がみなぎる
今日の宿
このままでいいと思ってたのに
お香屋帰り
地球に輪
雪降る?
フッと現実
やがて旅人
ホステクスの手紙

夏着
癒やして
どうなることやら
舞台

冬の鈴


袋の中で鳴る破魔矢の鈴が

シャンシャン シャンシャン

僕の乗る自転車が 空を飛べれば

トナカイ

今頃クリスマスプレゼントを
とどけに来れたと

子供たちに手渡すと

お父さんのお休みの日に間に合ったので

うれしい〜

って?!


____________________

早くもまぶしい


初日の出

逆光に彼女かお母さんか分からない

アベックの後ろ姿かな 

いとおかし


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冬の妖力


池に氷が張ったころ


僕の座るところがなくなった

みんなが集まりスケートをしたり立ち話をしたりしてる

僕の座るところはどこにいったんだろう

この辺に座ってたよね

冬の妖力など考えたこともなかった

氷が育つころ

ホワイトホールから吐き出された熱風が

冷気と混ざり

煙幕となり

僕までも隠してしまう

春まで・・・らしいが


____________________

メリークリスマス


そとはシンシンとふる雪

ここは雪積もる大地の果てに たどり着いた宿か

窓のそとに広がる大地への旅立ちの一歩を 語って聞かせる宿か


メリークリスマス


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通勤路の変化


お家が無くなり

その敷地がどんどん地盤沈下

もうのぞきこまないと底が見えなくなるかも

果物の皮を残し
中をスプーンでくりぬいて
食べる家族のお家だったから

捨てるテレビでも
廃車でもいいから

放り投げてみて

何か刺激を与えないと

もっと沈んでゆくかも

ヒュ〜


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雪がふる


僕が手を伸ばしたその指先の少し先に
手を伸ばそうとする影があり

それは このふる雪なのか

どれもが同じに見えるので
話しかけたことはないけれど

こんな化身なら
話しかけてみようか

歩いても
走っても

どこまでも
ついてくるような

雪がふる


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いつもの道


下りたくはない坂なのに

押し入れからはみ出したような程度の
がけ崩れ跡の残る道

下りて向こうは上り

上りの途中でふり返ると
もどってきてしまう人が多い

頭上を行きかう高架からこちらを覗きこむ人は

決めかねて案内人の言うとおりに生きてきた人

その人の夢は

手を振り見送った人の土産話を待ってるのに
もどってこない人の数を当てること

道をとても歩いてるので
道の事が気になりだしてる

足をとめれば
突然そこが 待つ身の点

待つ身での
土産話の一つや二つは

旅から吐き出される人からは

分けてくれはしない


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おとこ心


黒いピアノの上に落ちる
枯れた薔薇の花ビラは
洋風なドレスが似合う

黒いアスファルトに散る枯れ葉の作る模様は
着物の柄のようで和風
下駄の音までが誘う

枯れそろう前の野草のわずかに残る気が
まだらな背丈の芝生の上に
まっ平らな薄氷を張る

浮いてる?

そんな不思議な鏡は

おとこ心

なにを写したい


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思い通りじゃない道

いつも行くだけに使ってた道を反対に進むと


各家の表札をちぐはぐに読んでいいらしいのはうれしいけれど

いつもみかける人には会わない

雨の降らない道のはずなのに
雨が降るし

交通事故などない町なのに
交通事故処理の様子

いつも何か入れてみたいと思ってるポストも

今日はとても小さくみえて
気がしぼむ

それほどなのに

家に着くとやはり
ほっとさせてくれる


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おばあちゃんのお家


おばあちゃんのお家はこの辺じゃなかった?

この立ち入り禁止の柵の中ですか

柵のおかげで

風に吹き飛ばされることもなく 家には入り放題の枯れ葉

想像できそうだね

あのおばあちゃんの家なら

でも町内をもう一周してみようよ

雪だるま作りも好きなおばあちゃんだからね

もうちょっと広さのあるお庭かも

お気に入りのスターと
映画の名場面を生撮りしてるかも

どこにいるの

水たまりに天から届くまぶしい光の中?

会いたい


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「気がみなぎる」


気づかないうちに 歩道の幅の半分が草地になって

そんな勢いの向かいの空き地は

どちらかのお家のあった事を 思い出せないような跡地

大きな木が端っこなのに
どしっと

周りの雑草や水たまりでさえ 自分を引き立ててくれるためにある

また自信がみなぎる

そばを通る方たちの 温かい夕御飯を食べに帰る急ぎ足

そんなことも

わざわざ回り道をしてくれてると

思えて


____________________

今日の宿


海そばの宿をすでに
とってあるので

どれだけ波が荒くっても

素敵な旅だと
海岸を散歩をする

そんな夢をみる


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このままでいいと思ってたのに


私はサンプルだったのでしょうか

机の上にいても 日記のそばにいても

今では落ち着きません

森の中の小さな草の根でさえ 見えるほどの土の割れ目に

埋めてください

防水ではないようなので やがてなにかに

再生できると思います


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「お香屋帰り」


きのうお香屋から帰るおばさんに

もう店を出たら現実なので
右左を見た方がいいですよ

と言いたかったけれど
言わなかった僕の

今日の朝だからか

いつもの景色がとても軽く感じる

今日もあの道順を通ろうか


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地球に輪


今日は虹が

あの虹がもうちょっとこっちに
またがるほど伸びてくれて

ぐる〜っとしてくれたら

地球にも土星の輪が

とてもカラフルな輪


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「雪降る?」


ご飯つぶは

乾いて色あせても 砂つぶではないので
こんなところにいちゃだめですよ

座るにはお尻が痛いけれど
横になるにはちょうどいい硬さが

心に芽生えるからなのか

雪積る前の小道

今のうちに

この感じを

憶えておきたいのかね


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「フッと現実」


拍手がない

バックミュージックが流れない

誰も見ていてくれない

ということは

今は現実ってこと?


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「やがて旅人」

いくつもの島が次々と流れ着いてくる

そして心残りそうに離れてゆく

あまりにも流れ着いては 離れて行ってしまうので

一つの島ごとに

今までの僕の思い出や 大切にしてる小物を

一つずつ しまってあげることにする

そうすると そ〜っと離れてゆく

なのに海抜が同じなのか

僕の思い出や 大切な小物では

平面なままなのです

凹凸のない世界

小枝を踏む音を楽しむこともできません

せめて

やがてその島たちが集まり

僕があげたものを探しに行ける

旅人を誘う

大陸となることを

夢みようと思います

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「ホステクスの手紙」


寝つこうと思うのに

いきなり わけもなく

頭の中に浮かび上がる言葉

「ホステクスの手紙」

なんだろう

聞いたこともない言葉なのに

頭の中で響いてて

寝つけない

この言葉を忘れないようにと

便せんに書いて

封筒にしまっておく

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「夏着」


今年の夏の
マイブームからはずれた
半そでシャツを

いまさら着てみるけれど

ちょっと寒い

汗をかきそうなおこないをしそうな
部屋の中ででも

着てみようかな

その時には音楽が流れ

一々

拍手がわき上がると

なお

好いんだけど


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癒やして


ほどけた麦わらが一本

僕がどれだけ
この一本に癒やされてるか

みんなが何日大切に思ってくれるか

カウンターに そ〜っと置いてみる

もっと細くほぐして

一息で飛ばしてもみたいけど

今は

がまん

がまん


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「どうなることやら」 


お気に入りの景色に向かうには

いつまでも玉砂利のままの道なので

白蛇の話を出来ないでいる

気持ちの悪い色としか思えない光が
からみ合うトンネルの出口が
吸い寄せようとする

明日からも手足を隠して

寝起きをしてはみるけれど

どうなることやら

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舞台

僕が目を動かさなくっても

近づいては通りすぎてゆく踊り

最前列で足を組む客は

目を開けても

飛んではいない
周ってはいない

そんなモノの
舞台の後には

目立ってたと

いわれ

はにかむ


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