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冬の鈴
早くもまぶしい
冬の妖力
メリークリスマス
通勤路の変化
雪がふる
いつもの道
おとこ心
思い通りじゃない道
おばあちゃんのお家
気がみなぎる
今日の宿
このままでいいと思ってたのに
お香屋帰り
地球に輪
雪降る?
フッと現実
やがて旅人
ホステクスの手紙
夏着
癒やして
どうなることやら
舞台
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冬の鈴
袋の中で鳴る破魔矢の鈴が
シャンシャン シャンシャン
僕の乗る自転車が 空を飛べれば
トナカイ
今頃クリスマスプレゼントを
とどけに来れたと
子供たちに手渡すと
お父さんのお休みの日に間に合ったので
うれしい~
って?!
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早くもまぶしい
初日の出
逆光に彼女かお母さんか分からない
アベックの後ろ姿かな
いとおかし
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冬の妖力
池に氷が張ったころ
僕の座るところがなくなった
みんなが集まりスケートをしたり立ち話をしたりしてる
僕の座るところはどこにいったんだろう
この辺に座ってたよね
冬の妖力など考えたこともなかった
氷が育つころ
ホワイトホールから吐き出された熱風が
冷気と混ざり
煙幕となり
僕までも隠してしまう
春まで・・・らしいが
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メリークリスマス
そとはシンシンとふる雪
ここは雪積もる大地の果てに たどり着いた宿か
窓のそとに広がる大地への旅立ちの一歩を 語って聞かせる宿か
メリークリスマス
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通勤路の変化
お家が無くなり
その敷地がどんどん地盤沈下
もうのぞきこまないと底が見えなくなるかも
果物の皮を残し
中をスプーンでくりぬいて
食べる家族のお家だったから
捨てるテレビでも
廃車でもいいから
放り投げてみて
何か刺激を与えないと
もっと沈んでゆくかも
ヒュ~
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雪がふる
僕が手を伸ばしたその指先の少し先に
手を伸ばそうとする影があり
それは このふる雪なのか
どれもが同じに見えるので
話しかけたことはないけれど
こんな化身なら
話しかけてみようか
歩いても
走っても
どこまでも
ついてくるような
雪がふる
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いつもの道
下りたくはない坂なのに
押し入れからはみ出したような程度の
がけ崩れ跡の残る道
下りて向こうは上り
上りの途中でふり返ると
もどってきてしまう人が多い
頭上を行きかう高架からこちらを覗きこむ人は
決めかねて案内人の言うとおりに生きてきた人
その人の夢は
手を振り見送った人の土産話を待ってるのに
もどってこない人の数を当てること
道をとても歩いてるので
道の事が気になりだしてる
足をとめれば
突然そこが 待つ身の点
待つ身での
土産話の一つや二つは
旅から吐き出される人からは
分けてくれはしない
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おとこ心
黒いピアノの上に落ちる枯れた薔薇の花ビラは
洋風なドレスが似合う
黒いアスファルトに散る枯れ葉の作る模様は
着物の柄のようで和風
下駄の音までが誘う
枯れそろう前の野草のわずかに残る気が
まだらな背丈の芝生の上に
まっ平らな薄氷を張る
浮いてる?
そんな不思議な鏡は
おとこ心
なにを写したい
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思い通りじゃない道
いつも行くだけに使ってた道を反対に進むと
各家の表札をちぐはぐに読んでいいらしいのはうれしいけれど
いつもみかける人には会わない
雨の降らない道のはずなのに
雨が降るし
交通事故などない町なのに
交通事故処理の様子
いつも何か入れてみたいと思ってるポストも
今日はとても小さくみえて
気がしぼむ
それほどなのに
家に着くとやはり
ほっとさせてくれる
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おばあちゃんのお家
おばあちゃんのお家はこの辺じゃなかった?
この立ち入り禁止の柵の中ですか
柵のおかげで
風に吹き飛ばされることもなく 家には入り放題の枯れ葉
想像できそうだね
あのおばあちゃんの家なら
でも町内をもう一周してみようよ
雪だるま作りも好きなおばあちゃんだからね
もうちょっと広さのあるお庭かも
お気に入りのスターと
映画の名場面を生撮りしてるかも
どこにいるの
水たまりに天から届くまぶしい光の中?
会いたい
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「気がみなぎる」
気づかないうちに 歩道の幅の半分が草地になって
そんな勢いの向かいの空き地は
どちらかのお家のあった事を 思い出せないような跡地
大きな木が端っこなのに
どしっと
周りの雑草や水たまりでさえ 自分を引き立ててくれるためにある
また自信がみなぎる
そばを通る方たちの 温かい夕御飯を食べに帰る急ぎ足
そんなことも
わざわざ回り道をしてくれてると
思えて
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今日の宿
海そばの宿をすでに
とってあるので
どれだけ波が荒くっても
素敵な旅だと
海岸を散歩をする
そんな夢をみる
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このままでいいと思ってたのに
私はサンプルだったのでしょうか
机の上にいても 日記のそばにいても
今では落ち着きません
森の中の小さな草の根でさえ 見えるほどの土の割れ目に
埋めてください
防水ではないようなので やがてなにかに
再生できると思います
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「お香屋帰り」
きのうお香屋から帰るおばさんに
もう店を出たら現実なので
右左を見た方がいいですよ
と言いたかったけれど
言わなかった僕の
今日の朝だからか
いつもの景色がとても軽く感じる
今日もあの道順を通ろうか
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地球に輪
今日は虹が
あの虹がもうちょっとこっちに
またがるほど伸びてくれて
ぐる~っとしてくれたら
地球にも土星の輪が
とてもカラフルな輪
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「雪降る?」
ご飯つぶは
乾いて色あせても 砂つぶではないので
こんなところにいちゃだめですよ
座るにはお尻が痛いけれど
横になるにはちょうどいい硬さが
心に芽生えるからなのか
雪積る前の小道
今のうちに
この感じを
憶えておきたいのかね
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「フッと現実」
拍手がない
バックミュージックが流れない
誰も見ていてくれない
ということは
今は現実ってこと?
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「やがて旅人」
いくつもの島が次々と流れ着いてくる
そして心残りそうに離れてゆく
あまりにも流れ着いては 離れて行ってしまうので
一つの島ごとに
今までの僕の思い出や 大切にしてる小物を
一つずつ しまってあげることにする
そうすると そ~っと離れてゆく
なのに海抜が同じなのか
僕の思い出や 大切な小物では
平面なままなのです
凹凸のない世界
小枝を踏む音を楽しむこともできません
せめて
やがてその島たちが集まり
僕があげたものを探しに行ける
旅人を誘う
大陸となることを
夢みようと思います
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「ホステクスの手紙」
寝つこうと思うのに
いきなり わけもなく
頭の中に浮かび上がる言葉
「ホステクスの手紙」
なんだろう
聞いたこともない言葉なのに
頭の中で響いてて
寝つけない
この言葉を忘れないようにと
便せんに書いて
封筒にしまっておく
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「夏着」
今年の夏の
マイブームからはずれた
半そでシャツを
いまさら着てみるけれど
ちょっと寒い
汗をかきそうなおこないをしそうな
部屋の中ででも
着てみようかな
その時には音楽が流れ
一々
拍手がわき上がると
なお
好いんだけど
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癒やして
ほどけた麦わらが一本
僕がどれだけ
この一本に癒やされてるか
みんなが何日大切に思ってくれるか
カウンターに そ~っと置いてみる
もっと細くほぐして
一息で飛ばしてもみたいけど
今は
がまん
がまん
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「どうなることやら」
お気に入りの景色に向かうには
いつまでも玉砂利のままの道なので
白蛇の話を出来ないでいる
気持ちの悪い色としか思えない光が
からみ合うトンネルの出口が
吸い寄せようとする
明日からも手足を隠して
寝起きをしてはみるけれど
どうなることやら
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舞台
僕が目を動かさなくっても
近づいては通りすぎてゆく踊り
最前列で足を組む客は
目を開けても
飛んではいない
周ってはいない
そんなモノの
舞台の後には
目立ってたと
いわれ
はにかむ
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