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カラスさんへ
時がすぎてた
玄関がないのに
風のない公園
ま〜るく
川べりまで草の上を
道すがら
トンボの羽
舞いおりる空
夏終りの曇りの日の公園で思う

日の札幌の空
いわし雲
かわいい子犬
麗に舞い落りてゆく
知らない窓
まさる君の夏の日
アパートべた
日の射す軒下
はなれ浮き景色
町内の北パワー効かず



カラスさんへ


カルガモじゃないんだから
仲良く並んで歩かなくってもいいんですよ
カラスさん

僕は用事がすんだら

トイレットペーパーの端を きれいに三角に折って

今日はここに こなかったことにします

そうするから

もっといろんなことを

そ〜っと

見させてください


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時がすぎてた


こんなところにあるの?
という小路にあった時計屋さんが

今でもあった

すごい気がする

今までの僕のすごした時間と

時計屋さんのすごした時間と

どちらがゆったりしてて

どちらが早く過ぎたのか

どちらも正確には

すごせなかったはず

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玄関がないのに


真新しい家ができた

新築なので玄関も凝ってみた

とても素敵で 玄関なのに 遠くに住んでる妹が私の部屋にして

というのでしょうがなく妹の部屋にして

また玄関をつくる

今度は家から飛び出た玄関で 四方がガラスの壁です

なにを入れたいか 入れたがらないかも分かります

これは遠くに住んでる母親が気に入って

私の部屋にしといて

というのでそうしてあげた

でも二人ともいつまでも入居しようとはしない

すぐ目の前まで来ては

今日も帰ってゆく

玄関のない家が気にならなくなって

物音さえたてない僕ら家族が

待ってるのに

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風のない公園


草刈り機がモーターをとめても

刈り取られた草たちの無念は

匂いとなって
いつまでも
まとわりつく

時をもどそうにも

ベビーカーを押すお母さんたちの
時の進めるパワーにはかなわなく

なすすべもない

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ま〜るく


いつでも
玉砂利の上を
コロコロと

すてきな音をたてて歩ける僕

拍手も素敵なわき水のような
ポコポコって音がする

まあ〜るく


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川べりまで草の上を


40年目にやっと生えた草
を見ては

川べりに向かう

草刈り機の跡がすてきな道だと思ってから

永い

草刈り機の刈った後を
川べりまでゆける


夢だった

ペン盾にでさえ
おさまってしまいそうな
想いでも

40年たった


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道すがら


おばあちゃん
そこに座ってても

誰も来ないんじゃないの?

僕のように 水飲み場の横で

今日はもう後

終わりって

思ってみませんか


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トンボの羽


トンボの羽が透明なのはなぜ?

笹の葉が色づきでもすれば

その日に答えがでる

そして何度も何度も
同じ言葉で叫んでもいい日

ヒントのような気がするのに
どうでも昔の景色が探せないので

携帯を握りしめ

お気に入りの椅子に

深々と

寝いってしまう


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舞いおりる空


標識をすぎても ふり返っちゃだめだよ

標識の裏の色を 隠くそうと 空の色が曇り

いるかもわからない兄弟たちに ほめてもらおうと

舞いおりてしまうから


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夏終りの曇りの日の公園で思う


石の椅子もテーブルも取り壊され

そばにビニールのパラソルに
折りたたみのきゃしゃな椅子

その取り壊される様を見届けるためにあるのか

それがまるで現実かのよう


この前まであった素敵なベンチの前には

知らないうちに
コスモスの花が

こんなにもたくさん

いつ植えたんだろう

いやいやきっと

あなたが描いただけなんだと思うよ


すすきの胞子は冬に飛ぶのに
野を駆け周る服につくのは

なに?

ほろってみたら

現実かもしれないよ

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もう涼しい

早くも鳴く秋虫には
使命がある

不似合いに勝手にあちこちで咲く野花の葉に
白い化粧をほどこし

不気味な仲のいい世界を作ろうと
今シーズンも早々とやってきた

きっと足が生えても
からまりながら
何本もで
移動するんだろうから

そんなに逃れられはしない

それより
待つことに慣れた方が素敵で

虫の音も

心地よく

響くはず



せっせと

人には見えない
化粧をする


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日の札幌の空


ゆかたの裾が長いのはなんで?

やはりたくしあげて歩き始める人がいる

そんな人は河川敷でお気に入りの
菜園にしたくなるところをみつける

けれど

見上げると飛行船

あんなにゆったりとした
花火があれば
と思えたら

裾をもどしてた


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いわし雲

いわし雲

仲間で群れて空を舞う

穏やかな心で眺めたい

この入道雲のような わき上がる心を しずめ

自分の人生にはない
お話をつくっては

まことだと願えば

かなうかも


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かわいい子犬


私には素敵なバックも
かわいい子犬もいっしょ

そとでは抱いたまま

歩かせたりはしない

ひゅ〜


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華麗に舞い落りてゆく


彼氏と手をつなぐ側の女の子の肩から

垂れ落ちるスカートの肩ひもが

せめても

雨に濡れツヤがあり
いまだやくめを終わってない
縄ヒモにでもなりたいのに

誰にも気づかれもせず

朽ちて
道端に落ちてゆく


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知らない窓


みなさん暑いので窓を開ける季節

勝手に知らないお家にあがりこんで
窓からこちらを眺めてみたい

お家がだめなら
体育館などおすすめ?
怪しまれない?

いやいやそれでは景色が

知らないお家の
日の当らない部屋から

ぼ〜っと

こちらを眺めて

あ〜僕が歩いてる


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まさる君の夏の日


冷たいピーナツをどうぞ
と もわ〜とくわえてくる猫に

いえいえ結構です
と後ずさりをおぼえる犬

そんな面白い場面を見逃しながらの

昼寝熟 悲願中
の まさる君

今日も暑すぎて
うまく寝れないだろうに



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アパートべた


いつまでもアパートのようになれない建物

いつも赤信号で止まるので

いつも見ては思う


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日の射す軒下


僕には兄弟が何人いるのか分からなくなったのに

今日の朝も挨拶は一回しかしていない

朝ご飯を食べた後に聞こえる声の方に

今日もなにかがあるはず

うずくまりながら

軒下の奥深い所なのに日がさし温かく

土はさらさらと乾き

心地の良いさわり心地のところ

分からないことだらけのお家だけれど

やはりここの子でよかったと

思えるところ


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はなれ浮き景色


かたっぱしからのお家のドアをノックしてたら

素敵なことを教えてくれるお家がみつかった

この11件のお家はもとは

11本でできてた
小さな林の木たちだったんだよ

それはもう 素敵な景色だったのさ

でも木の根に生える石畳は 生い茂る雑草に隠れても

今をほうふつさせてくれてたんだね

小さな橋でもよかったしね

隣同士の少しの隙間も
耐えれないから

こうなっちゃったのかな

ま〜これもこれで

良しとしてもいいよ


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町内の北パワー効かず


今日はこんなに暑いので

町内のどこにいても同じです

町内の北の端に行けば涼しくなるんでしょうか

だめです

今日ばかりはこの町内名物の

北パワーも効きません

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