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カラスさんへ カルガモじゃないんだから 仲良く並んで歩かなくってもいいんですよ カラスさん 僕は用事がすんだら トイレットペーパーの端を きれいに三角に折って 今日はここに こなかったことにします そうするから もっといろんなことを そ〜っと 見させてください ____________________ 時がすぎてた こんなところにあるの? という小路にあった時計屋さんが 今でもあった すごい気がする 今までの僕のすごした時間と 時計屋さんのすごした時間と どちらがゆったりしてて どちらが早く過ぎたのか どちらも正確には すごせなかったはず ____________________ 玄関がないのに 真新しい家ができた 新築なので玄関も凝ってみた とても素敵で 玄関なのに 遠くに住んでる妹が私の部屋にして というのでしょうがなく妹の部屋にして また玄関をつくる 今度は家から飛び出た玄関で 四方がガラスの壁です なにを入れたいか 入れたがらないかも分かります これは遠くに住んでる母親が気に入って 私の部屋にしといて というのでそうしてあげた でも二人ともいつまでも入居しようとはしない すぐ目の前まで来ては 今日も帰ってゆく 玄関のない家が気にならなくなって 物音さえたてない僕ら家族が 待ってるのに ____________________ 風のない公園 草刈り機がモーターをとめても 刈り取られた草たちの無念は 匂いとなって いつまでも まとわりつく 時をもどそうにも ベビーカーを押すお母さんたちの 時の進めるパワーにはかなわなく なすすべもない ____________________ ま〜るく いつでも 玉砂利の上を コロコロと すてきな音をたてて歩ける僕 拍手も素敵なわき水のような ポコポコって音がする まあ〜るく ____________________ 川べりまで草の上を 40年目にやっと生えた草を見ては 川べりに向かう 草刈り機の跡がすてきな道だと思ってからが 永い 草刈り機の刈った後を 川べりまでゆける 夢だった ペン盾にでさえ おさまってしまいそうな 想いでも 40年たった ____________________ 道すがら おばあちゃん そこに座ってても 誰も来ないんじゃないの? 僕のように 水飲み場の横で 今日はもう後 終わりって 思ってみませんか ____________________ トンボの羽 トンボの羽が透明なのはなぜ? 笹の葉が色づきでもすれば その日に答えがでる そして何度も何度も 同じ言葉で叫んでもいい日 ヒントのような気がするのに どうでも昔の景色が探せないので 携帯を握りしめ お気に入りの椅子に 深々と 寝いってしまう ____________________ 舞いおりる空 標識をすぎても ふり返っちゃだめだよ 標識の裏の色を 隠くそうと 空の色が曇り いるかもわからない兄弟たちに ほめてもらおうと 舞いおりてしまうから ____________________ 夏終りの曇りの日の公園で思う 石の椅子もテーブルも取り壊され そばにビニールのパラソルに 折りたたみのきゃしゃな椅子 その取り壊される様を見届けるためにあるのか それがまるで現実かのよう この前まであった素敵なベンチの前には 知らないうちに コスモスの花が こんなにもたくさん いつ植えたんだろう いやいやきっと あなたが描いただけなんだと思うよ すすきの胞子は冬に飛ぶのに 野を駆け周る服につくのは なに? ほろってみたら 現実かもしれないよ ____________________ 秋 もう涼しい 早くも鳴く秋虫には 使命がある 不似合いに勝手にあちこちで咲く野花の葉に 白い化粧をほどこし 不気味な仲のいい世界を作ろうと 今シーズンも早々とやってきた きっと足が生えても からまりながら 何本もで 移動するんだろうから そんなに逃れられはしない それより 待つことに慣れた方が素敵で 虫の音も 心地よく 響くはず と せっせと 人には見えない 化粧をする ____________________ 今日の札幌の空 ゆかたの裾が長いのはなんで? やはりたくしあげて歩き始める人がいる そんな人は河川敷でお気に入りの 菜園にしたくなるところをみつける けれど 見上げると飛行船 あんなにゆったりとした 花火があれば と思えたら 裾をもどしてた ____________________ いわし雲 いわし雲 仲間で群れて空を舞う 穏やかな心で眺めたい この入道雲のような わき上がる心を しずめ 自分の人生にはない お話をつくっては まことだと願えば かなうかも ____________________ かわいい子犬 私には素敵なバックも かわいい子犬もいっしょ そとでは抱いたまま 歩かせたりはしない ひゅ〜 ____________________ 華麗に舞い落りてゆく 彼氏と手をつなぐ側の女の子の肩から 垂れ落ちるスカートの肩ひもが せめても 雨に濡れツヤがあり いまだやくめを終わってない 縄ヒモにでもなりたいのに 誰にも気づかれもせず 朽ちて 道端に落ちてゆく ____________________ 知らない窓 みなさん暑いので窓を開ける季節 勝手に知らないお家にあがりこんで 窓からこちらを眺めてみたい お家がだめなら 体育館などおすすめ? 怪しまれない? いやいやそれでは景色が 知らないお家の 日の当らない部屋から ぼ〜っと こちらを眺めて あ〜僕が歩いてる ____________________ まさる君の夏の日 冷たいピーナツをどうぞ と もわ〜とくわえてくる猫に いえいえ結構です と後ずさりをおぼえる犬 そんな面白い場面を見逃しながらの 昼寝熟 悲願中 の まさる君 今日も暑すぎて うまく寝れないだろうに 夏 ____________________ アパートべた いつまでもアパートのようになれない建物 いつも赤信号で止まるので いつも見ては思う ____________________ 日の射す軒下 僕には兄弟が何人いるのか分からなくなったのに 今日の朝も挨拶は一回しかしていない 朝ご飯を食べた後に聞こえる声の方に 今日もなにかがあるはず うずくまりながら 軒下の奥深い所なのに日がさし温かく 土はさらさらと乾き 心地の良いさわり心地のところ 分からないことだらけのお家だけれど やはりここの子でよかったと 思えるところ ____________________ はなれ浮き景色 かたっぱしからのお家のドアをノックしてたら 素敵なことを教えてくれるお家がみつかった この11件のお家はもとは 11本でできてた 小さな林の木たちだったんだよ それはもう 素敵な景色だったのさ でも木の根に生える石畳は 生い茂る雑草に隠れても 今をほうふつさせてくれてたんだね 小さな橋でもよかったしね 隣同士の少しの隙間も 耐えれないから こうなっちゃったのかな ま〜これもこれで 良しとしてもいいよ ____________________ 町内の北パワー効かず 今日はこんなに暑いので 町内のどこにいても同じです 町内の北の端に行けば涼しくなるんでしょうか だめです 今日ばかりはこの町内名物の 北パワーも効きません |
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