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月夜のゆかた 花火帰りの女子の 両手を合わせ祈る姿 その素敵さをと ゆかた姿も 美しい月夜も 加勢しては 手の中の携帯だったモノを 消してしまう ____________________ 交差点 日傘を持ってても 雨傘を持ってても 赤の信号はとまれ シャボン玉が飛んできては 謝られたけれど シャボン玉だからね いいんじゃない 信号が青に変わったので みんな行ってしまうし ____________________ 海に連れてって いつもの公園なのに 友達がいない今日の夏 やっぱりお父さんにもう一度頼んでみよう 太陽がカンカンで熱い そんな今 汗も噴き出る腕を 大きく振り 家に向かって走る〜 お父さん 海に連れてって〜 ____________________ クルミの殻 去年の秋からクルミの殻が 空のまま 開いたまま いつでもどこにでも行けるように 子どもたちの自転車のかごの中 今年の秋にも僕を使ってよ まだこんなに丈夫な殻のままなんだよ 優しく実を包んであげれるよ くるみ教会の会員にはなってるから またこれからの違う人生も 用意されてるとは思うけどね ____________________ ハッピーディー 目覚ましが 人の声で起こしてくれそうな予感な日は ハッピーディー? ____________________ 白の似合う日 薄い緑には濃い緑ほどは 白は似合わない まだまだ小さい子供のいる 公園の前のお家のあたり 子供がひとり立ち 緑は濃さを増し 空の青さを眺めては 飛行機雲の白さ ____________________ まどろむ おばあちゃん となりのお家のおばちゃんや きのうの昼はとても穏やかな昼だったのに どこに行ってたんだい? きのうは本当に穏やかな日だったね あたしゃきのうは あの葉っぱの上で休んでたのさ 気持ちがよかったよ〜 あんた知ってたかい? 葉の上にも花が咲くことがあるんだよ それはあたしのことかね わっはっはっは ____________________ 雨そろそろ みんなが いっせいに 洗濯物を干すものだから 空に 舞い上がった 湿気が そろそろ ど〜っと 落ちてくるころ ____________________ これから 中古車屋の売り場には 必ず一台は黄色い車が 置かれることになったんだそうです やはり 免許もなかった昔でも欲しかった黄色い車 手付金を 払っとけばよかった そのあとは払えなくっても そのころと今までがつながったろうに あの頃のもう一人の自分はとても年寄りで いう事は聞きなさいと 耳打ちしてくれてたのに ____________________ 虫 パーカッションはコンビニの中で鳴ってます あの頃は いつもそうなんですよ 新聞を開いたり閉じたり どのページを開こうがその音が 寄せては返す波の音で出来てたんですから 思いでとしてしか言えなくなりましたが 人間だったころの記憶です 間違いはないと思います 道端に吹きだまるタンポポの綿毛たちの中に 入り込んでしまった小さな命の僕 人間だったころの寒い日は いつか入ってみたかった これはもっと確かな思いで ____________________ 暑くても僕は僕なのだけれど 文字の書体の変え方が 分からないので そのそばを車で 何度も通ってみる うろちょろ うろちょろ こんなことをやってると いつも流されてゆくのが 僕なので 思いつくごとに 坂道を作ってみる 思いつくごとに 作るものだから 見はらすと 変 昼になって なおさら 変 この暑さのせいかも 今日もなにも 進まなさそうなので 三角屋根に 四角いハンカチを かけてあげてみる ____________________ お天気 日影のひんやりとした空気が 下から 日なたの温かい空気の邪魔をしようとするけれど 多勢に無勢で 今日は日影の負けで 天気は 晴天! ____________________ ボタンが夢 服についた干からびた米粒は ボタンのさわり心地が夢 でも ボタンにはなれない ____________________ ハイタッチ ハイタッチを忘れた朝 振り返ると 時間が ゆれてはくれるけれど 今度があるさ〜 ____________________ 川岸 主流から逃れてくる川の流れに 今日もあすも癒され 人通りがなきゃ 毎日でもここで足を止めたい 白が好きなご主人のお家は車も白 きのうは物置まで白く塗ってる 刈り取られみんな 背丈がおんなじになっちゃった雑草たちは どこに姿を映せばいいの せめて刈り取られた草を川に流してみる 怒られはしないと思うよ 白くない自分は家の中から 出てこれないんだそうだから ____________________ 信号待ちの角の景色の向こう ギターはケースの中 角の商いをやめたそば屋でも 看板はじゅうぶん 目印にはなるのに そのとなりに 何年も耕しても雑草さえ生えない畑が 散歩道にあるので こちらも有名で 両手は空いてるのに なにかを伝えたいと思えない風景 通りすぎるのが きょうも早い ____________________ 太陽に向かう用意 もっと暑くなっていいんだよ 冬から待ってたんだから ジリジリ暑い日なた チョークで線をひく その手前でもじもじ やはり どれだけ暑くなっても ゴール前で朽ち果てるのは いやかな ジリジリした夏 その線を越して向こうへ 振り返れば明日も使う 初めのライン 向こうから 太陽に向かうのが 本当 ジリジリと ____________________ ボールと車 早朝の公園の駐車場は 車が一台もいない ガラーンとしてて こんな時には きのうの忘れもののボールが一つ 落ちてたりして と思ったら チョッと恥ずかしそうに 駐車場の横に隠れるように ポトンといる なら僕の車も駐車場一番乗りはやめて その横に がら〜ん♪ ____________________ 窓 おたくの窓いつから 向きが変わったんですか この方がよさそうですね 捨てられた三輪車までが 見えるようになりました 大人になったら うまくこげないんだった もう無理だよと思ってた いろいろな思いも カーテンがあれば ほどよくしてくれるから 窓は多くてもいいかもね ____________________ 水玉模様の傘 水玉模様の赤い傘は それだけで魅力的なのに 傘立てに入れても入れても クロークのフックに垂れさがり 人目につく もう開くことはないのか 雨は降らないお店の中 少しの風が 散る桜の花びらを 運んでも 窓越しに見るだけ 怒らないから 迎えに来て ____________________ やさしい枯葉 みんなが僕を追い越して行く 足音とともに 足音がしなくなったとき 振り返っても誰もいない 羽を忘れた枯葉は 地面をコロコロと転がっては 後ろで 足音のまねをしてくれる やさしい枯葉 ____________________ 春なのに25度覚悟の日の朝 飾りのドラムやテルテル坊主たちを 枯れた小枝に飾るのがお気に入りだった子供が その木を嫌になるまでは幸せだった 子供は 春なのに25度覚悟の日の朝 嫌いになった 木はおられゴミ箱の中 飾られてた テルテル坊主や飾りのドラムは 捨てられることはなく 棚の上に 一緒にごちゃまぜ置き これもまた幸せ こんな未来があったなんて 僕テルテル坊主さんより 小さいんだね と寄り添う 飾りのドラム ____________________ |
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