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月夜のゆかた
交差点
海に連れてって
クルミの殻
ハッピーディー
白の似合う日
まどろむ おばあちゃん
雨そろそろ
黄色い


暑くても僕は僕なのだけれど

お天気
ボタンが夢
ハイタッチ
川岸
信号待ちの角の景色の向こう

太陽に向かう用意
ボールと車

水玉模様の傘

やさしい枯葉
春なのに25度覚悟の日の朝

月夜のゆかた


花火帰りの女子の
両手を合わせ祈る姿

その素敵さをと

ゆかた姿も
美しい月夜も

加勢しては

手の中の携帯だったモノを

消してしまう


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交差点


日傘を持ってても
雨傘を持ってても

赤の信号はとまれ

シャボン玉が飛んできては
謝られたけれど

シャボン玉だからね
いいんじゃない

信号が青に変わったので

みんな行ってしまうし


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海に連れてって


いつもの公園なのに
友達がいない今日の夏

やっぱりお父さんにもう一度頼んでみよう

太陽がカンカンで熱い
そんな今

汗も噴き出る腕を
大きく振り

家に向かって走る〜

お父さん
海に連れてって〜


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クルミの殻


去年の秋からクルミの殻が

空のまま 開いたまま

いつでもどこにでも行けるように 子どもたちの自転車のかごの中

今年の秋にも僕を使ってよ

まだこんなに丈夫な殻のままなんだよ

優しく実を包んであげれるよ

くるみ教会の会員にはなってるから

またこれからの違う人生も 用意されてるとは思うけどね


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ハッピーディー


目覚ましが

人の声で起こしてくれそうな予感な日は

ハッピーディー?


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白の似合う日


薄い緑には濃い緑ほどは
白は似合わない

まだまだ小さい子供のいる
公園の前のお家のあたり

子供がひとり立ち
緑は濃さを増し

空の青さを眺めては

飛行機雲の白さ


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まどろむ おばあちゃん


となりのお家のおばちゃんや

きのうの昼はとても穏やかな昼だったのに

どこに行ってたんだい?


きのうは本当に穏やかな日だったね

あたしゃきのうは
あの葉っぱの上で休んでたのさ

気持ちがよかったよ〜

あんた知ってたかい?
葉の上にも花が咲くことがあるんだよ

それはあたしのことかね

わっはっはっは


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雨そろそろ


みんなが
いっせいに

洗濯物を干すものだから

空に
舞い上がった
湿気が

そろそろ

ど〜っと

落ちてくるころ


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これから
中古車屋の売り場には

必ず一台は黄色い車が
置かれることになったんだそうです

やはり
免許もなかった昔でも欲しかった黄色い車

手付金を
払っとけばよかった

そのあとは払えなくっても

そのころと今までがつながったろうに

あの頃のもう一人の自分はとても年寄りで

いう事は聞きなさいと

耳打ちしてくれてたのに


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パーカッションはコンビニの中で鳴ってます
あの頃は いつもそうなんですよ

新聞を開いたり閉じたり
どのページを開こうがその音が

寄せては返す波の音で出来てたんですから

思いでとしてしか言えなくなりましたが
人間だったころの記憶です

間違いはないと思います

道端に吹きだまるタンポポの綿毛たちの中に
入り込んでしまった小さな命の僕

人間だったころの寒い日は
いつか入ってみたかった

これはもっと確かな思いで


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暑くても僕は僕なのだけれど


文字の書体の変え方が
分からないので

そのそばを車で 何度も通ってみる

うろちょろ うろちょろ

こんなことをやってると
いつも流されてゆくのが

僕なので

思いつくごとに 坂道を作ってみる

思いつくごとに 作るものだから

見はらすと



昼になって なおさら



この暑さのせいかも

今日もなにも
進まなさそうなので

三角屋根に
四角いハンカチを

かけてあげてみる


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お天気


日影のひんやりとした空気が

下から

日なたの温かい空気の邪魔をしようとするけれど

多勢に無勢で

今日は日影の負けで

天気は

晴天!


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ボタンが夢


服についた干からびた米粒は

ボタンのさわり心地が夢

でも

ボタンにはなれない


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ハイタッチ


ハイタッチを忘れた朝

振り返ると

時間が
ゆれてはくれるけれど

今度があるさ〜


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川岸


主流から逃れてくる川の流れに

今日もあすも癒され

人通りがなきゃ

毎日でもここで足を止めたい

白が好きなご主人のお家は車も白
きのうは物置まで白く塗ってる

刈り取られみんな
背丈がおんなじになっちゃった雑草たちは

どこに姿を映せばいいの

せめて刈り取られた草を川に流してみる

怒られはしないと思うよ

白くない自分は家の中から
出てこれないんだそうだから


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信号待ちの角の景色の向こう


ギターはケースの中

角の商いをやめたそば屋でも

看板はじゅうぶん 目印にはなるのに

そのとなりに

何年も耕しても雑草さえ生えない畑が
散歩道にあるので

こちらも有名で

両手は空いてるのに

なにかを伝えたいと思えない風景

通りすぎるのが

きょうも早い


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太陽に向かう用意


もっと暑くなっていいんだよ

冬から待ってたんだから

ジリジリ暑い日なた

チョークで線をひく

その手前でもじもじ

やはり
どれだけ暑くなっても ゴール前で朽ち果てるのは
いやかな

ジリジリした夏

その線を越して向こうへ

振り返れば明日も使う
初めのライン

向こうから 太陽に向かうのが

本当

ジリジリと


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ボールと車


早朝の公園の駐車場は
車が一台もいない

ガラーンとしてて

こんな時には

きのうの忘れもののボールが一つ
落ちてたりして
と思ったら

チョッと恥ずかしそうに

駐車場の横に隠れるように
ポトンといる

なら僕の車も駐車場一番乗りはやめて

その横に

がら〜ん♪


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おたくの窓いつから 向きが変わったんですか

この方がよさそうですね

捨てられた三輪車までが 見えるようになりました

大人になったら うまくこげないんだった

もう無理だよと思ってた いろいろな思いも

カーテンがあれば

ほどよくしてくれるから

窓は多くてもいいかもね


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水玉模様の傘


水玉模様の赤い傘は
それだけで魅力的なのに

傘立てに入れても入れても

クロークのフックに垂れさがり

人目につく

もう開くことはないのか

雨は降らないお店の中

少しの風が
散る桜の花びらを
運んでも

窓越しに見るだけ

怒らないから

迎えに来て


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やさしい枯葉


みんなが僕を追い越して行く

足音とともに

足音がしなくなったとき
振り返っても誰もいない

羽を忘れた枯葉は

地面をコロコロと転がっては
後ろで
足音のまねをしてくれる

やさしい枯葉


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春なのに25度覚悟の日の朝


飾りのドラムやテルテル坊主たちを
枯れた小枝に飾るのがお気に入りだった子供が

その木を嫌になるまでは幸せだった

子供は
春なのに25度覚悟の日の朝
嫌いになった

木はおられゴミ箱の中

飾られてた テルテル坊主や飾りのドラムは

捨てられることはなく

棚の上に
一緒にごちゃまぜ置き

これもまた幸せ

こんな未来があったなんて

僕テルテル坊主さんより 小さいんだね

と寄り添う

飾りのドラム


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