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名無しの花
花が咲くにはまだ早い みずならの木の その横 おなじ庭とは思えないように 白く素敵な数の花が咲く 名のってくれなければ 僕には 名無しの花 ____________________ 公園の隅の柵 公園の隅を覗く遠くの カーテンのない窓の中のお人 きっとここが 前は神社だったのを 知ってるんだろう その頃は隅でも柵はいらなく 神社の裏 そうそんな呼び名で よかったんだと思う 立ち入ることができない 草一本でも抜くことはしない 神社を低いところには 置かない想いだった住人達は 柵があるばっかりに隅と言われる公園のここんとこからも 子供たちの遊ぶ声が 柵を越えるのを 見る ____________________ 散歩道 この道に転がる小枝や小石 なにが気に入っていつもここを通るのか あの袋小路のお家 あそこだけはなくなれば 雪解けの水たまりができ そちらには行くまい と思えるのに 惜しいな やはり この道だけでは 一年は過ごせない ____________________ 粋なステージ とっぴのないところに ステージを広げてみようよ あなたの忘れてた台詞が 思い出せるだろうし 最前列にいる観客の鼓動が 聞えるかもしれない 後ろでいつもあなたを見守る方の お顔までが見えて いろいろと気づき とても晴々 雨上がりの花壇の合間にできたなら とても 気遣いもある粋な ステージ ____________________ 竹林静か 竹笛が割れてつぶれて 竹林の中 雪解けに 現れる 静か ____________________ 春だから 砂浜で気持ちよさそうに写真におさまるみなさん どう 砂は温かいかい? そのすぐ下の砂も温かいかい? ちょっと素足でぐりぐりしてみてよ 砂より下はいつまでも水をふくみ 砂より出てるからだは干からびてゆく そうあなたはもう人間とはいわれず 新しい生き物 だって足の裏から伝わる そんな感触にも 笑顔なんだもの 春だから? ____________________ わたしの踊れるところを造りたくって スコップ持参で公園にきました わたしのステージは皆さんの通らない策の前 知らない方が手伝ってくれちゃいます かける音楽を持ってくるというんです どんどん気が重くなります 雪解けの遅いところを ステージにしちゃったのが いけないのかな あなたが道に腰掛けて わたしの踊りを見上げる 分だけを雪かきしてください そしてたまに 拍手をしていただけるだけでよろしいのです 人もけっこう通りますから 寂しくもありません どうもありがとう ____________________ かりんとうを踏む 今日 きのうだいぶ雪が降ったんですね で冷えてて硬いし でももふもふ雪もかぶさってて まるでかりんとうを踏んで歩くと こんな音がするのかな ____________________ 神社の階段の一番上 雪が降ってきた 春なのに 水分をたくさん含んだ 重たい雪 こんな日は 空を飛べない 明日も同じ天気なら 思い切って 神社の階段の上から 元気に 飛びたってみようと 思います ____________________ わたしのスペース わたしの踊れるところを造りたくって スコップ持参で公園にきました わたしのステージは皆さんの通らない策の前 知らない方が手伝ってくれちゃいます かける音楽を持ってくるというんです どんどん気が重くなります 雪解けの遅いところを ステージにしちゃったのが いけないのかな あなたが道に腰掛けて わたしの踊りを見上げる 分だけを雪かきしてください そしてたまに 拍手をしていただけるだけでよろしいのです そうすれば 人もけっこう通りますから 寂しくもありません どうもありがとう ____________________ 神社の階段の一番上 雪が降ってきた 春なのに 水分をたくさん含んだ 重たい雪 こんな日は 空を飛べない 明日も同じ天気なら 思い切って 神社の階段の上から 元気に 飛びたってみようと 思います ____________________ その名は春 笑顔がさわやかなブルー
髪は白く ズボンは茶色で シャツは鮮やかな緑 ときたま降る雨に濡れても いい男 その名は 春 さっきから あっちにいったり こっちにきたり 春 まっさかり〜 ____________________ 終わり 車一台どいてくれれば 馬をとめれるのに 約束してくれたでしょうと 声を張り上げていっても 外での約束は 良く聞こえなかったもの と言い訳をされてしまえば終わり せっかく雪のとけた道の使いようなのに終わり 終わったのなら もっともっと 高い空から見下ろすんじゃないと 足元を覗いてただけなのに しなびた元気のないたんぽぽと いわれてしまう僕のように なってしまいますよ ____________________ 生還しよう 無人島に漂流して 自分ひとりだと思ってるあなた 明日の朝にでも 無人島かどうか 調べるために 探検しましょう あまり動かず 助けを待った方がいいのは 山の時ですから みんなあなたの事を 待ってますよ ____________________ 今日の札幌 のびたそーめんは PCのキーボードの間の掃除にしかつかえない と、きれいに洗っておくと 部屋の隅で忘れ去られ ハムスターに姿を変えた靴下が そのそーめんを食べたがってる 先ほどからビルが 少し少しゆれるのです 歯の根についた歯垢のように ビルの根に残った雪までもが 解けはじめてるからか そんなところまで解けなきゃいけないんですか ゆるしてあげてください 僕って優しい? なら もう一つの可愛いい靴下が忘れ去られてくれないかな ハムスターに変える呪文を 忘れないうちに ____________________ 舞い降りる カツ丼は やはり 個性的なので 引き込まれるように その上に舞い降りる 真っ赤なリボン でも憧れは 白いご飯の上に 舞い降りること ラップをされてて キラキラしてたら なおいい 白と赤とは こんなにも 引き合うものなんだと 白はお母さん 生まれたばかりの我が子を待つ母 舞い降りる真っ赤なリボンに いらっしゃいな ____________________ 青 雪の中に見える青いいろは 薄くぼやけ なんの色なのか 落とした 靴下? タオル? 雪がとければ もうすぐ 分かる 空から 迎えがくる青ではないし 海に返さなきゃいけない 青でもないと思う 海に連れてってくれる電車は まだペンキ塗りたて中 ____________________ 春 わたしのお気に入りの花は 確かこの辺に そろそろ咲くはず いやいやまだまだ寝てるでしょう 日傘をさす時には 勝負時ではないとご婦人が そんな日差しもまだかな 料亭の庭に咲くという薬草 小さい子の唇が荒れるとその汁を塗ると治るという 僕はあなたの子供です 春にはどこかに行ってしまうその子の 最後のねがい ____________________ こぼれない窓 このアパートには 人が住んでるのに 誰も住んでないかのような 明かりのこぼれない部屋の窓がある 昔の幸せな家族の住んでたころが 忘れられない想いの部屋 大家族なので一人一人にあたる ヨーグルトの量も少ない でも幸せな家族だった 今日の札幌の雪が 雨にしか映らないのは こんな窓だからかもしれない ____________________ つらら 太めなつららが落ちておれてる 上をみると松の木しか見あたらなく 落ちる時には周りから 悲しまられたりして 松の木でもこんなに太くなるものなのか 朝日がそそぎ輝くとき 願い事がかなうようにと 手を合わせる方もいたはず そんな日々にも終わりがきたのかとも思うけれど でもまだまだ景色は春遠く 松の木を見上げる姿で 風にゆれるとはこういうことなのかと 感じ入ってるよう 明日も あさっても 踏まないようにしよう と 思う ____________________ 冬の公園に咲く気づかい 誰もいない公園のベンチが ギシギシ音をたてる 僕らは皮ふでは寒さは感じないんだよ でもからだに入る冷気はいく分感じるんだ だからつい音をたてちゃうのさ 背中におりたつカラスに こわがらせまいと ベンチはそくざに 教えてあげる そんな今だ吹雪く公園での会話 誰もいない公園なんて 誰がいったんだい |
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