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燃える水 風がやむとあっさりおとなしい 枯れ落ちた葉も 水辺に垂れ下がり燃えるような色を蓄えてたころ そのままに水面に映る わずかに水路を開くつもりの 白鳥の白さが 舞うほどに 燃え上がる 水絵 ____________________ 明治時代 狸小路の信号が赤なら 薄目がちにし 息を軽く吐き 気を抜き 肩を丸める 明治時代の 狸小路が 目の前にあらわれ 一丁ごとに ビニール張りの入り口があり どの店子も薪ストーブを焚く 店の商品に埋もれながら 飲む甘酒 これが良くってここに店を出すのさね 店に着いてからの キセルの一服がいいのさ 信号が変わっても 気がもどれないのは 交通整理の 格好好きな おじさんのせい うそでもいいから そろそろ僕を手招きして ____________________ 外玄関 そこはよそのお家でしょう いやここまでなら入っていいみたいですよ 雨の日の信号待ちではいつもそうしてますよ 今日はパンを焼かなかった日なのでしょうか 温度がありいません こんな日はもっと奥まで 覗いてみたいんですが 信号が変わりました またみんなの仲間入りです 不慣れなままですが よろしくお願いいたします ____________________ 太陽の光がたりない あちらに曲がると 太陽の光がサンサン いろんな人の笑顔までが 太陽の光が反射して 出来るものなんだと 分かる 今日も市電を正面からみる 勇気が出なかった 僕をみつけたら かならず手前で止ってくれるって 分かってるのに 大きなかぼちゃを買いに行くには 笑顔じゃないと 怪しまれます 太陽の光がたりない ____________________ 足の裏 分厚い靴底をけずって薄くして歩くと 石ころの一つ一つが分かるんだよ やがて雪が降り そのでこぼこまでが おかしい 真夜中はスケートリンクに 忍び込む 朝には新雪を踏みしめ 好きな人の名前を 描く 迷いながらなので 温かな中敷が ありがたい ____________________ 悪い一角 いつもガムを捨てる 道端の側溝があふれ ようやくなにかが生まれそう ロープで立ち入り禁止にまでした 花壇が出来上がり その横には鉄骨だけになった イスの出来上がり パンを食べるといつもカレーパンだけが残る そんなベンチも出来た 楽しみ ____________________ 木枯らし蜃気楼 玄関先の枯葉を 片付けないお家は すてきです アスファルトをはがしましょう 水たまりを作りましょう 落ちた小枝もからっからです 小枝を集め お盆ではないのに 迎え火 弘前 ____________________ (笑) 笑顔ごっこ この遊びに勝ったものは 何かをつかむらしく 2度とここにはもどってこない いつまでも勝てないでる人は 勝っては出てゆく人の 仕草を真似てみるけど その人にメールで なんか 疲れるんですけど と言ったら でしょ(笑) メールの(笑)が一番よ って ____________________ 中止 雨の中 風の中 走る わたしは冬 池はあふれ 石ころはながれ 岩によりそう あと少しで太陽が現れる 背に浴び 来春の自分を思い描こうにも 冬を脱ぎ捨てるには まだ先 今なにを飲めばいいのかも 分からないほど 喉の渇きまでが いらないことに 思える ____________________ 寒空 こんなに寒いのに 空は青空 太陽の光は サンサンとそそぎ まぶしい こんな日の食べかけの ドーナツの切れ端は まだ丸だった頃が 忘れられず ギターのチョーキングに 小躍りする小枝の話より 頭の上に落ちてきた小枝に きのうまでを リセットされた子と 仲良しなのさえ 忘れてる ____________________ 一人ぼっち みんなの優しさが見えるので 帰れないアザラシ おなかがすいたら魚 日向ぼっこはボートのヘリで きっと今僕を見てるみんなの目は 飾らない優しさなんだろうな 海の中ではきっと こんなことはないと思う でも そろそろ 帰らないと 僕のことを おとぎ話にして そして 最後のページには 「お母さんが迎えに来ました」 って描いてね ____________________ おまじない 花咲かじいさんも 今じゃたいへんだね いろりもなきゃ 灰もない いやいや今じゃね 枯葉がみんなに踏みしめられて 粉になってくんだよ それを次の春にまくのさ それはもう すてきな花が咲く それを聞いた茶摘お嬢さんや 日本式掃除風のおばさんも ほっかぶりをしたまま 森を駆け抜けにくる とてもすてきな 舞台だ おまじないを かけて欲しいんだろう ____________________ 廃虚のコケ現場 方言が聞こえてくると 映画の収録セットの駅を思い浮かぶ 拭かれることもなくなった窓ガラスから かろうじて主人公の面影が漂う 汽車などくるはずもないのに 買い物籠をもった おばさんも写る 短いレールが旅人遊びの 主人公達に いまだに人気 迎えてくれる駅だからなのか 廃れることのないセット ____________________ 初雪? おなかが空いてると 女性が現れる これ食べる? 美味しいよ ビニール袋に入れられた モノを言ってるんだと 思う 日の光に照らされて 袋がきれいだ でも中身は見えない おにぎりの一個ぐらいは 買えそうなので 遠慮する のど飴を見つけて 食べてると また これ食べる? どうも 空から舞い下りてきた 方のようです ____________________ 甘酒 甘酒が飲みたい 塩は入れた? 列に並ぶ? スキー場で? 小さな子がいるので 大きな鍋が ビックリな思いで そんな事を思いだしながら 飲む 甘酒 ____________________ 白湯 さ湯をいただきたい 信号が赤に変わったのに 人の気配のない建物から 人が出てきたのに 枯葉集め人の手伝ってほしそうな 目線の中 やり過ごす帰り路 からだをやさしく 温もりでいいから やはり一枚脱ごうか もう一杯ちょうだい ____________________ 枯葉の変わりよう 枯れて みどりの体から こんなにもいろいろな色に 生まれ変わる 枝についてたころは 再会を約束し合うけれど 枝から落ちると 意識は遠のき 雨に濡れ 重たい心に 風が吹き 少しでも ゆれる 枯葉だけが 生まれ変われると 信じる ____________________ 少しだけ笑える わたしのお家は いつもこの滝の内側 いえいえ 泣きながら 薄目を開ける あなたの癖 少しだけ 笑える ____________________ 昼寝? つとつととした生活にも 音楽が流れると 動きがスローになり ここで風が吹けば 空に舞いあがれる お昼ごはんを食べた後の 眠気の中の事 ____________________ 果物屋 今日はなんか温かい 果物屋のおばあちゃんが こんな日は どの果物が売れて どの果物が残ってるか 匂いで分かるのさ 思い出す匂いに 果物屋でよかったと思うよ さわると痛い 果物もあるけれどね ____________________ からっ風 僕の今日の寒さは 音がなく 包まれても これが僕なんだと 気づかない 返事をしたら 誰か聞いてくれるのかな 今日なら 素直なのに |
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