文へ |
35 top 34 33 32 31 30 29 28 27 26 25 24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 ここがススキ野原だった これからの季節 ファゴット 空用の靴ってやはりあったんだ 最近がなつかしい 夏の ちょっと 秋 火星の天気の来襲 あたり前だった頃 朝? さがしもの 雨宿り 時代 松ぼっくり 風 蛾が死んでる ハイカラなおばあちゃん おみこし花 蝶のやきもち 暑い札幌 |
ここがススキ野原だった 歩き方は軽やか ここが ススキ野原だった頃を思い出す アスファルトになってしまった 割れ目に 一本 一本 植えてゆく いまだに とっても シンプルなやり方 ____________________ これからの季節 ランプは風がにがて ゆらゆらゆれて 落ちて すてられて だれかが おこられる 初めてランプの灯った日の みんなの笑顔が 忘れられないはずなのに すてられたランプをまたぐと 少しの申し訳なさが 影のまま 消えずに のこり 行ってしまわないでと 聞こえるほどの 灯火は もう少しぐらいなら メッセージをくれるという 温かさもほしい 季節だけれどもね ____________________ ファゴット ファゴットがほしい パンを焼いたところでしょう? 乾してた傘が乾いたころですね まだ陽だまりのベンチから おばあちゃんたちは 帰ってこないし 今日は後は うたた寝 風もない ファゴットの響が心地がいい 僕が吹いてるんじゃないよ 僕の中にある ボヤけたうれしさが そうだもの 今日一日の ことが ファゴットの音色の 中でのことだもの ____________________ 空用の靴ってやはりあったんだ 花びらのような靴べら この木の下にこんなに 散るからか みんなが空へ舞い上がるところ そして またここにもどってくる 何枚か拾って 合わせて 美しく 楽しそうに とりつくろう こんなにもすてきな靴べらは この森でしか 見つからないんですよ ____________________ 最近がなつかしい なんであの頃に写真を撮っとかなかったんだろう これから写真を撮りにいこう あちらこちらでアスファルトが口を大きく開き そこから吐き出された電池は潰れ セミの死骸と区別がつかない そんな道でも 過去にたどり着けば メッセージを残さなきゃもどれないんだと知り こまった顔でパシャ! 自転車のチェーンを交換したぐらいで 快適な日々の笑顔 そんな最近が なつかしい ____________________ 夏の 夏が終わり 出窓にさす日が足りない 自転車で追いかけようとすると ちょっと待って 僕がハンドルにしがみつくまで待って この星では 今では蝶やトンボとはペットのようにして 付き合えるようになったんです 来年の夏もいっしょだといいね ____________________ ちょっと 秋 今飛び越えたモノは 蛇の死骸? もしそうだったら いやなので 振り向かない 小走り 小走り 小走りで歩けば 誰かを追い越せるし 振り返るとその人に また会える 熊に会うといやなので 丸太を持って歩く 人のいなさそうなところでは 素振りをしてみる ちょっと 汗 ちょっと 秋 ____________________ 火星の天気の来襲 夜の公園で傘を何本も足首の上に置き 雷が鳴ると蹴り上げる 地球ではこれぐらいじゃ 雷がここに落ちてくることはない と思いたい遊び この天気の正体は火星から来たらしい 火星では蹴り上げた傘はどれも ここに降りはしないのです なのでそんな 肝試しは流行りません と最近の天気は 教えてくれてるようです ____________________ あたり前だった頃 横浜色の昔ながらの ハイカラ・アイスクリーム 注文したいけれど 僕が食べちゃうと もう終わりらしい あずきの色や ハヤシライスの色が 難しくなく作れた頃 あの頃の川に隠れる珍しい石が 今ではポケットに入りたいと 孫を待つ ____________________ 朝? 自転車のタイヤにへばり付いた朝は 切れっぱしなので アサガオの一欠けと間違えそうになる もうすぐ昼になるこの時間の不思議 明日からはもう少し早く起きよう ____________________ さがしもの 右にみえるバラは まばら 枯れる花 左にみえるバラは 太陽を浴び 生きのびる 高く高くのぼる バラは 一人ぼっち たえきれず 一輪 空を映す 水たまりに落ちては ゆっくりと しずんでゆく どこまでも さがしものは なんですか ____________________ 雨宿り オドロオドロしい 黒い雲が 広がる あの雲の下で逃げ惑い 長い雨宿りにみせる 仕草に 野球好きなのか テニス好きなのか 声をかけたことのある人だったかと 思えるほどの 近さ ____________________ 時代 フォークソングを歌ってよ ジーパンはほつれ 伸ばしきった髪の友と コルク底の厚いサンダルで フリルの付いたミニスカートの女の子が りぼんの分厚い別冊を小脇に抱えて たずねて来てくれるよ 歌い終わったら あなたにあこがれる人だかり 学食の夕方 来年は僕だって ____________________ 松ぼっくり 松ぼっくりって 元気緑色は 上をむいてるものなの? 茶色くなったのは 細長くたれてるモノなの? ならロウソクは この木からなり 冬には白くなる いつ落ちるかわからないので 真下を 通らなければいけない車は 軽で静かに通ること でこぼこでは とても気を使うこと 誰が見てるか 分からないので とっても 素朴な姿を たいせつに ____________________ 風 長屋の奥ばったお家が 風が欲しいという いえば今日もレールがない道なのに 路面電車がかすめてゆく その後には たっぷりと風が吹く 路面電車の中で ジュースの空き缶が転がってゆくのが 分かるほどになった長屋の人たち 電車をとめて教えてあげようか それとも風 風〜 ____________________ 蛾が死んでる 一本の木からこんなにも 花が落ちるものかと 見れば蝶でもなく蛾 きのうがそんなに 最後の夜だったのかい 願い事はかなったのかい? 君たちの夏は終わったようだけれど 僕らの夏はまだ終わらないんだ 願い事もまだ用意できてないし せめて踏まないように よけて歩けるほどの 数なのが幸いです ____________________ ハイカラなおばあちゃん アフリカに行くより 1人で入るラーメン屋の方が 遠いよ 理由を小枝で道に書こうとしても 小枝がつかめない さわったところから崩れてゆく 理由を思い出せれない日はそんなもの 短くなったけどやっと 小枝をつかんで 歩くおばあちゃん ポケットに入りそうだね 飛行機の窓が開くなら アフリカの空から 小枝を放り投げてみたい とハイカラな おばあちゃん ____________________ おみこし花 一本の花をどうすれば出来るのか 上は四角く折り重ねられ 茎を手に持つと おみこし花 そっと御輿に挿す 今年も無事でありますように 祭りが終われば そ〜っと 散歩路に置かれ 何ものだったかも 分からないほどの 枯れ方に さみしく そばに祭りの 痕跡をさがす ____________________ 蝶のやきもち 蝶々がひとり僕の指先をかすめる その後でもうひとりが 僕の耳の辺りを周り なにかいいたそう やきもちかな 大丈夫だよ 今この公園で蝶々は 君たちだけだし 僕はそんなに華麗に舞えないし 今世界は 君たちのものだよ ____________________ 暑い札幌 太陽が照る〜 暑い シャボン玉が光を反射しながら ゆらゆら 泣く子を抱くお母さんの方へは 飛んでいかないので 赤ちゃんは泣きやみません あたしゃ雑草を引っこ抜くのは 頼まれたけど バラをひっこ抜くような へまはしないよ そんな元気な おばあさんの方へ 飛んでゆく 雑草も集めれば 何かを作れそうだけれど でも それには 今日は 暑すぎます ____________________ |
文へ |