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縁側
おばあちゃんの心

音楽の向こうが透けて見える
水槽の中でも

走る貴婦人
いつでも話せると思うよ
夏休み


ちょっとそこまで
気になるので
骨董品屋の明かり
視界
人間って
黄色いテーブルが生まれた
パノラマな景色
曲で思い浮かぶ景色
夏の日の昼
テントウムシ
ちゃんと
帰っておいでよ

縁側


四角く一口大に 切られたスイカを

食べる? というかみさんに

いらない

縁側があるわけじゃないのに

昔ながらで

いきたい

ここで

風鈴がチリンだし


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おばあちゃんの心


おばあさんが今日もバス停の陰に隠れてる

もうあたしゃね探してくれる人もいないんだよ

そんな〜

地球上の水分だって今このスイカの中にかくれてるってみんなしってるよ

みんなは花火を見に行いちゃっておばあちゃんのその笑顔をさがしてたのさ

だからお家の煙突をふさぐのはやめて

誰もいないお家みたいじゃないか


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音楽の向こうが透けて見える


すてきな音楽の向こうが透けて見える

手をふるあなたのシルェット

小走りな僕の心

重なりあう雲

それでも

足もとを見てしまうのは

鳩が好きな僕だから


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水槽の中でも


知ってた?

この水槽の中のすてきな世界は

わたしが作ったんですよ

遊べそうなものや安らげそうなものも

みんな

わたしならこうしてくれたら
この水槽の中で一生をすごしてもいいなと

思えそうなつくりにしたんです

だれかが灯台を水槽の中に入れちゃったの

こんな世界でも

目標が欲しいのかしらね


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走る貴婦人


きらびやかなドレスの腕は引きちぎられ すそは
短く切りあげられ

真っ黒に日焼けをした貴婦人が

走る

帽子はもちろん リボンつき

風が吹けば片手でおさえながら走る

みどりの色が合わなさそうな笹の原の前で休む

避けてあげようとすると

僕の歩幅以上のジャンプで 去ってゆくバッタのような

身のこなし

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いつでも話せると思うよ


12小節分ぐらいなら
いつでも話せるよ

それ以上だと

冬にすてた氷柱に
味が付いちゃうって

なにもしないで
座っていれるのが

あさってまで

その次の日からは

僕の好きな
夏の雨が降る

それでも

自分に聞かせる
物語だモノ

4小節分ぐらいなら

なんとかとは

思います

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夏休み


どろの木の小枝が 足元に落ち

ぜったい捕まらない 塩からトンボのまねを してくれたら

むぎわら帽子が

店先でお安く 売られ始めたら

虫取り網と 魚とり網とが

今はまだ しっかり分けて使われてて

でもチョークは ポケットに入れてちゃ

いけないんだよね

あとはなに?

やった〜 

きょうから

夏休みだよ

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濁る池の雨上がり

綺麗なことには 不慣れなので

きらきらする底がみえては

はずかしがってる

池の水はおとなしいから

いろんな事を教えてあげたいね

また濁り始めてきましたよ

それなら この池に伝説をつくりませんか

そろそろ

妖しくなっていただきましょう

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ちょっとそこまで


裸足に下駄で

靴下を買いに行く

からんころん からんころん

う〜ん



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気になるので


窓があまりなく不評だったビルが

大きくすてきな窓を一階に作って
見せてくれた

大きな窓ですね

いやいや玄関をこちらの南窓に作ったんですよ

でも一緒に植えた花壇の草木が大きくなりすぎて

こちらから出入りできなくなりました

南側ってそういうものらしいですね

それじゃこの前を路面電車の曲がり角にしましょう

そして壁一面を大きな鏡にしましょう

曲がり角の最中に駅を作れないものかと

今度

みんなで集まりましょうよ

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骨董品屋の明かり


骨董品屋の奥に置かれた小物入れに刻まれた文字が

僕らには縁のないほどの昔のことだろうし

地名なのか人の名前なのかさえ分からず

ご利やくのあるお言葉なのかさえ分からず

使いごたえのあんばいをみるには
どうすればいいのか

せめて もうちょっと

明かりをこちらへ

いやいや外の明かりより

そのひしゃげた傘つきの電球の方が

相性がよさそうです

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視界


建物の中なのに

うすよごれた 自転車が置かれ

その前を

小学校の頃は 人と話せない子だった女性が

美しく歩く

くもりガラスの内側に張った セロテープ分の視界からは

繁盛してるお店の 看板の誤字までが

名物


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人間って


おい人間が近づいてきたら 逃げなきゃだめじゃないか

何のためにいつも2羽で じゃれあってたのか

知らなかったのか

幼いカラスたち

でも僕らの林に ずけずけと入ってくる人間がいる

林の外にはいつまでも その人の自転車が置きっぱなしなんだ

こんな時には僕らはどうすればいいの

人間って弱さもみせるんだね

あの自転車もう3日間 置きっぱなしだよ

もうもどらない人間


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黄色いテーブルが生まれた


みどり豊かな森の中での テーブルはみどり色?

僕は違うと思うよ

黄色さ

お気に入りの詩集を景色に

すてきな詩がうまれるように

森の中に豊かな色が浮かぶ

チョッとのおどろきで

この色から音が

森の中で拡散する

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パノラマな景色


今はなくなったキャンプ場に西日が差し

うたた寝からさめては夜の買出しに行く

薪は足りるかな 炭は足りるかな

一段下がったところに真っ赤な車が泊まってる

真っ赤な大きな太陽が沈む前に

夜の仕度をしなきゃ

真っ赤なオキがたくさん出来たら

サツマイモを入れよう

パノラマな景色だったので

キャンプ場がなくなっても

はしっこの変わらない景色のおかげで

コーヒーぐらいはいただけますよ

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曲で思い浮かぶ景色


僕の笑顔が

この景色までも包んでみせるから

見てて

そんなことをいう僕は

今ただよってる

もうすぐここを通りすぎてしまうらしい

だから

さー

いくよ

今日のシーンに似合う曲は

歌詞つきだから

語りついでね

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夏の日の昼


ねーそろそろ
今年も

あの曲がり角の向こうは

海なんだよと

うそをついてあげないと

昼寝をしても

ヘリコプターの音が
現実の音にしか

聞こえなくなるし

おばあちゃんとお話をしてても

友達が迎えに
来るかもしれないと

落ち着けない

夏の海よりすてきな日を
今過ごしてるんだよと

思わせてあげなきゃ

夏の日の昼だもの

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テントウムシ


大きく大きくされた テントウムシが

中身をくりぬかれて リュックにされた

それがとっても流行り

みんながするものだから

そんなに大きく育てれないので 流行のリュックがなく

外にでかけれない

でもね

小さいままの テントウムシを

野菜サラダの中に
入れるときれいなんだよ

とっても気に入ってるみたいだし

ドレッシングはどうする?

いやいや
霧雨だし

サラダボールごと

外にだしといてあげようよ

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ちゃんと帰っておいでよ


みんな

海を忘れてないかい

波は高く 沈んだモノが

舞い上がる

帰り道をこちらにえらんで
帰ってるんだよ

反対方向行きは夏だけの

天国なんだからね

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