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ぬいぐるみの後姿に祈る
スレる

住人
花見
河川敷
あなたの笑顔
アスファルトと落ち葉

春ラン
たんぽぽ

雨上がり
ウルトラマン
そこから僕を見てたのかい
夕方の散歩
春の足音
札幌は寒い
お気に入りの缶コーヒー
札幌
わずかな雪
空の花瓶
季節の入り口

ぬいぐるみの後姿に祈る


今日も用事がなさそうなので

アクリルのケースの中

息をしないので 
くもる事はなく

動かないので ちょうど入れる大きさでいい

後ろに回りなにか 思う人の気は分かるらしい

アクリルのケースの中にいてさえ

後ろ姿が 

そう物語ってる


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スレる


今日の私は
道を譲ってもらってばかり

向こうに見える
ガソリンタンクにも
満タンですと
言われる

どこからか
フランス人形のえらんだ曲が
聞こえる

それでも
自然でいるには

少しばかりの
ワセリンを

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住人


僕の家は
木造平屋の一軒や

自慢は妙に横に長い家

みなさん
ごみやこわれた自転車などを
捨てていく

駐車場じゃないのに
駐車してく人達も
大勢いる

オンボロ

建物の光沢などない

窓ガラスもところどころ割れてる

人は空き家だと思ってるようです

でも毎日 家の出入りには

とってもすてきな笑顔で暮らす僕に

出会えるでしょう〜

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花見


毎年

風たちの花見の後は
散々です

いいことといえば
落ちた枝付きの花を

もって帰れることかな

今日は
風が吹かない日曜日

温かく

桜咲く

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河川敷


交通の要の東橋

下からも車の通りの凄さが分かる

なのに ここは せまくなった通りがあるだけの 河川敷

寂しさが

どうだい?
まだ先まで行くのかい

いや
帰ろうか

今度は小さな花を
探しにこようよ

この小道がにあいそうだよ

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あなたの笑顔


あなたの知らない

あなたのすてきな 笑顔のおかげで

今日も世界は救われました

ありがとう

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アスファルトと落ち葉


アスファルトの上の落ち葉をはがしても

物語ははじまらないよ

湿気がしたたり落ちて

かすかに乱反射

アスファルトと落ち葉は

毛嫌いだから

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春ラン


残る雪の写る写真は寒そうでも

楽しかった思い出なんだよ

汗もかいてるし

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たんぽぽ


たんぽぽってどんな花だった?

子カラスが元気に遊ぶころ

あたり一面に咲く 友を作るのがうまい花

アスファルトがあるから

踏まれることもなく

野に咲け

あ〜まって

たんぽぽかぶり〜

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なんだなんだ
今日も家から出なかったのかい

だって今日も僕の人生は
中庭でたりたんだから

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雨上がり


雨の日のアスファルトにあらわれるミミズたちは

びしょぬれの土の中から 地上に押し上げられるのが

そんなにも快感なのか

アスファルトの上で干からびる

そこを
ベビーカーをひくのが得意なお母さんが うまくすり抜ける

この雨上がりに 雨合羽のはしをつまんで
荷物の周りをぐるっと ひと回りするご婦人と

目を合わせることはない

どちらも昼時は

顔色をつくれないのだろう

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ウルトラマン


おじさんなんで変な目をしてんの

おじさんはね
じつはウルトラマンなんだよ

わーっはっはっはっは

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そこから僕を見てたのかい


するめの足と足の間の空気が
動けないでる

なにかを
思い出させたいのかも

こんなところにも
素敵がと

おもえた

でも

とてももろい

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夕方の散歩


この景色はお気に入りなので
いつも一ミリずつしか進めません

今日も夕日の方が早く
海の中に沈んでしまいます

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春の足音


アリをよけて
犬にぶつかりそうになる

吠えられた

春の太陽に捻じ曲げられ カラカラに渇いた小枝を踏む

アスファルトの上の砂を シューズで踏むより

革靴で踏むほうが カッコいいような音がするそうだ

でも
朝の通勤がないだけでも

幸せモノ

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札幌は寒い


皆さんのための雲が明日も 行きすぎてしまうよう

日陰の水たまりは薄氷

暖をとる

火にあたる

なにかに囲まれ

すごしたい

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お気に入りの缶コーヒー


お気に入りの缶コーヒーの
ホットが置いてない コンビニの駐車場からも

古代が蘇るのか

いや無理だと思う

あの缶コーヒーの 温かな香りがなければ

占いもおぼつかないし

遠く 昔の 事

鏡は拭いても

若返りの魔力を

発揮できないでる

今日は もう

なすすべはなし

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札幌


ホテルの朝 その前を通るのが好き

観光客が  まだまだいたいねと つぶやく

僕はこの街のどこかに 今日も明日もいるんだよ

と自転車をこぐ

家までの間には 観光地があればいいのに

そこではちょっと 休んでゆくかも

とてもすてきな街に

思えてる

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わずかな雪


どうしてもそこに車をとめたいんですか
引越し屋さん

じゃそのじゃまな雪をどかせば

でもそれじゃ

唯一のこの町内の雪が
なくなってしまう

大丈夫ですよ

この街なら
散歩を好きになれそうですよ

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空の花瓶


あまりつまらない花瓶が ぽつん

では横に穴を開けましょう

そこから花が芽を出すかもしれません

いえいえ植木鉢じゃないので
芽は出さないでしょう

ではこのつまらない花瓶は
そのままですか

いやいやきのうの真夜中 鬼達のケンカがあったようです

真っ赤な鬼の舌が丸まって何枚か落ちてます

花瓶の横穴に挿してみませんか

きれいに写るかもしれません

花瓶の花には時間はなく

あれほど艶やかだったのに

もうどれも空っぽなんですから

これからも

出来る事はしてみませんか

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季節の入り口


突風に飛ばされた小枝が きれいに皮をはがされ

次の色はなに色と 春なのでわくわく

小枝なのに 影がまるで鳥居

違うよ

そちらから入ると菊祭りで 季節が違うよ

桜祭りはこちらから ゆくんですよ

わたしは小枝です でも赤く塗ってください

いくらかでも

お役にたちたい

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