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桜祭り 春うらら 少しの風と陽だまり 桜を愛でながらの 皿おちょこ まるで この国の城主様 庶民のお子たちに 桜祭りみやげを くだせ〜 ____________________ 春の吹雪 春の日は 夏の涼しい日では なかりけり ____________________ 浮く バックミラーに 僕の通り去った景色が映る どんどん去るだけの 遠近感 そんな日は足の高いベンチで うたた寝 宙に浮いたり 深い谷底から青空を見上げたり なんでも出来る 僕は自由 ____________________ 春入ぽかぽか 春のセキは冬思う仕草 なのにストローでさえ 箸置きがほしくなるほどの活躍 う〜ん きゃり〜 ____________________ さがしたいイス ガラスドアの向こうに すてきなイスがたくさんならんでて 僕を手招きする あんなにもならんでると どれかに座りたくなる とてもすてきだ やさしさまで感じる ガラスに映る僕の世界 の向こう 僕の世界にもあんなイスが あるのか ____________________ 冬春の散歩 曲目のないCDは 思いが切り替わる時が 曲の境目 そんなCDを聞きながらの散歩は 春雪に刺した枝の日時計 枝は倒れんばかりにかしぎ なにかを決めることに 疲れてる 迷ってるわけじゃない 冬から乾してたリュックに そろそろ 飴玉の一つでも 入れようか ____________________ 住み分け 積もる雪の影で 解けれない雪たち 住み分けって なにを意味するのか 難しいものなんでしょうか ____________________ 曲がり角に触れる 曲がり角って 強進行が生まれるところなの? いやいや すてきな曲がり角は 休むところなんだよ この街にもこんなにも 曲がり角があるね 休んでごらん あなたの写真を持ってる人が この町にもいることが 分かるから きっと聞こえるんだ せまくなった小川からも 水の流れる音が そのぎりぎりの曲がり角 そこをあなたの本籍にしよう ____________________ こわれてるのか分からない イスの上に こわれたイスが 置かれてる 僕の代わりを してくれたのか 日がさしてきましたので クラシックをかけましょう まだ こわれたことに 気づいてないのかもとも 思うんです ____________________ 春のスプーン 冷たいスプーンに 早春風がかすめては さらに冷たく まだ とっても 温かいものを 口にしたい ____________________ 柔らかいので 僕の体は 柔らかいもので出来てる 電気も通す 服を脱いでも 人間のような形が くずれたりしない 松ぼっくりでさえ 日が差せば 開き 雨が降れば 閉じるのに 止まる気もないのに 橋に手をかけながら 渡るのは そのためなんだろうか ____________________ 春栗 秋が栗を乾いた春の アスファルトに 放り投げてくる 寂しいのか 手違いか それにしてもおいしそう トゲトゲから出され 丸まるな一個なんです 秋には 生卵でさえ うまく割れない僕 その前に ポツンと ____________________ 冬冬春 少しだけあらわれたアスファルトを みんなで分け合いながら散歩 コンパスの針はなにを刺す 譜面台に置かれた譜面が 光を透かし 朝をさえぎる障子 雪には出来ないこと 帰ったら ところどころ花の咲き始めた 洋服掛けが 華やかだろうし ____________________ 子供なのに 紙風船をくれる 薬売りのおじさんは いい人なのに おじさんがくると なんの光なんだろう 白いカーテンがくすむ カキ氷を出前してくれる おばさんは 笹の野原で遊んじゃいけないよ あそこは 人を寄付けたがらない物の怪の 住むところだからね 土間が高いので 今日も大丈夫だけれど 子供なのに 忘れたいことばっかりだ ____________________ 寂しがる小枝 なんの気なのか 小枝たちが根元から抜け落ちて行く 雪解け水が とどまる事なく 流れ去るから 寂しいのか 白い雪の上に落ちれば やがて流れてゆけるとでも ここでは 春よ 花の咲くのを 見せてあげてください そして道を行く人たちの ほころぶ笑顔を 見せてあげてください ____________________ 追い音 後ろから音がする それをこの公園では 追い音という 振り返ってもだれもいない 葉の付かない今だから見える 林の向こうの母校 こんな雪の上の 犬には犬しょんと人しょんの 違いが分かるのだろうか そんな時にこそ聞こえる 追い音 だれもいないのに ____________________ 星砂 星砂浜を 小瓶につめる 一本だけ 一粒手のひらにくっつくのが とてもすてきな形なんだけれど 砂浜にもどそうか 小瓶に入れようか ____________________ 後ろ髪雪 このとけ雪で ぐじゃぐじゃの時期が 一番 困りモノ 困りモノ もうとけ始めみえる アスファルト面なのに 突然降るこの頃の雪は 観光客の皆さんにはあげれません この時期の雪はみんな 僕のモノで〜す ____________________ もうすぐ春 もうすぐ春 ひじを元気に後ろへふる 少しからだが前にでる 地面に着いた足で地面を蹴る 少しからだが前にでる へその下を前に押しだすように 背筋をのばし 少しからだが前にでる ゆるんだ空気を味わいながら 少しからだが前にでる ____________________ 橋 僕の好きな橋なのに この橋を義務として 渡らないといけない 渡った先には 3パターンほどの自由があり もどることもゆるされる 橋のない頃の 両岸の想いは 語り継がれはしなかったらしいので 河川敷のまだの雪深ささえ じれったい ____________________ 雪だったものたち 雨だれが 足もとを流れてゆく 雪だったものたち さようなら ____________________ |
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