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桜祭り
春の吹雪
浮く
春入ぽかぽか
さがしたいイス
冬春の散歩
住み分け
曲がり角に触れる
こわれてるのか分からない
春のスプーン
柔らかいので
春栗
冬冬春
子供なのに

寂しがる小枝
追い音
星砂
後ろ髪雪
もうすぐ春

雪だったものたち

桜祭り


春うらら

少しの風と陽だまり

桜を愛でながらの

皿おちょこ

まるで 

この国の城主様

庶民のお子たちに

桜祭りみやげを

くだせ〜


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春の吹雪


春の日は

夏の涼しい日では

なかりけり


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浮く


バックミラーに 僕の通り去った景色が映る

どんどん去るだけの
遠近感

そんな日は足の高いベンチで

うたた寝

宙に浮いたり

深い谷底から青空を見上げたり

なんでも出来る

僕は自由


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春入ぽかぽか


春のセキは冬思う仕草

なのにストローでさえ
箸置きがほしくなるほどの活躍

う〜ん

きゃり〜


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さがしたいイス


ガラスドアの向こうに

すてきなイスがたくさんならんでて

僕を手招きする

あんなにもならんでると

どれかに座りたくなる

とてもすてきだ

やさしさまで感じる

ガラスに映る僕の世界 の向こう

僕の世界にもあんなイスが

あるのか

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冬春の散歩


曲目のないCDは

思いが切り替わる時が 曲の境目

そんなCDを聞きながらの散歩は

春雪に刺した枝の日時計

枝は倒れんばかりにかしぎ

なにかを決めることに

疲れてる

迷ってるわけじゃない

冬から乾してたリュックに

そろそろ 飴玉の一つでも

入れようか

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住み分け


積もる雪の影で 解けれない雪たち

住み分けって

なにを意味するのか

難しいものなんでしょうか

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曲がり角に触れる


曲がり角って

強進行が生まれるところなの?

いやいや すてきな曲がり角は

休むところなんだよ

この街にもこんなにも 曲がり角があるね

休んでごらん

あなたの写真を持ってる人が この町にもいることが

分かるから

きっと聞こえるんだ

せまくなった小川からも 水の流れる音が

そのぎりぎりの曲がり角

そこをあなたの本籍にしよう

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こわれてるのか分からない


イスの上に こわれたイスが

置かれてる

僕の代わりを してくれたのか

日がさしてきましたので クラシックをかけましょう

まだ

こわれたことに 気づいてないのかもとも

思うんです

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春のスプーン


冷たいスプーンに

早春風がかすめては
さらに冷たく

まだ とっても
温かいものを

口にしたい
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柔らかいので


僕の体は 柔らかいもので出来てる

電気も通す

服を脱いでも

人間のような形が くずれたりしない

松ぼっくりでさえ

日が差せば 開き

雨が降れば 閉じるのに

止まる気もないのに 橋に手をかけながら 渡るのは

そのためなんだろうか

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春栗


秋が栗を乾いた春の アスファルトに

放り投げてくる

寂しいのか 手違いか

それにしてもおいしそう

トゲトゲから出され

丸まるな一個なんです

秋には

生卵でさえ うまく割れない僕

その前に

ポツンと

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冬冬春


少しだけあらわれたアスファルトを

みんなで分け合いながら散歩

コンパスの針はなにを刺す

譜面台に置かれた譜面が 光を透かし

朝をさえぎる障子

雪には出来ないこと

帰ったら

ところどころ花の咲き始めた 洋服掛けが

華やかだろうし

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子供なのに


紙風船をくれる 薬売りのおじさんは

いい人なのに

おじさんがくると

なんの光なんだろう 白いカーテンがくすむ

カキ氷を出前してくれる おばさんは

笹の野原で遊んじゃいけないよ

あそこは

人を寄付けたがらない物の怪の 住むところだからね

土間が高いので 今日も大丈夫だけれど

子供なのに

忘れたいことばっかりだ

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寂しがる小枝


なんの気なのか

小枝たちが根元から抜け落ちて行く

雪解け水が とどまる事なく 流れ去るから

寂しいのか

白い雪の上に落ちれば

やがて流れてゆけるとでも

ここでは 春よ

花の咲くのを 見せてあげてください

そして道を行く人たちの

ほころぶ笑顔を

見せてあげてください

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追い音


後ろから音がする

それをこの公園では

追い音という

振り返ってもだれもいない

葉の付かない今だから見える

林の向こうの母校

こんな雪の上の

犬には犬しょんと人しょんの

違いが分かるのだろうか

そんな時にこそ聞こえる

追い音

だれもいないのに

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星砂


星砂浜を
小瓶につめる

一本だけ

一粒手のひらにくっつくのが

とてもすてきな形なんだけれど

砂浜にもどそうか

小瓶に入れようか

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後ろ髪雪


このとけ雪で
ぐじゃぐじゃの時期が

一番

困りモノ

困りモノ

もうとけ始めみえる
アスファルト面なのに

突然降るこの頃の雪は

観光客の皆さんにはあげれません

この時期の雪はみんな

僕のモノで〜す

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もうすぐ春


もうすぐ春

ひじを元気に後ろへふる 少しからだが前にでる

地面に着いた足で地面を蹴る 少しからだが前にでる

へその下を前に押しだすように 背筋をのばし 少しからだが前にでる

ゆるんだ空気を味わいながら

少しからだが前にでる

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僕の好きな橋なのに

この橋を義務として 渡らないといけない

渡った先には 3パターンほどの自由があり

もどることもゆるされる

橋のない頃の 両岸の想いは

語り継がれはしなかったらしいので

河川敷のまだの雪深ささえ

じれったい


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雪だったものたち


雨だれが

足もとを流れてゆく

雪だったものたち

さようなら


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